フロントブレーキキャリパーオーバーホール ~132,756.9km~

今日は、車齢18才の愛車バイクVFR750F(RC36)のフロントブレーキキャリパーをオーバーホールします。
前回、前々回のブレーキキャリパー清掃の時に、動きが渋くなったピストンを発見し回復を試みましたがダメで、今回のオーバーホールに至ったのです。

https://…/2008/03/15/ フロントブレーキキャリパー清掃 ~132,470.6km~
https://…/2007/12/02/ リアブレーキパッド交換 ~129,962.0km~
https://…/2007/09/01/ 出発前整備~ブレーキキャリパー・チェーンの張り~
https://…/2007/07/22/ 夏に向けて・・・オイル交換&ブレーキパッド交換 ~122,918.1km~

普段もメンテナンス自体は行っているので、ピストンが錆びたり固着、あるいはブレーキフルードがペースト状・・・といった重症ではありませんし、過去のバイク屋へドック入りの際にはオーバーホールもしています

フロント:2005.01.29 99,228.6km Fブレーキキャリパーオーバーホール

https://…/2005/01/29/ 車検入院

リア  :2004.08.08 97,072.5km キャリパーASSY交換

https://…/2004/08/08/ ドック入り

命に関わる部分なので今までバイク屋に任せていたブレーキ油圧系統の整備も、ドック入りに時間を掛けたくなかったので自分でチャレンジしてみることにしました。

・純正パーツ注文 ・いっぱい手配しました ・ブレーキフルードも高級品 ・注射器とパイプ

分解・清掃作業

さっそくロックネジ(?)、パッドピンを外してブレーキキャリパーを取り外しオイルボルトを少しだけ緩め(キャリパーを外した後だと緩めることが困難。)てからマウントボルトを外してキャリパーをバイク本体から切り離します。

さて、ココまで一気に作業を進めてしまい、写真を撮っていませんでしたので、適宜前回のキャリパー清掃時の写真も織り交ぜながら紹介していきます。

・フロントブレーキキャリパー ・ロックネジ(?)を外す ・パッドピンを外す ・マウントボルトを外す

圧力の関係上でオイルボルトを緩める前に、リザーバタンクの養生をしてからキャップを取り外し、リザーバタンクからブレーキフルードを抜き取ります。
そして最後にオイルボルトを外して油圧系統からキャリパーを取り外します。
でも、リザーバタンクからブレーキフルードを抜いていてもホースの中には残っているため、オイルボルトをはずした瞬間『ダラーッ!!!』とブレーキフルードが垂れてきますが、用意していたペットボトルを手に届く範囲に寄せるのを忘れたため地面に垂らしまくりです。最後に水で洗っておくことにします。


あとは18年間の汚れをひたすら落とします。歯ブラシとママレモン攻撃です。

・リザーバタンク ・結構まっ黄色! ・ゴシゴシ。洗います ・二つあるので大変です

さて、写真を見て気がつくでしょう。ピストンがあんまり出ていません
人力でピストン脱着ツールを使用して引っこ抜くつもりでしたが、元々動きが渋いピストンは脱着ツールを使用してもとても難儀します。

https://…/2006/12/21/ 工具マニア

・ピストン脱着ツール ・ピストンの内側からテンションをかけて引き抜きます。

このピストン脱着ツール、人力で握ることでピストンの内側から外側から広げるように作用するのですが、RC36のピストンのサイズの関係上でちょうどツールの開く幅だと力を掛け難いんです。
ひたすら人力握力を使って引っ張り出しますが(誤解が無いように書いておきますが、普通に動くピストンはちょっと疲れるぐらいで抜けました。)、ビクともしません。油圧とはいえよくこんなのを動かしているなぁ!
プロは空気圧を使うらしいけど、空気圧でも動くのコレ(?)というぐらい固いです。

・プライヤーを使って・・・ ・引き抜きました。 ・ダストシールとオイルシール

ピストンの摺動面に傷をつけてはいけないんですけど、交換するつもりだったのでプライヤーを使用してつまんで引き抜きました。それでも難儀で10分ほど格闘してしまいました。次回は油圧系統をバラす前にギリギリまでピストンをせり出させておくことにします。
たかがダストシール(手前)とオイルシール(奥)、ゴムのわっかなのですが、コレが劣化するだけでアレだけ手応えが固くなるわけですから不思議です。


