Qi給電系統ノイズ対策実験で定電圧給電回路を設置した件→結果良好!

冬の季節のバイク走行時の必需品だと思うほど快適なグリップヒーター
だがこれは温度調節の際に電源スイッチングを行うので強力なノイズ発生源であり、グリップヒーターとQi充電系統はものすごく相性が悪い


いや、もともとデイトナ製Qi充電器+外付けQiレシーバー+KYV42の組み合わせはノイズに貧弱(←原因がどこから絞り込めていないので、系統という書き方にしています。)で、自作LCフィルタを設置して改善した前例があります。

LCフィルタ製作の日記
https://…/2022/11/12/ バイクの非接触給電Qiの改善の為、ノイズフィルタを製作した件
https://…/2022/11/13/ 昨日製作したノイズフィルタをバイクに設置して試走はバッチリだった件!

そのLCフィルタでも取り切れないノイズが回り込んでいるのかしらね(泣)


この系統を強化すれば改善が見られるのか?も含めて今度は別の方法でノイズ除去の実験をしてみようと思いつき、三端子レギュレータを使用した電圧ドロップ・定電圧給電回路を作り込みました。

定電圧給電回路製作の日記
https://…/2023/12/31/ Qiノイズ対策 定電圧給電作戦 その2
https://…/2023/12/23/ 寒すぎてバイクに乗りたくない→Qiノイズ対策 定電圧給電作戦 その1

とりあえずケース内に収めましたが、そもそもこのケースをバイクに取り付ける場所があるのかは未確認(笑)
ヤル気が削がれないうちに製作だけ済ませてしまい後からなんとかしようという適当作戦。


正月休みが長すぎて暇すぎる・・・・冬以外であれば間違いなくロングツーリングに出かけているほど長い休み。
寒空のもとで愛車のバイクVFR800F(RC79)のカウルを外す私。趣味があってよかった~♪(笑)

・左カウルを外したVFR800F(RC79)

カウルの内側には配線やら配管がビッチリ! ネイキッド車はこれら配線類をどうやって処理しているのだろう??というくらい膨大な量


事前の予測では、前回LCフィルタを取り付けた付近でどうにかするしかないだろうと。

・前回設置したLCフィルター周辺にしか、取付可能な場所はないだろう・・・・

なので一旦LCフィルターも取り外してゼロから考えよう。


もともと存在していたLCフィルタをリプレースする形で新規導入する定電圧給電回路を・・・・

・LCフィルタが有った場所には入らず、少し後ろのこの位置が良いかも

・・・・入らない(泣)
だがその脇に強引にくくりつける形であればなんとかスペースがありそうだ。
真下をエイルクーラーへ向かう熱いエンジンオイル配管が通っており、下手に接触とかするとよろしくなさそうな場所だけれども。


実験用でとりあえずデータが取りたいのでここにしよう。最悪はカウルの外側に取り付けようと思っていたので隠せるだけでも大変ありがたい。

・なんとかこれでカウルが取り付けられれば・・・・

ふ~、なんとかなるかな?(カウルが元通り付くか未知数ですが。)
正攻法ならばステーとかを作るべきなのでしょうが、実験なのでインシュロックで固定。


LCフィルタを外して定電圧給電回路だけとなることも想定していたのですが、ダブルで設置出来たのはありがたい。
バイク側の電源をLCフィルタを通してからさらに定電圧給電回路でDC+12Vにしたものを、Qiトランスミッタ製品側のコイル駆動回路に給電。ダブルのノイズ対策が出来ている。


あとはそれら回路間の接続。以前から電力系統の配線接続には確実性・安定性のために丸形圧着端子を使用しています。
なので接続点に新たな回路を割り込ませることは容易。

・電気配線をして完了

作業後の写真では絶縁テープで巻いてしまっているため端子は見えませんが。


あとはカウルが取り付けられるか・・・・付くかな?

・カウルが付きましたよ。さっそく試乗の準備!

特に無理することなく無事に取り付けもできました


問題はここから。
エンジンを長時間アイドリングさせても迷惑にならない場所にバイクを移動させ、スマフォ充電電流の確認

  • ちなみに、写真に写っているKVY42を守り続けたTPUカバーは、紫外線攻撃によりすっかり黄色く変色している・・・・
・グリップヒーターOFF状態でKYV42の充電電流測定・690mA

Qiトランスミッターの位置を次世代サブスマフォSHV48用に調整してしまったため、コイルの中心同士を合わせるにはKYV42スマフォを90°寝かせて置く形で測定。
スマフォの後ろに少しだけ映る電圧計の表示値『14(.1V)』というのがグリップヒーター未使用状態を示していて、そしてスマフォバッテリーには690mAの充電電流値。スマフォ全体への供給電流ではなく、あくまでバッテリー充電電流値。


続いては焦点の、クリップヒーターのスイッチON!

・グリップヒーター電源投入直後・・・・(大泣)

ゲゲゲっ・・・・充電電流値がガクッと下がり380mA!
今回の対策前だと100mA以下とかほとんど充電できていないような値を示していたのでそれよりはマシなのだが・・・・


いや、電流値が低下したのはほんの一瞬で、再び上がり始めたぞ!?

・グリップヒーター併用中でも、充電電流740mA!

よしよし!グリップヒーターの投入前と変わらないどころか、より良い値を示したがまぁ誤差範囲だろう。


一瞬影響を受けたのは、グリップヒーター電源投入時に一瞬にバイク電源電圧が低下したので定電圧給電回路からの出力も一瞬電圧低下したのだろう。
それをQiトランスミッター、Qiレシーバー、KYV42のいずれかが感知して充電電流を絞ったのだろう。


しかし直ぐに電源が安定したのでまた元の充電電流に戻ったということか。
この定電流回路を挿入する前は、このバイク電源のノイズにより電圧降下が頻繁に起こったと誤判定して充電電流を絞っていた・・・・そんなところだろう。


後日、せっかくだからオシロスコープでバイク電源、LCフィルタ通過後、定電圧回路通過後で波形を見てみたいな