2月に買い替えたスマフォ。
乗り換えてから感じていた『充電が遅い』という現象。当然機種が変わったのでバッテリー容量が大きくなった(1,300mAh→2,600mAh)ので当たり前・・・・なのですが、同僚に借りたUSB充電器だと充電が早い気がしたのです。
・【使いまわし写真】Qua phone QX(KYV42) |
その差の原因は、前スマフォ・IS11Tに合わせた充電器などの周辺機器類と考えて、USB充電器を一新。
そして充電してみましたが・・・・変わっていない気がする!?
https://…/2018/03/28/ 新スマフォQua phone QX(KYV42)の充電速度が遅い気がする
・【使いまわし写真】2.4A出力 ラスタバナナ製RBAC120 |
そこで、体感ではなく、きちんと充電電流値で比較したいと思ったのですが、当時は出張中の身で機材なし。
ようやく東京の自宅に戻ってこれたので、USB電流計を使用して充電電流を比較してみましょう。
なるべく普段使用しているUSBケーブルで比較したいため、愛用のSSA製ケーブル各種と、一本新しいのを買い足し。
それと、SSA製以外のケーブルも一本。(Creative製スピーカーに付属していたもの。)
https://…/2018/01/09/ 出張のお供用に欲しいと思っていたUSBスピーカー 店頭で即決Creative "Muvo 2c"
・比較・測定に使用するケーブル類 |
No | 名称 | 用途 |
---|---|---|
1 | SSA製 充電専用ケーブル 15cm (2.4A出力対応) | 通勤電車でモバイルバッテリーから充電する際に使用している。 |
2 | SSA製 充電通信ケーブル 80cm | 一番良く使う。赤色があせているほど使い込んでいる。 |
3 | SSA製 充電専用ケーブル 80cm (2.4A出力対応) | 今回の比較用に購入 |
4 | SSA製 充電通信ケーブル 300cm | ホテルとかで、コンセントからベッドまで遠い場合に使用する。 |
5 | Creative製品付属 充電通信ケーブル | USBスピーカーに付いていたもの。充電通信ケーブル |
『充電通信ケーブル』は、USB規格の4線(+V・Data+・Data-・GND)がそのまま繋がっているだけのケーブルで、『充電専用ケーブル』は、USB規格の4線のうち、+VとGNDは接続され、Data+とData-が短絡・もしくは抵抗により短絡されたケーブルです。
これは、USB規格はもともと500mAの供給として規格化された後、充電用途として発達しより多くの電流を流すようになり、その『より多くの電流を流すことが出来るのか』の判定にData+とData-端子の電圧差を用いて判定するため、充電専用ケーブルでは所定の抵抗で接続することによりその電圧差を作り出し、『電流が多く流せる』フリをしてくれるのです。
ちょっと情報が古いですが・・・・昔日記に書きましたね。
https://…/2015/12/14/ バイク搭載USB電源『USB Station 2』はUSBパワーデバイスなのか?
最近は、"Quick charge"なるベンダー独自規格も出てきて、この電力供給能力の判定方法が複雑になったので、ネット上では充電専用ケーブルで細工するよりも、充電通信ケーブルを使って消費側と供給側で正しく通信させるほうが有利・・・・とか書かれていますね。
それでは、実測。スマフォの残電池容量は50%ぐらいまで減らしてあります。
最初は普段から一番良く使っている『(2)SSA製 充電通信ケーブル 80cm』。
・(2) えっ!? 充電電流は 0.69 A |
お~っと・・・・予想に反して0.69 Aしか流れていない!? どういうことだ?
解析は後にして、まずは事実の確認を済ませよう。
続いて使用頻度が高い、モバイルバッテリーからの充電に使用する『(1)SSA製 充電専用ケーブル 15cm』ではどうだろう。
・(1) 充電電流は 1.41 A |
新USB充電器としてはまだ余裕な1.41 A。
おっ、これならば1Aしか対応していない旧充電器では出せない領域だから、新しいのに変えた意味があるわね。
充電専用ケーブルと、充電通信ケーブルの差なのかしら?