つづいて、古いシールを取り外します。
たまたまラジエターコアの修正用にカギ型の工具を持っていたためにこれを使用して"突き刺す&引っ掛けて"取り出したらすぐに取れました。

・コネクターツール ・簡単に引っかかります ・ダストシールは汚い ・全部取りました。

片キャリパー2ピストンなので、両側合計4ピストン。シールは各ピストン2つなので全部で8つ取り外しました。
後は、取り外した溝にもママレモン+歯ブラシ攻撃で、可能な限り磨きます。


ちなみに、奥にあるオイルシールは『ピストンとキャリパーの間を埋めてブレーキフルードは漏れないけどピストンは通過させる』役割で、フルードの圧力でピストンを押し出すときに変形し、圧力がなくなった際にピストンを引く動作も担当する、ピストンと並ぶ主要な機能部品でもあります。
これが劣化するとピストンがスムーズに動かなくなるし、傷が付くとフルードが漏れ出したりもします。

そこて、オイルシールの外側に、細かいゴミを内部に侵入させないための『ダストシール』を設けて、ピストンとオイルシールを保護しているのです。(車の場合だと、さらにピストンの摺動面を保護するダストブーツがあります。)

・ダストシール側は汚い ・この間バイクは無残な姿

ダストシールの溝は結構細かい汚れがこびり付いています。
ブレーキキャリパーの汚れ全般にいえることですが、油汚れではないのに頑固な粉末がこびり付いていて、ちょっと擦った位ではまったく落ちてくれません。
歯ブラシを何度もなんども何度もなんども使用するとようやく落ちくれるかな(?)という感じです。見た目の部分はどうでも良いですが、こういった機能に影響する部分はがんばって磨きます。

しかし、いろいろ事情があって朝から始める作業をつもりが14時から。日が落ちる前に原状回復しなければならないのである程度で妥協してしまいました・・・。
でも、おかげで手で持ってもすべすべで、今までのように手がベトベトになることはなくなりました。

組立作業

綺麗にキャリパーを磨き終わったのが15時15分。日が落ちるまでの戦いなので妙に時間を気にしています。
本当なら水気を十二分に取り除かなければならない(ブレーキフルードは水分を吸収して劣化する!)ので、ここはたくさんの時間を掛けたいのです。プロならばエアーを吹き付けて水気を吹き飛ばしますが、私はひたすら天日干し!


自分の中で待ちは15時45分までと決め、放置プレイ。もし水気が残ってたらよくふき取って、そのまま組み付けを開始します。
水気は油圧系統のエア抜きの際にフルードを循環させるのでその際に抜けてしまうと考えたからです。
ところがたった30分の放置プレイでもほとんどの水気は無くなり、細かい穴からは自分の息を思いっきり吹き込んだら水分が飛んでいったのでヨシとします。


まず、不要になった綿棒が入っていたプラスチックケースにブレーキフルードを注ぎ込み、続いて新品のダストシール・オイルシールをフルードに漬け込みます。

・フルードを注ぐ ・新品シールセット ・フルード漬け ・キャリパーにセットする

それをキャリパーにセットします。要領よく手で変形させてはめ込むのですが、最初の一回目は失敗して90度ねじれてセットされてしまい取り出すこともできなくなってしまいました。しかたなく前出のコネクターツールで突き刺して取り出しました。こんなことも想定して新品シールセットは一つ余計に手配していたので、ちょうど良い機会。今ダメにしたシールを使って何度か取り付ける練習をしてコツをつかんでから、再度新品を全てのシリンダーにセットしました。
つづいて、ピストンには摺動面にシリコングリースを薄く塗ってから、手でキャリパーに押し込みます。

・新品ピストン ・シリコングリース

すると・・・


するっ!と入ります。なにこの軽さは~!!!
すばらしいです。ここまで来てしまえば後は普通に組み付けるだけです。
キャリパーマウント(?)とのスライドピンはシリコングリースでグリスアップし、ブレーキパッドの裏やパッドピンには極圧対応のパッドグリス、そして高熱になるネジ部分にはカジリ防止のスレッドコンパウンドを手で塗り込んでから締め込みます。

