埼玉県所沢市にわざわざ移設された"上武大橋"を社会科見学してきた件

先月に冬の前橋方面への平地ツーリング国道17号・上武道路を走ってきた際に、新上武大橋で利根川を渡りました。

https://…/2023/12/17/ 強風吹き荒れる中、"食匠 なる花"を目指してR17上武道路を走ってみた件

・【使い回し写真】新上武大橋 @ R17上武道路

その日記へのコメントで、『』が付かない上武大橋の話がありました。
現行の上武大橋2代目であり、2018年から供用開始された新しいもの。
その前の初代上武大橋1934年に供用開始された歴史ある橋でしたが、今のように大型車がバシバシと通過する時代の設計ではないので狭隘で大型車同士のすれ違いも困難だし、歩道すら設置できないので別に併設歩道橋を建設して凌いでいた程。


その初代上武大橋の一部がわざわざ移設され、埼玉県所沢市に現存しているというので社会科見学してみることにしました。

・R463浦和所沢バイパスから見える広場?

ただっ広い空間に目立つピンク色に塗装されたトラス橋。間違いなくアレだろうなと分かるほど強烈な存在感。


さらに近くにバイクで向かってみると・・・・あらら?バイクでは行けず公道から川を一本隔てて内側に存在。

・公道から川を一本隔てて桃色のトラス橋

なんとこれが初代上武大橋からわざわざ移設された1スパン


東川の氾濫から周囲を守るための巨大調節池。ここの管理用通路としてわざわざ橋が移設されそして地域住民にも開放され散歩コースとなっている。

・右側が東川。ある程度推移が上がると上武大橋の下だけ堤防が低く、調節池に水が逃げる

調節池といっても平時は水が全く存在せず広場。
東川の水位が上がると、一段低くなっている堤防部分から調節池に水が流れ込む構造で、物理法則のみに従って動く構造。


一応階段があって広場に降りられる構造になってはいますが、近隣の子ども達の遊び場になっているような事はなく、雑草が伸びている・・・・

・橋の内側は・・・・広大なデッドスペースとなっている

天気が良い日は安全でも、上流で天候が急変していつ水没するか分からないから子供には近寄らないように指導しているのだろう。


歩いて上武大橋の近くまで行ってみよう・・・・
確かに幅が狭いぞ!

・路盤は歩道用に幅が狭いが、そもそも躯体も狭い。大型車すれ違い困難!?

路盤(?)は移設した際に歩道用に貼り替えたとしても、そもそもの橋の幅が狭い・・・・これを大型車同士が行き交っていたとは(汗)
巨大河川利根川は今でも橋が少なくて、橋があるところに交通が集中しているというのに、昔の渋滞は酷かったのだろうな・・・・等と思いを馳せてみる。


橋の脇には解説板が建植されていますね。

・日比田調節池管理端の解説板

なになに・・・・

 この橋は埼玉県深谷市と群馬県伊勢崎市を結ぶ旧上武大橋の一部を解体し、塗装を塗りなしてリニューアルした橋です。
 旧上武大橋は完成から80年近くが経過し老朽化が著しく、幅員も狭いため新橋の架け替え工事の完了に伴い撤去されました。
 道路橋としての役割は終わりましたがこの径間は太平洋戦争時の機銃掃射痕が残っており歴史的価値が高いこと、また日比田調節池を周回できる遊歩道の設置について地元より要望があったことから、所沢市に移設され管理橋として新たな役割を担う水戸になりました。

 埼玉県川越県土整備事務所

ほぇ~!機銃掃射の痕が残っているのか!
まるで八王子市のR20大和田橋(←焼夷弾の弾痕がある。)のようだな。

https://…/2012/01/29/ ツーリング・・・・とは言えないほと短距離ラン! だって寒いんだもん~


歩いて機銃掃射の痕を探してみると・・・・有った!

・確かに機銃掃射の痕がある・・・・

さすがの鋼鉄製の橋には機銃掃射の弾丸だけで落とすのは無理がありそうな感じ。


別の場所には貫通している痕を発見。

・こちらは貫通している!

すごいな。これだけ攻撃されても戦争後も通過交通を支え続け、そして余生をここで過ごしているわけか。
頑丈なんだな。


背景とかを自分で調べて補完しつつの実物見学はなかなか面白いものがある。

・なかなか面白いプチ社会科見学だった・・・・

この橋を見てどこまで思いを巡らせられるのかは見ている人の教養次第かもしれないが。


教養は人生を豊かにする・・・・そんな1日なのでした。