それとも、長さが短い分だけ電圧降下が小さく、電圧により電流を判定する場合になにか作用があるのかしら?
そのために・・・・今度は(2)の充電専用版、『(3)SSA製 充電専用ケーブル 80cm』で測定。
・(3) 全く意味不明 充電電流は 0.52 A |
あまりに測定値がおかしく、ケーブルの接触とかなにかかと思いグリグリしてみましたが結果が変わらず。
(4)や(5)のケーブルでの測定をした後に、再度(3)の測定をやり直してみると・・・・
・(3) 2回目 充電電流は 1.48 A |
今度は、1.48 A。なにかあるぞ!?
次は、(4)の『SSA製 充電通信ケーブル 300cm』。
・(4) 充電電流 0.68 A |
なるほど、こちらは0.68 A。(2)の充電通信ケーブルとそう差がない結果に。
最後に、(5)Creative付属品は・・・・
・(5) 充電電流は 0.94 A |
予想に反して、0.94 A!? なぜ同じ充電通信ケーブルなのに、こんなに差が出るのか?
結果をまとめると・・・・こんな感じに。
No | 名称 | 1回目 | 2回目 |
---|---|---|---|
1 | SSA製 充電専用ケーブル 15cm (2.4A出力対応) | 1.41 A | - |
2 | SSA製 充電通信ケーブル 80cm | 0.69 A | - |
3 | SSA製 充電専用ケーブル 80cm (2.4A出力対応) | 0.52 A | 1.48 A |
4 | SSA製 充電通信ケーブル 300cm | 0.68 A | - |
5 | Creative製品付属 充電通信ケーブル | 0.94 A | - |
KYV42+RBAC120の組み合わせでは、充電専用ケーブルを使うと、Max1.5AのDCPモードで動作していると考えられます。
ただし、電流値が安定しない・・・・何度か試すと、他の充電専用ケーブルでも事象が発生し、ケーブル接続直後に判定が行われる動作モードが上手いことDCPモードとならず、High Power SDPモード(Max 500mA)となってしまっているような感じ?
しかもどうやら、一度モードが決定するとケーブルグリグリとか接触は関係なく、接続をやり直さないとダメ。
そして、どうもしばらく放置しておいてから充電を始めると、一発目はDCPモードに入らず、何回か試しているうちに、DCPモードに入る・・・・ひょっとして熱か?
しばらくヒートランしないとDCP/1.5A充電されないとは・・・・_| ̄|○
USB電流計を付けていないと、どのモードで充電されているのか判断つかないため、これは致命傷だゾ!
ちなみに、DCPモードに入った充電専用ケーブルだと、約1分~1分10秒で電池容量が1%上る感じで、充電通信ケーブルを使った1分45秒~2分で1%上がるのよりも明らかに早い!
KYV42が、Quick charge等のUSB規格外の拡張ベンダー独自規格に対応しているのかが不明なのですが、USB規格内のMax1.5Aのギリギリで充電しているので、ここが限界値のような気がします。
最近になって、USB PD(Power Delivery)なる充電用の規格が誕生しましたね。
同僚に借りた時、早い気がして~と言っていたのは、この現象が起きていたのだな。
充電専用ケーブルでは、SSA製だと0.7A程度、Creative製だと0.9Aと差がつくのもなぜだか不明。追い込むためにはもう少しサンプル数を増やす必要がありますが・・・・今後の課題ということで。
急ぎたい時は『充電専用ケーブル』ということはわかったけれども、常にUSB電流計を持ち歩くわけにも行かず・・・・と思ったら、先日の日記のコメントで、ソフトウェアの電流計があるとのことなので、これを試してみる価値は非常に大きい気がする!