・ゴムに優しい
  ブレーキクリーナー
・スライドピンには
  シリコングリース
・極圧部分にはパッドグリス ・カジリ防止の
  スレッドコンパウンド

そうそう、オイルボルトのワッシャーは、潰れて変形することで水密性能を発揮するので基本的に一度取り外したら新品に交換することが基本です。

・新品のワッシャに交換 ・組み付け完了

組み付けが完了しましたが、普通の人が見たら解らないけど、私が見たらピカピカ!なのです。嬉しい~。

エア抜き

さて、命に直結するブレーキフルードを充填しエアを抜く工程です。とはいっても、エア抜きの前に油圧系統がスッカラカンなので、まずはフル-ドを行き渡らせるところから始めます。


(この辺りから時間との戦いになってきたので、極端に写真が少なくなります。)
ブレーキフル-ドをリザーバタンクに注ぎ込み、キャリパー側からはブリーダーボルトを緩めたまま『注射器』を使用して負圧をかけます。特にブレーキレバーを"ニギニギ"する必要はありませんでした。
注射器で吸い取る動作をして、めい一杯吸い取った後は一旦注射器をはずしてはセットする(←せっかく負圧をかけた注射器をそのまま押し込んだら駄目よ!)のを数回。"ボコボコッ♪"というサウンドとともに『どす黒いブレーキフル-ドとエア』が出てきました。


ココからは通常のエア抜き工程に入ります。私にとっては初めての経験です。
ブレーキフル-ドをリザーバタンクに注ぎ込み、作業中にはどんどん量が減るので底をつかないように気を付けながら、その量を維持しつづけます。
そして、ブレーキレバーをググッと握り込んで油圧系統に圧力をかけ、ブリーダーボルトを緩めると圧力がココから逃げようとするため、ホース内のフル-ドがココからあふれ出てきます。(フルード中の空気も一緒に出てきます。)
圧が下がるとフルードが出てこなくなるのでブリーダーボルトを締め、ブレーキレバーをリリースするのをひたすら繰り返すだけでした。

・エア抜きの準備 ・ブリーダーボルトにチューブ接続 ・メガネレンチもセット

言葉で書くと簡単ですが、作業自体も簡単♪でした。(←ただし、ブレーキ系統の各部品の原理を理解していないと危険なので気をつけてくださいね。)
最初は大きな泡(エア)でしたが、徐々に泡が小さくなっていき、ブレーキレバーに手ごたえが出てきました。


この時点で18時、辺りが暗くなり泡も良く見えないのでタイムアップです。
だいぶ手ごたえが出てきたので、更なるエアを抜くために近所を軽く走行して振動を与えると共に、ハンドルを左に切って(←リザーバタンクが一番高くなるように。)一晩駐車しておくことでエアを上方に浮上させることにします。
各部をもう一度目視確認しましたが、フルードの漏れも無く順調でした。後は明日にします。

今回使用した部品など
名称メーカー品番価格数量小計備考
ブレーキフルードSP-4
DOT4
和光ケミカル T142 \3,3601L\3,3603割ほど使用
耐油ビニールチューブ
5mm
    \262 1本\262 先週購入した4mmでは細すぎて買い直しました
エア抜きツール
(注射器)
アクティブ ACT-14600001 \525 1つ\525  
ピストンシールセット ホンダ純正 #06451-GE2-405\420 5つ\2,1001つはセット失敗しました
ピストン ホンダ純正 #45107-MN5-006\1,1554つ\4,620 
オイルボルトワッシャー ホンダ純正 #90545-300-000\158 4つ\630  
シリコングリース 和光ケミカル V251       所持品
パッドグリース ホンダアクセス        所持品
スレッドコンパウンド 和光ケミカル V170       所持品
ブレーキクリーナー 和光ケミカル A189       所持品
キャリパーピストン脱着ツールデイトナ 61159       所持品
コネクターツール エーモン 1408       工具-所持品-シール取り外し
歯ブラシ 使い古し         所持品
ママレモン 相当品         所持品
手間と愛情 たーさま プライスレス いっぱい  
https://…/2008/03/30/ エア抜き&モヤさまDVD