今週も一日だけのお休み。
ただ天気もイマイチらしいですし、どうやって過ごそうかなぁ。
土砂降りだったらホテルにヒッキーなのだろうけれど、どうしてもそれは勿体ないと考えてしまう・・・・
https://…/2020/01/19/ 九州出張7日目:おんせん県なので、温泉入りに行こう
かといって先週のような別府までの遠出も身体へのダメージがすごい。体を休めつつ、何か時間を潰すには・・・・
これに乗ってみよう。
・JR鉄道代行バス |
2017年の豪雨災害以来、ずっと不通となっているJR日田彦山線。その不通区間をリレーする鉄道代行バス。この手のって乗ったことがないのよね。
路線図で表すとこんな(↓)感じ。厳密な不通区間は夜明駅~添田駅間なのですが、もともとの鉄道運行も日田駅まで乗り入れしていた関係で、代行バスも日田駅~添田駅で運行。
・不通区間と代行バスの関係 |
ただし、日田駅~添田駅までのフル走行は一日4往復のみ。あとは山で分断されている区間以外のみを短区間運行するバスが数便出ている感じ。
購入するのはJR鉄道の切符。これでバスに乗れます。そうそう、一度見てみたかった彦山駅近くの『爆発踏切』に行ってみようかな。
爆発踏切・訪問未遂の日記
https://…/2010/06/19/ 栄養補給・・・・!(?)!(?)!(?)
・ミニサイズの代行バス |
おっと~、もっと大きなバスを想像していたのですが、ミニサイズ・・・・いわゆるコミュニティーバスって感じね。
乗客はわずか4名と、これでもかなり大きいサイズ。
普通の路線バスと違い、鉄道代行バスなので基本的に電車の駅と駅の間はノンストップ。途中の繁華街での乗降ができればもっと便利な気もしますが、こればかりは仕方がないともいうし、ある程度の急行性とでもいうのか鉄道よりも市街地はどうしても通過に時間がかかるので、すっ飛ばすのは仕方がないか。
光岡駅、夜明駅と止まった後は、国道211号・大肥川に沿って山岳地帯に入っていきます。ここからは逆に、鉄道よりもバスのほうが速いのではないか?というくらいの、いわゆる田舎道で信号もほとんどない。
のどかな景色が広がり、心が癒やされます・・・・と同時になぜ不通?と思いましたが・・・・
・大肥川のダメージが未だに色濃く残ります |
数駅先の宝珠山駅付近からは景気が一変。
川が荒れ狂った跡が未だに色濃く残っており、あちこちで復旧工事の真っ最中。
・えっ!? 橋が流されている!?(スミマセン、車窓からなので一瞬でした(泣)) |
あれっ!? 鉄道の橋が流されている!?
うわ~・・・・JR東日本・福島県~新潟県を走るJR只見線と状況が重なって見えてしまった・・・・。
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しかもこの橋だけでなく、この先も路盤にブルーシートが掛けられていたりと、鉄路はかなりのダメージを受け、そしてその回復は行われていない模様・・・・
復旧工事の費用と、そして日常の鉄道利用者数の問題。たしかに4人しか乗っていないバス・・・・いや夜明駅で1名、大行司駅で1名降りてしまい、2名しか乗っていない代行バスなので、鉄道が必要なのか・・・・このあたりはまた別日に書いてみようかと思います。
ずーっと川沿い・鉄道沿いに走ってきたバスですが、大行司駅からは鉄道から大きく逸れるルートに。
この先、釈迦岳・斫石峠を長さ4,380mの釈迦岳トンネルで直線的に一気に抜ける鉄道に対して、自動車は県道52号という乗用車でも離合困難なバイク好みの道しか無く、大きく迂回を強いられる・・・・バスだとこの1区間だけで30分を要するので、これだけでも鉄道の威力はすごい。
その迂回国道も片側一車線とはいえ、タイトコーナーがあり、大型バスではチト辛い。
・迂回路・国道500号 |
国道とはいえ、国道番号は『500』。絶対バイクで走るのが面白いやつだって! 時々ツーリング集団とすれ違うものなぁ・・・・羨ましい!
