出張中のお休み・・・・ありがたい事なのですが自宅と違い趣味(バイク)を封じられた状態での休暇なので、時間を潰す方法を考えねばならぬ。
手軽に温泉に入りたい・・・・普段タクシーの運転手さんから聞いていた、レンタサイクル借りていく最寄りの温泉か、それとも湯布院か。
湯布院へは壊滅的に普通列車の本数が少ないし、朝も早いしでいまいち心が動かない。
ここは路線バスで行ける温泉にしよう!
駅前のバスターミナル。
・バスターミナル |
バスの待合室自体が懐かしい。地域の看板とお土産屋さん。ここも昭和だな。
私が乗るバスの3分前に『森町』行きがやってきた。どこだ?森町って・・・・
常々疑問に思っていた近くの(湯布院に行くときに通る)『豊後森(ぶんごもり)』駅。
電車の車内放送ではその漢字3文字で一つの名詞のような、途切れなく発音しアクセントが『ぶ』だけにある感じ。
しかし豊後は旧国名であって、正しくは『ぶんご-もり』、ハイフンのところは一呼吸置きアクセントは『ぶ』と『も』じゃないの?
森町と書かれたバスを調べたらビンゴ!豊後森駅を通るやつじゃん!
電車の本数は少ないけれど、並行してバスが走っているんだ~、これは良いことを知った。来週以降の参考にしよう。
直後にやってきた、杖立温泉行きの路線バス・・・・
・行き先は、LED式でもロール幕式でもなく・・・・サイドボード |
・・・・って、年季が入ったマイクロバスか~い!
しかも乗客は絶句の私一人だけ!
乗客は一人だけなので、座席は選び放題・・・・しかし前面展望は・・・・
・助手席部分に鎮座する、フルサイズの料金箱 |
最悪。マイクロバスなのに路線バス用のフルサイズ料金箱なので、ほぼ視界を封じられている(泣)
どんどんと山並みが深くなっていき小一時間。ダム湖が現れて視界が急変。
・梅林湖 |
いいなぁ~と思っても、バイクと違って好きなところで止まれないのが難点。
寒い冬なのに今年は暖かく、山間部でのバイクツーリングと思われる一行が気持ちよさそうに走っていく・・・・うぅ~羨ましい(泣)
青い案内標識によると、この橋を渡っていくと『中津江』。サッカーの合宿で有名になり、名前は聞いたことが有るけれど・・・・
・中津江村方面 |
・・・・なんにも無さそうだな。
大分県・熊本県境を越えるか越えないかのところで、車窓から湯けむりが見えてきた!
・杖立温泉郷 |
路線バスは温泉街の下流側から進入していくのですが、いきなり大型ホテルが鎮座・・・・こんなところをソロおじさんが歩くのはちょっと・・・・と思ったら、1~2件だけでちょっと安心。
到着しましたが・・・・まじかーーーー(汗) なんにも無い!
・終点 杖立バス停 |
帰りのバスは、いま来たこれか、あるいは15時半。5時間ほど滞在できるし、温泉と散策を堪能したら喫茶店でまったりしようかと思っていたのですが、作戦の練り直しが必要だな。
しかしバス停から見える景色は、温泉街の雰囲気がプンプン。
・バス停から見る杖立温泉 |
あちこちから湯気が上がり、それでいて人影が無い・・・・良い意味で観光地化されていない街。良い!
パンフレットでも入手して・・・・などというイージーな観光地ではない模様。あまり広くは無さそうなので徒歩でいろいろと探すしか無いな。
まずは全体を把握したいので、視界に見えていた『橋』に行ってみるか。
おお~う♪
・両岸に宿が立ち並ぶ |
いい雰囲気~。両岸に温泉宿。川は散策兼駐車場ってところか。
国道はこの辺りの街を避けて長いトンネルで通過してしまうので、通過交通は街を通り抜けないので、より一層静か。
近くには、無料の足湯を発見したので行ってみよう。
・足湯 |
時刻は11時だというのに、誰もいないというのもすごいな。
あら~、良い雰囲気!これを結果論とはいえ貸切かよ。その名も"だいこんの湯"とは・・・・大根足がたくさん浮かんでいるからか?(笑)
・貸し切り足湯 だいこんの湯 |
聞こえてくるのは川のせせらぎ。
ふ~・・・・
・チャポン・・・・ |
看板には・・・・
今まで、そしてこれからもあなたを支えていく二本の足。今日はゆっくりいたわってください。
足腰の疲れが取れ、体の芯まであったかくなります。
なんにも考えず、足をつけてボケ~ッとした時間をすごすと心まで元気になります。
・・・・そうだねぇ。なんとも乙なご案内。ボケ~っと過ごせば良いんですよ。
足湯の真ん中から噴水のように吹き出しているのは・・・・なんと水。熱すぎるからこれで薄めているようで、隠れた場所にお湯が出てくるところがあるのですがその付近は熱すぎて危険(笑)
足をつけたくない人には『指湯 もみじの湯』。手を紅葉に重ねているのね。別府駅前にもあったけれど、九州の温泉地では『手の温泉』もメジャーなのかも。
随分とまったりしていたら、セローに乗った二人組がやってきたり、少しずつ人影が増えてきたわ。
バイクいいなぁ~・・・・阿蘇に行きたい(泣)
辺りには共同風呂もあるのですが・・・・共同蒸し場もあちこちに。
・源泉直結の共同風呂と蒸し場 |
なんでも自分で持ってきた食べものとか、あるいは自動販売機で食べ物を購入して、ココで蒸して良いんですって。
説明書きには自動販売機なんて書いてありますが、そんなものはどこにもない・・・・あ~ぁ、下界で生卵でも買ってくればよかったよ。
・蒸し場 |
結構食材を持って訪問する人がいるのね。
対岸を歩いてみよう・・・・ザ・昭和。
・活きているのか死んでいるのか・・・・まるせんストアー |
一階はどう見てもストアーではないので、2階で営業中なのか?
