さぁ、今年もバシバシ行きますよ~、廃系探索。
寒い時期のほうが草木が枯れていて、かつ蜂やマムシなどの動物との遭遇もないので安心してヤブに突っ込んでいけるのです。
メンバーは・・・・
・くぼたさんの自動車と、バイクな私 |
くぼたさんと、毎度おなじみ車とバイクの混成編成。
・・・・にさらにプラスアルファ。九州勤務から東京に戻ってきたカイザーさんもバイクで合流! この寒い時期にバイク2台は心強い~!
・カイザーさんの愛車(の一つ)CBR250R | ・今日は3台で走るゾー |
今日の朝の八王子の気温は0.7℃。普段だと氷点下まで落ち込むものですが、それから比べればだいぶ暖かい・・・・はず(泣)
まぁ、今日はそんなにバイクで距離を走らずに、歩きまわるのがメインなので調度良いのです。
笹井のマクドナルドでカイザーさんと待ち合わせをして、そこから至近距離にある廃スポットが本日一つ目の目的地。
(STAGE #1) 西武池袋線・(旧)入間川橋梁
八王子で生活しているとあんまり接点がない西武池袋線。現在は複線となっているのですが、昔は単線だったそうで、単線だった時代に使用されていた橋が今も残っているのだそうです。
複線化に伴い線形改良と合わせて新しい橋に移行したため、ずーっと使われずに放置されているらしい・・・・
さっそく入間川を目指すと・・・・それはすぐに見つかりました。
・西武池袋線・(旧)入間川橋梁 1915年製(大正4年)/1969年使用停止(昭和44年) |
左側に写るのは、現行の複線橋。対して右側で錆び付いているのが旧単線の橋。しっかりとした姿で残っていますね~
逆光になってしまうので、反対側に回って撮影。
・レンガで重厚な橋台と、やはりレンガの橋脚たち そして鋼鉄製ガーター |
この時代の構造物の特徴であるレンガ積み。そして構造体内部に水の侵入を防ぎ石で補強する仕組み。
面白いのは橋脚で、上流側は石で流線型に補強してあるのに、下流は最低限。土台部分はコンクリートで補強されてしまっています。
この橋は川とともに両岸の道路も越えている形になっているので、道路を通って橋の真下まで行く事ができます。
・ガーター部はよく見るとだいぶ腐食していて、錆びて形が変わってきています |
よくみると、さすが40年近くお手入れがされていないからなのか、サビが進行しているみたいです。
これも『いい味』ですね。
上部構造物(レール等)は完全に撤去されてしまっていますが、逆に橋自体は完全な形で残っています。
・しっかり、どっしりと構えているレンガ積み橋台 |
すばらしい!
ていうか、大正時代初期にはこんな鋼鉄の加工技術があったのか(?) それとも輸入かな(?)
がっちりと柵でガードされているように、橋の上は手すりもなんにもないので非常に危険。渡るのはヤメましょう。
(STAGE #2)埼玉県道28号旧道・畑隧道
う~ん・・・・知らなかった~、こんなところに有ったんだ!
と言うのも、県道28号はまだ若い頃のツーリング時に結構使っていたからです。まあもっとも、新道ができてスイスイ走れるからこの道をチョイスしていた訳でありまして、旧道のままだったら行っていないと思います・・・・
その新道も、山を切り開いて峠越えしていただけだったのですが、驚きの激変! 山をまるまるぶっ潰して平地化し宅地造成・開発の真っ最中。
そして完全に忘れ去られようとしている場所に旧道があります。
・開発から置き去りにされ、忘れ去られる運命の旧道 |
その旧道をしばらく進むと・・・・
こちらもレンガでできた隧道。
・埼玉県道28号(旧道)・畑隧道 1910年(明治43年)開通/1998年(平成10年)供用停止 |
とってもしっかりしていて、レンガの剥離とかもなく綺麗です。
そして驚きの同じ趣味(?)の人が探索している最中! お正月ってみなさん暇なのねぇ・・・・
・ほらっ、綺麗に残っているでしょ~ |
レンガに水垢なのか、コケなのかが付着して変色していますが、コンクリートで補強されたとかはなく、綺麗に保たれています。
横須賀市内の隧道探索では、軒並み補強工事をされていたのですが、こちらは供用停止となったことで逆に補強されずに済んでいるとも言えます。
このトンネルの功績をたたえた飯能市長名での看板も建てられていて『この地域の発展に大いに役立ってくれた歴史に残るトンネル』と・・・・
このまま忘れ去られて・・・・ではなく、ぜひ綺麗に保存して欲しいと思います。
(STAGE #3) 日本セメント埼玉工場 専用線跡(JR高麗川駅側)
八王子と高崎を結ぶJR八高線の高麗川駅。ここからJR川越線が分岐しています。お互い単線ののんびりした電車なのです。
高麗川駅の北側脇にある踏切。単純に単線の八高線と、単線の川越線が分岐したのならば、レールは2組で良いはずなのに、豪華に4組!
