不通が続くJR日田彦山線の復旧が進んでいない件

昨日とりあえず乗ってみた、JR日田彦山線の鉄道代行バス

https://…/2020/01/26/ 九州出張14日目:日田彦山線 不通区間のJR鉄道代行バスに乗ってみよう

日田~添田間の代行区間全線通しでの運行は一日4往復という少なさにもかかわらず、乗車していたのは往路4名、復路8名。最閑散区間の峠越えをしたのは往路2名、復路4名という状況。
私が乗ったのは休日だったので、平日の通勤通学利用が見込める日ならば多少状況が違うのかもしれないですが・・・・


そして2017年7月に被災してからもう2.5年も経過するのに、一向に不通が解消される見込みが無い・・・・

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・【使いまわし写真】未だに鉄道代行バスによる運行

どうやらニュースサイトによると、復旧させるのか否か、費用負担をどうするのか結論が出ておらず、方向性が決まらないので作業に入れていないとのこと。
住民・行政側と、鉄道事業者のJR九州の意見が対立。


住民・行政側の意見私なりに要約すると・・・・

  • とにかく鉄道での復旧を! それ以外の案は認められない。
  • 復旧費用は国・自治体でお金を出し合う枠組みも有るが、その後の運行費用は一銭も出さない!
  • 国鉄分割民営化の際に、ローカル線もしっかり維持していくと明言しているではないか!
  • 大分県知事曰く、"まさか運行費まで負担を求めるとは思いもしなかった。相当あつかましい"
  • 土砂で潰された大行司駅舎は、住民の憩いの場なので税金で建て直したぞ!(JR九州の合意を得ずに先行で。)

・・・・とのこと。


そして鉄道事業者であるJR九州の意見は3案を提示しており・・・・

  • 鉄道復旧するのであれば、年間2億9千万円の運行経費がかかるので、年間1億6千万円の補填をお願いしたい(←代行バス運行経費との差額)
  • 鉄道廃止、BRT(鉄路をバス専用道に再整備)による運行。代行バスだと大きく迂回しなければならないが、釈迦岳トンネルを利用できるので時間的ロスもない
  • 鉄道廃止、路線バスによる運行(現行の代行バスの恒久化。現状、駅しか止まらないけれど、停留所とか増やして利便性を向上。)

・・・・だそう。

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・【使いまわし写真】日田彦山線 採銅所駅にて

そしてこれらの意見をまとめるために何度も会議を開催してはいるのですが、議論は平行線のまま。
利害関係のない私が傍から見た感じだと、住民側・行政側の言い分は感情論になっちゃっていますよね。とにかく金を出したくない!・元通りにしろ!と。
そりゃ~私だって利害関係がないので、単純に鉄道があったら良いか?って聞かれたら、『あったほうが良い』と即答するけれど、自分に費用負担が発生するのであれば考えが変わるし、それこそみんなで議論しないと・・・・というモードになりますが、そこに至っていないのでは?


積極的に鉄道・代行バスを利用して実績を積み上げて必要性をアピールすればよいのでしょうけれど、そもそも域内輸送のために鉄道が必要だと言うのであれば、昨日のような代行バスの利用率では説得力が皆無
かと言って通過輸送のためにと言うのであれば、地域住民はあまり関係ない訳ですし。

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・【イメージ写真】2010年6月・・・・被災前の大行司駅 幸福の黄色いハンカチ?

建設的に3パターン提示している鉄道会社のほうが紳士的と感じますし、赤字路線確実なのに、金をかけて復旧させるって言うのは、1民営会社にとってはあり得ない話だと思います。


確かに、地図に載る鉄道という威力は凄いですよ。
交通ネットワークとして明確に表現されるのは、路線バスには真似のできない所


ここは住民側も感情的にならず、建設的に『議論』をして欲しいと感じました。
(※なんだか、最近のニュース記事だと、住民側もBRTに傾いているような感じを受けましたね。)

https://…/2020/02/12/ 九州出張31日目:JR日田彦山線はBRTで復旧に向かうのかな?