頂いたKTEL製ノイズレスマイクを分解測定してみたら行けそうな件

バイク乗車時のコミュニケーションツール、アマチュア無線
日常生活をしていると最近は『アマチュア無線』という言葉を聞くこともまったくないと言ってよいほどマイナーになりつつありますが、複数台でのバイクツーリング時には非常に便利


そんな中、私のバイクから無線送信される音声にノイズが乗っているとの報告が。
過去にも同様事例が発生していて、回路全体が劣化していてどこかで絶縁不良が起きているのだろう。だがそんな話からそもそものマイク性能の話になり、余っているKTEL製ノイズレスマイク(KT002)をお譲りいただきました。

https://…/2024/01/18/ KTELノイズレスマイクを頂いたのでどう料理するのかを考える件

・【使い回し写真】頂いたKTELマイク(KT002)と、現行使用の白バイマイクDMA-160

前回も書きましたが、KTELマイクはダイナミック型のマイク。ダイナミックマイクの場合は一般的にマイクアンプを取り付けて信号を増幅してあげないとダメ。
そして現行使用している白バイマイクDMA-160もダイナミックマイク仕様なので小さい可動式アーム内にマイクアンプが内蔵されている。


自作でこの小ささでマイクアンプを作ることが出来ないので、DMA-160マイクを分解してKTELマイクを取り付けてしまえば具合が良いのでは? 実際には信号レベルの微調整などが発生しますがまずはこの作戦が成立するのか試してみることに。


とはいえこの得体の知れないKTELマイク。振るとカラカラ・・・・と音がするのよね。まずは分解してみようかな。
接着剤のようなもので蓋がガッチリと固定されているので、ストーブの前で加熱。

・ストーブの前でKT002を加熱

そして柔らかくなったところをマイナスドライバーでこじ開けます


開いた途端に粉が舞い散る・・・・!?

・なんだっ!?粉まみれだぞっ!! @ KT002

開封時にこの粉を吸ってしまったのが、喉が強烈に痛くなり翌日まで尾を引く事態に。分解作業時にはマスクが必須ですね(笑)


内側にはマイクユニットがありますね。外殻との2層構造
なるほどこれがマイクユニット自体を中空に浮かせる構造にして外界からの風ノイズを遮断するという仕掛けか。だがその中空のためのスポンジが経年劣化して粉々になっている!
だから振るとマイク本体が動いてしまいカラカラと音を奏でていたわけか。


清掃も兼ねて一旦は完全分解だな。粉まみれになりそうなので場所を屋外に移動して作業。
スポンジをなるべく崩さないように分離。

・外殻とマイク本体を分離 @ KT002

マイク自体には2本の線が接続されているだけのいわゆる普通のマイク。この外殻とマイク本体を浮かせる構造が特許技術なのかしら?
このスポンジは衝撃を与えると崩れてくるので細心の注意を払って除去。


マイク本体の表面についている風を防ぐ金属板みたいなやつも接着力を失っているのか勝手に分離してしまう始末。

・マイク本体の内側は意外と繊細な作りをしている? @ KT002

よし、構造はだいたい分かったぞ。


続いては白バイマイク・クラリオン製DMA-160-210も分解調査してみよう。

・DMA-160-210を開腹したところ

こちらは全てねじ止め構造になっているので分解は簡単ですね。


この開腹したDMA-160マイクは昔バイクで使用していて調子が悪くて引退させたもの。マイクに向かって喋っても信号が出力されなかったと記憶しているが今現在測定すると正常だぞ
あれれっ!? 新品も持ってきて比較してみても正常動作しているなぁ。(ちなみにスマフォで適当にYoutube動画を流して、その音声を拾わせています。)

・信号レベルを測定しておこう。新品とも比較

まぁいい、この現役引退させたDMA-160のマイク部分を切り離してKTELマイクを接続してみることにしよう。


以前マイク系統のノイズ対策をする上で、バイク側に搭載している回路と全く同じものをユニバーサル基板上に組んでいたのでそれを利用してバイクでの使用をシミュレーションしてみよう。

https://…/2017/04/05/ 車載アマチュア無線の送信時に思いっきりノイズが乗る件の調査#2

同じようにスマフォでYoutube動画を再生して、KTELマイクで拾わせる・・・・

・DMA-160のマイクアンプだけ利用する作戦

当然ながらきちんと信号が出力される。
精密に測定したわけではなくてパッと見レベルですが、ノーマルのDMA-160マイクよりもKTELマイクのほうが出力が明らかに大きい


まぁ耐ノイズ的には大きな出力を無線機に入力させる直前にアッテネータでレベル調整するのが望ましいからこの仕様は問題なし。当然ながらバイク側回路も再調整が必要だが全体的に経年劣化して作り直しが必要な状態だから良い機会なのかも知れない。

・KTELマイクを接続したほうが出力が大きくなる・・・・レベル調整必須だな

ちなみに息を吹きかけると暴力的なレベルの出力が現れるので風防を装備したほうが良さそうな感じかな。


電気的には行けそうなことがわかったから、あとは物理的にどうやって実装させるのかだな・・・・
このマイクをアームに固定する方法か。外殻に穴を開けてビスでも通すか?


ホームセンターに行って使えそうな部材を見繕ってこようかな。

https://…/2024/02/02/ DMA-160マイクアームにKTEL製KT002の取付け外科手術をしてみた件