・JR高麗川駅北方の踏切 レールが4組あります |
駅側(南側)に目をやると、複雑な構造のダブルスリップスイッチ!(両渡りつき交差)まである~。(地元のJR八王子駅では、複雑で保守に手間がかかりすぎるし、分岐側が25km/hという厳しい速度制限を受けるという理由で大規模な配線変更までしてこれを撤去したほど。)
・踏切から高麗川駅方面を望むと・・・・ダブルスリップスイッチがあるよ~ |
これがあるという事は、狭い構内でそれなりに複雑な車両の入れ替えをしていたんでしょう。
長い前振りでしたが、ここから日本セメント埼玉工場に向かって専用線があったそうです。先ほどのX字状のダブルスリップスイッチの1本はどちらも廃止線なので、単純に棒線化に固定して運用しているため、未だにDSSが残っているというみたいです。
では、踏切から駅の反対側(北側)を見てみましょう。
・こんな感じで4組なわけです。一番右の1本は入替線みたいでスグ先で終点 |
JR八高線とJR川越線との間に、もう一つ伸びていくのが廃線跡です。
では、さっそくこの中央に伸びていく線路を追って・・・・行きたいのですが、そこは鉄道用地内。立ち入るのはヤバそう・・・・
さ~て、どうしたものか・・・・
・ポッポ道・・・・!(?) |
なんと!なんとっっ!! ポッポ道という名前まで付いて廃線跡が遊歩道として整備されているじゃありませんか!
なんて歩きやすいんだぁ~
・アスファルト舗装された廃線跡 |
レールは撤去されてしまっていますが、緩いRが廃線跡であったことを物語っています。
ここから振り返ってこの側駅の方を見てみると・・・・
・僅かな区間だけれども、レールをそのまま残していてくれています |
あえてそのまま残しているゾーンと、舗装して歩きやすくしたゾーンを設けているなんて、ちょっと素敵な埼玉県日高市。
そもそもこの土地も、日本セメントさんから日高市に寄付したというのだから驚き!
まっすぐ脇目もふらず、工場に向かって廃線跡が伸びていきます。
・セメント工場に続く廃線跡 | ・当時使用されていたリアルな踏切標識 |
沿線には踏切施設とかあえて残しているようです。手前の標識は現役当時から建っているもの。後ろの電子警報機は別の場所に建っていたものをこの場所に移して保存してあるというもの。
可能な限り残して、可能な限りの遊び心。やるなぁ~日高市。
地元の人にもそこそこ利用されているみたいですし、近くの学校の通学路にもなっているので、安泰な遊歩道です。
驚いたのは、鉄道が廃止になった理由。原料の一つである石灰の輸送を、てっきりトラックでの輸送に切り替えたのかと思ったら、なんと採掘現場から地下に専用のベルトコンベヤラインを建設したんだとか。
それほどまでに連続的に石灰石が必要なのね。
(STAGE #4) 日本セメント埼玉工場 専用線跡(東武鉄道越生線・西大家駅側)
さて、今度は先ほどの工場の反対側に回ってみます。
こちらにも廃線跡があり、東武鉄道越生線の西大家駅まで延びていたそう。この線の貨物輸送により、副原料の粘土の供給を受けていたんだそうです。
明らかにそれっぽい、築堤がありました。
・不自然に残る築堤 |
ほ~
たぶん廃線跡ですね。
ちょっと登ってみましょう。
・築堤の上。レールが残っています! |
うおっ! レールが残っているじゃありませんか。
しかも貨車の入替えも行われていたのか、手動の転轍機もあります。
ここを貨車と機関車が行き交っていたわけか~
築堤を歩いていくと、500mほどで終わり。その先は道路に転用されてしまい、築堤は跡形もなく更地にされてしまいました。
痕跡を探そうとしても・・・・何にも発見できませんでした。
(BREAK TIME)ファミレスでランチ
そろそろお腹も空いてきたのでランチ。まだ正月三ヶ日なので、バラエティーに富んだ選択は無理。無難に最初に見つけたファミレスにしておきました。
COCO'Sレストラン。
私がオーダーしたのは・・・・
・これは・・・・(?) |
厚切りのチーズ!(?)