30分かかって峠越えをして、また鉄道が見えてくれば、そこが今回の目的地『彦山』駅。
・JR彦山駅 |
電車では1~2回通ったことがありますが、降り立つのは初・・・・といっても、ひっそりしているなぁ。
駅構内は・・・・信号機の電源も落ちていて、レールも錆びて・・・・このままジッと落ち果ててしまうのではないか?
・静まり返っている彦山駅 |
ここは、観光地でも有り修業の場でもある英彦山(ひこさん)の最寄り駅。観光してみたいけれども、機動力がないので立ち寄るのは困難・・・・
駅から南側を見てみると・・・・
・二又トンネル・・・・跡? |
鉄道が通っている部分の山が急峻に切れ込んでいる・・・・ここがトンネル爆発事故が有った場所ね。
・Wikipediaより引用 二又トンネルが吹き飛んじゃった! |
当時未開通でトンネル工事だけ先行で完成していたのを爆薬の保管庫として使用。戦争が終わり爆薬を処分する際に誤って爆発、トンネルはおろか山ごとぶっ飛ばした場所。
もう75年も前の出来事なのですが、地形はそのまま残っている・・・・
トンネルの手前にある、コンクリート製のめがね橋もそのまま。
・建設当時のまま残る、メガネ橋 |
彦山駅から釈迦岳トンネルを越え、筑前岩屋駅方面には、この眼鏡橋がいくつも現存。まぁ碓氷峠のレンガ製のそれと違い、コンクリート製だからもちが良いのでしょう。
吹き飛んだ山の向こう側に踏切があるので歩いていってみましょう。
国道500号を徒歩で・・・・
・国道500号・歩行者だけ滑りやすい |
なんか凍っている訳ではないのにものすごく滑るんですけれど・・・・。車道は自動車が通っているので普通ですが、歩道は人がほとんど通らないのか苔だらけ(笑)
約1キロほど歩き、脇道に逸れると・・・・
・爆発現場のすぐ脇にあるから・・・・爆発踏切 |
警報機のない踏切。その名も『爆発踏切』って、そのまんまやん~(笑)
現代ならばこんなネーミングならば間違いなく叩かれる・・・・というか炎上間違いなしですが、当時の人はユーモアがありますねぇ。
・案内掲示にも・・・・爆発踏切 |
75年前の出来事を知らないと、何が何だか分からないですけれどもね。
ここももう、約3年も列車が通っていない鉄路。
もう二度と鉄道はやって来ないのだろうか・・・・
周辺をぶらぶら・・・・といっても徒歩だと行動範囲に限界があり、約一時間の観光で終了。
次の日田駅に戻る代行バスは14時半・・・・_| ̄|○
しかし田川後藤寺方面であればこの駅始発の代行バスがあるので、時間つぶしに乗ってみるか。数駅先に道の駅併設の駅があって、ランチも出来そうですし。
・JR彦山駅前にある食堂 |
・・・・駅前には一応ポツンと定食処があるのですが、ちょっとハズレ臭もするけれど・・・・バスまで1時間あるし、お腹も空いているし軽く食べてみようかな。
川魚料理の店で、鮎とイワナが売り。
じゃあ・・・・鯉の洗いと鯉こくがセットになっているやつにしてみよう。
・鯉定食(梅) ¥1,450円 |
あら~♪ 想像していなかったけれどかなり美味しそうじゃない!!
ていうか、すごく美味しい♪鯉の洗い!
・すごく美味しい・・・・鯉の洗い |
すごいよ、ムチムチ!という強烈な歯ごたえ。川魚のお刺身にあまり期待していなかったのですが、これはすごい。そして臭みを打ち消すためなのか酢味噌で食べるのかもしれませんが、私は醤油と柚子胡椒でいただきました。
やるなぁ九州。何を食べても美味い!