年季が入った昭和の佇まいの旅館。
・昭和の旅館 |
ここは観光と言うよりか、湯治のため、温泉を利用するための宿なのかも。
本当にあちこちに蒸し場があるよ。
・湯気が漂う蒸し場 |
写真には写っていないですが、すぐこの下の川側にも共同風呂。
小さい街なので最下流の橋まで到着。ここから下は大資本が投下された大きなホテル圏になってしまうので、私には関係のないところだな。
・温泉街の端の橋 |
この木の橋付近には、にわとりが散歩しているらしく、『驚かさないで』の注意書き。
屋根には絵馬がびっしり。
・絵馬にうまる橋 |
何から何までノスタルジー。
橋から道路までの登り道もまた、昭和。
・上り坂 |
温泉の配管がむき出しで、雑に設置されていて、全く飾り気がない。もちろん人影もない。
そんな坂の途中にも共同風呂を発見。雰囲気にやられてしまい、ここに入ってみることにしよう。
・薬師湯 |
なんたってパンフレットとか無いし、あえて詳しく調べることをしないで訪問しているので、適当に街歩きして自分の勘に賭けるしか無いの。
無論、誰もおらず貸し切り。
・薬師湯の内部、質実剛健 |
源泉かけ流しの溢れた湯が流れる以外、床が濡れていない・・・・ひょっとしたら一番風呂?
桶はケロリン・・・・もうそのあたりの昭和感は当たり前の領域で、それを上回るなんとも言えない昭和。
熱めの湯は私好み。
ぷは~・・・・贅沢過ぎるっっ!
入浴料は¥200円。もうね、豪華なホテルの風呂に入るのが馬鹿らしくなるよ。見た目の豪華さとは違う、心の豪華さ。
風呂上がりには、温泉街を散策・・・・
・何も有りません |
・・・・_| ̄|○ 街が死んでいる
時が止まっているラーメン屋。
・夜には営業しているのかな? |
飲んだ後の客を狙っているのだろうか。
時が止まっている食堂。
・たまたま今日がやっていないのか、それとももう永遠に開かないのか? |
やばい・・・・想像以上に何もない。
唯一平成っぽい新しさがある建物は、村営の交流設。カフェを併設した『Pホール』ですって。
・建物がPの形をしている |
やった~、コーヒーが飲めるし、名物の『杖立プリン』も頂いちゃうぞー!
・・・・へっ!?
・定休日 @ Pホール |
しかも日曜日が定休日なのではなくて、不定休。その運が悪い日を引き当ててしまったのが私(泣)
あぁ・・・・楽しみにしていたプリンが食べられない(泣)
しかし、ここで温泉街マップを発見! なになに、対岸にカフェ&お土産屋さんがあるようだぞ!
さっそく急行。
・細い路地が出現 |
え~っ、この路地を入っていくのかよ。ロールプレイングゲームだとものすごいEXPが要りそうだな(笑)(←えっ、この表現も昭和だって?)
一歩足を踏み入れると・・・・
・バイオハザードの路地 |
こえぇ・・・・、一切人影がないし、物音も、温泉の蒸気が漏れるような音しかしない・・・・
こんな場所でカフェがあるのか?
やっぱりね。ただしたまたま今日が駄目で普段は営業していそうな雰囲気ね。
・雑貨&カフェは・・・・こちらも定休日 |
なんだよー、この温泉街は日曜日はダメなのか?(泣)
プリンどころかお昼ごはんにも困る事態ではないか。先程の街巡りで唯一発見していた食堂にしよう。
・唯一の選択肢、こまつ食堂 |
写真は街巡りの時に撮影したのでまだ準備中になっているけれど、今ならばオープン。
と行っても、先客ゼロ。もう慣れましたけれど、本当に人影がない。もしかすると皆さんこの温泉を訪れる方々は巨大ホテルの方に行ってしまうのかもしれない。
メニューは・・・・まぁいわゆる食堂なわけでして、ご当地物のなにかがあるわけではない。
じゃぁ・・・・カツ丼で。
・由緒正しいカツ丼 |
ボリューム的なものはいまいちですが、味わいは良い。
まだ帰りのバスまで時間が有る・・・・もう一度風呂というのもなぁ。足湯でまったりしておくか。
そして風呂上がりは、コンビニっぽい外観をしているけれど、まったくチェーン店っぽさがない普通のお店で購入したコーヒー牛乳。
・黒川温泉 湯上がりカフェオレ |
・・・・っておいおい、ここは杖立温泉・・・・。
もう少し奥地に行った黒川温泉のネームバリューが強すぎて、コーヒー牛乳もそこの名前を銘打ったものしか流通していないのね。ここも温泉地であるというプライドは全くない模様。
あぁ見るものすべてが昭和。
当初の計画であった喫茶店でまったり・・・・のかわりに、これでもかと足湯でまったり。
・山深い場所なので、日没が早い |
さぁ日が傾いてきた。そろそろ帰りのバスがやってくるぞ。(結局乗客は2名だけだし、1名は途中で降りてしまう有様。)
なんて贅沢な一日・・・・いや、暇すぎる一日だったのだろう(笑)