と言いたくなるほどチーズの量が多すぎて、他の味を上書きしてしまっています。
本当は四角いビーフステーキなんですけれどね。
あぁ~・・・・普通のやつにしておけば良かった・・・・(泣)
(STAGE #5) 日本セメント東松山工場 専用線跡
さて、前回訪問で場所だけ調べておいた、関越自動車道を跨ぐ廃線跡っぽい橋だといってアプローチした『葛袋3号橋』。
https://…/2012/12/09/ 明治・大正・昭和が並列の須花トンネルと出流でお蕎麦に舌鼓と・・・・
・関越自動車道をまたぐ葛袋3号橋 |
自宅でググったら、ここは東武鉄道東上本線・高坂駅から分岐していた日本セメント東松山工場(旧:秩父鉱業)への専用線だったことがわかりました。
なんとなんと、ここは先ほど見てきた日本セメント埼玉工場に副原料である粘土を出荷するための線。なるほど~! ここ東松山で掘り出した粘土を埼玉工場でセメントにするというわけか。
今日は時間と体力の関係で、葛袋3号橋から高坂駅方面を探索し、反対側は次回に残しておくことにしました。
葛袋3号橋からすぐ先は、土建屋の車両基地。何てことはない段差が続いていますが、その段差がちょうど橋の延長線上。未確認ですが、廃線跡の地形をそのまま流用している可能性があります。
・葛袋3号橋からまっすぐ伸びている段差は偶然なのか(?)(?) |
片側一車線の太い道路を渡り、不自然な斜めに走る空き地。間違いなくこれが廃線跡です。
・斜めに続いていく空き地・・・・砂利敷きの駐車場っぽいけれど、バラストじゃないの(?)(?)(?) |
近くの細い道をカクカクと歩いて、斜めの廃線跡を追います。
離れてしまった廃線跡に近づくため、角を曲がり直角にアプローチすると・・・・おやっ!(?)
・道路に突然トラ模様オブジェ | ・廃線跡は家庭菜園になっている! |
トラ模様のオブジェ発見! どうやらここは踏切だったのでしょうね。
その後、廃線跡は県道に沿うように続いていますが、一目でそれと解るぐらい、草が生えていなくてまるでお手入れがされているみたい・・・・
・東武東上線高坂駅から分岐する日本セメント東松山工場 専用線跡(東武東上線高本貨物支線) |
ここからはほとんど直線で高坂駅に向かっています。この辺りからは廃線跡を歩いてみましょう。
レールや枕木こそ撤去されていますが、バラストと道床が残っていますね。どうせなら遊歩道に・・・・(爆)
切通しを抜け、住宅が広がる部分を抜け・・・・
・切通し | ・そして住宅点在ゾーン |
するとまもなく東武東上線が見えてくるとともに、高坂駅が見えてきました。
なめらかなRでココに合流。
・高坂駅まで続いている廃線跡 |
うんうん、ココの廃線跡は非常にわかりやすくて、長さも歩いて適度だし、変化もあるので楽しい。
廃線巡りアトラクションの初級編といった感じです。
よいね~
次回、反対側を巡るのが楽しみです。
(BREAK TIME)帰る前に温泉で蓄熱しよう
結構歩いて汗はかいているし、八王子までそこそこ距離もあるし、夕方で寒くもなってくる・・・・
というわけで、近くの温泉でまったり蓄熱。ていうか、東松山の廃線跡って、温泉まで有るなんて言うことなし!
・温泉 | ・風呂あがりはコーヒー牛乳 |
ただし、正月三ヶ日で皆さん暇なのか、温泉は非常に混雑していて芋洗い状態。
お風呂上りはビシッとコーヒー牛乳で決めつつ、今日の反省などいろいろトーク。
まったりしていたら完全に日没。サンデードライバーが多いとおもわれる日なので、慌てず急がず、のんびりと下道で八王子まで帰りました。
・日没後にゆっくりと帰ります |
みなさま、今日はお疲れ様でした。
どのポイントも見応えがあった楽しかったですね~