これはまたもう一度食べに来たくなるほどの味。美味しかった~!
・オーダーの都度、捕獲していたのか・・・・ |
食後に店頭でバスを待っていたら、また鯉の洗いのオーダーが入ったのか、店頭の水槽から網で鯉をすくう店員さん・・・・そりゃ~新鮮なわけだわ。
そしてやってきた、添田駅行き代行バス・・・・というか、ワゴンタクシー!?
・ワゴンタクシーが、JR代行バス!? |
乗客は私一人・・・・と思ったら、出発時間間際に連絡する町営バスがやってきて、2名追加の3名乗車。
次の豊前桝田駅で1名下車・3名乗車。例の峠から先の旅客流動は多少あるようです・・・・。
代行バスの終点、添田駅。
・添田駅改札口からホームは・・・・遥か彼方 |
ここからは電車に乗り換え。なんか駅舎とホームがエラく遠い面白い駅だなぁと思ったら、ここは廃線になった添田線が有った名残なのですって。
電車って偉大だな。
・ココまでは電車がやってくる |
地図に載っているんですもの。
ボディーがデカイぶん、広い室内空間にゆったりと着席。落ち着ける・・・・というのは素直に喜んでよいのか、2両編成の小倉行普通電車にわずか両手で数えられるぐらいのお客さん。
・小倉駅行き 普通列車 |
つり革なんて居るのか? まぁ小倉駅周辺の北九州市街地に近づくと状況が一変するのかもしれない。
そしてこれでも今までの峠越えの閑散とした区間と比べると人が多い。
JR後藤寺線やら、平成筑豊鉄道の分岐駅、田川後藤寺駅。帰りの電車がこの駅始発なので、ここで降りて時間を潰しましょう。
・レトロ感が漂う・・・・田川後藤寺駅 |
この辺りは炭鉱で栄えた街。炭鉱資料館的なものもありますが、徒歩だとちょっと遠い・・・・(泣)
残された時間は一時間しかないので、街を探索して喫茶店でも探し、コーヒーでも飲むかな。
駅を出ると、すぐにアーケード街・・・・
・田川ごどうじ銀天街 |
・・・・
・・・・
・田川ごどうじ銀天街を進む |
・・・・
・・・・
・田川ごどうじ銀天街をさらに進む |
・・・・マジですか、完全に終わっている!
人影がないし、チェーン店的なものも一切ない地域の個人店なのですが、これだとやっていけないだろうというくらい衰退している。
ほぼすべての店がシャッターを下ろしていて、そして結構長いアーケードを端から端まで歩いてしまった・・・・
・脇道ですら手を抜かない、ノスタルジーを演出している商店街 |
商店街のスピーカーからは音楽が流れていて、街自体は必死に生きている感をアピールしているのですが、視界から飛び込んでくるすべての情報が死んでいる・・・・
結局、時間を潰せそうな喫茶店的なお店は(いや、それ以外も)何もなく、また駅まで戻ってきました。
・ノスタルジー漂う、田川後藤寺駅 |
なんだろう・・・・この懐かしいような寂しいような、なんとも言えない駅。
木と古レールを多用した構造が、なおさら昭和を演出。
・いい味している駅オブジェ |
そしてどんなに寂しくても、活きているディーゼルカーが一台止まっているだけで、力強さを感じる。
もちろんディーゼルカー自体も『昭和』だけれどもね。
・力強さを感じるディーゼルカー |
さぁ、これに乗って帰ろう。
わずか¥1,000円で2時間近く潰せる・・・・(笑) こういうのもある意味贅沢な時間の使い方だな。
添田駅から連絡している鉄道代行バス。乗客は8名・・・・しかし彦山駅に着く前までに半分の4名が下車し4名で峠越え・・・・
なんとも味わい深い休日の旅なのでした。