愛車のバイクVFR800F(RC79)は、2014年の発売当時としては豪華な装備が標準で満載されていて、そのうちの一つがオートウインカーキャンセラー。
だが後続のバイクにほとんど搭載されていないところを見ると、魅力がなかったのであろう。
1ユーザーからの視点ではありますが7万キロ乗ってみた時点の感想は『余計なことするな!』『要らない』と言った散々な感じ。(←いや、1,000km乗った時点ですでに要らない子でしたが。)
しかも正規な方法ではこの機能を無効化することが出来ないという・・・・
そこで自分で改造してみようかと。原理は前回のブログに書いてありますが、部品も揃ったし雨上がりの曇天の日という絶好のチャンスが訪れたので、今日は実践する日なのです。
オートウインカーキャンセラーをキャンセルされる原理
https://…/2023/02/08/ VFR800F(RC79)オートウインカーキャンセラーキャンセル作戦!?
まずはユニバーサル基板の切り出し。
ウインカーリレーユニット(という名のCPU)に入力させる車速パルス信号線をカットするのですが、そのまま放置だとその入力信号線にノイズが乗り誤動作する可能性が考えられるのでプルダウンします。だがそのプルダウン抵抗を空中配線するのはとても無理そうなので、ユニバーサル基板上に設置するためです。
・ユニバーサル基板をカッターナイフでカット |
カッターナイフで切れ込みを入れて折ります。その後切り口はヤスリがけをして鋭利な部分を無くしておきます。これは万が一他の電線と接触してしまった際に、長時間の振動で他の線を攻撃しないためです。
事前準備はここまで。ここから先は実際のバイクの側で作業します。
・ここから先は実物合わせ。VFR800F(RC79)の登場です |
夏の猛暑ではこんな事できなかったですけれども、ようやく自由に触れるって感じですね。蚊が多いので蚊よけスプレーを噴霧してから作業開始。
まずは左右のアンダーカウルを取り外し、その後に右サイドカウルを外します。
するとオイルクーラーの直ぐ脇くらいにウインカーリレーユニットが見えます。刻印されているロゴから新電元工業製ですね。将来はウインカー動作状態とかをレギュレーターに戻して最適な発電電力の制御とかを行う構想があるからメーカーを揃えているのかな?とか余計なことを勘ぐってしまいます(笑)
・【使い回し写真】右サイドカウルを外すと一番前方にウインカーリレー |
このウインカーリレーユニットに向かっている線の束が今回の作業箇所。
とりあえずこのコネクタを引っこ抜きます。本当ならばこの反対側のコネクタも引っこ抜いてバイクから完全分離できるのであれば室内で作業ができるのですが、他の機器へのケーブルと一緒に束ねられてハーネスを形成している都合から、このまま作業する必要があります。
まずは絶縁・保護のために巻いてあるテープをカットして取り除きます。
・ウインカーリレーへのコネクタを引き抜き、絶縁テープを剥きます |
これで信号線を弄ることが出来ます。
ここでターゲットとなる線を再確認。画像は前回の日記のものを流用ですが・・・・緑色のGND線、桃/青色のフロント車速パルス線、桃/緑色のリア車速パルス線の3つ。
・【使い回し写真】ターゲットはこの3本 |
ちなみに車速センサー線はABSユニットに差動入力で接続されていて、断線の検知やらノイズ対策が行われています。命に関わる部分だからでしょうか。
ですがABSユニットで差動入力からシングルエンド・パルス信号に信号変換され、ウインカーリレーユニット(とECU)に接続されています。
なのでウインカーリレーに行くパルス信号線1線(前後それぞれで2線)をカットすれば(論理的には)良いということになります。
ただしこの信号線はECUにも入っていくので、カットした後の上流側はしっかりと絶縁しておく必要がありますし、下流側は理論的には開放で良いのですが、実態としては耐ノイズのためにプルダウンする必要があります。
バイクの足元ではんだ付け作業ができるようにお店を広げてスタンバイ。
・その場ではんだ付け施工します |
この線の束を見て、改めて空中配線は無理そうなのでユニバーサル基板に抵抗を取り付ける作業。
10kΩくらいで良いだろう・・・・と先日秋葉原に行って買ってきました。おかしいなぁ~10kΩの抵抗くらい家の中に転がっていても良さそうですがいざ探すと見当たらず(泣)
ずいぶんと高価な抵抗だなぁ(笑)
・空中配線の自信はないので、基板にプルダウン抵抗をスタンバイ |
ここに線を繋ぎこむのですが・・・・
とりあえず近くに金属製のオイル管が通っているので、万力の固定に使わせていただくことに。
・手の代わりに万力で固定 |
作業環境的にはこれで問題なしだな。
いよいよココからはバイクに傷をつけることに。もう後戻りができませぬ・・・・という緊張の瞬間。
・さぁ、ここから先は後戻りができません |
ニッパーに力を入れて・・・・パキッ!
右手ではんだごて、左手で線の固定と手が塞がるので、シーンはいきなりはんだ付け完了の場面。
・切断した車速パルス線をプルダウン抵抗に接続 |
なかなかよろしいのではなくて?
反対側も接続。絶縁テープを剥いた範囲が狭かったのですが横着して線を引っ張ったら被覆が剥けてしまった・・・・(泣) あとで絶縁テープを巻いて保護します。
ちなみに反対側もはんだ付けしたのは絶縁固定のため。別にテープ巻きでも良かったんですけれど、基板上でN.Cとして固定しておくことに。
・しまった!一部被覆が剥けてしまった! |
それにしても被覆も弱いな・・・・限界まで軽量化・低コスト化を進めているのだろう。
ユニバーサル基板は振動が加わると凶暴になると考え、エフコテープ1号で保護。
https://…/2020/09/12/ 電気絶縁用自己融着テープを買ってきましたよ
・エフコテープ1号で絶縁と基板の角を保護 |
これも良い感じに。
最後にケーブル全体をエフコテープ2号でテープ巻き。
・全体をエフコテープ2号で保護して元通り |
これで完全に元通り。内部にユニバーサル基板を内包しているとは思えないほど細く仕上がりました。
これをウインカーリレーユニットに接続。
・元通りウインカーリレーに接続 |
このまま静止状態でキースイッチをON!
ウインカー左右にハザードの動作に問題はなし。とりあえず最低限のウインカー動作確認はOK。ウェットコンディションなので実際の走行確認は後日行うこととして、今日はカウルを元通り取付けて作業完了。
後日の走行確認
実走試験を行いました。
ウインカーの動作は当然OKでしたし、故意にウインカーを出しっぱなしにして走行してもキャンセルされなくなりました♪♪♪♪
これでようやく普通のバイクになったよ(笑)
だが習慣とは恐ろしいもので、意図せずウインカーを出しっぱなしにしていたのが2回ほど。
いままではオートキャンセル(7秒ルール)により勝手に消えていたものが、無効化されたので当然なのですが、そうかぁ・・・・今までも結構消し忘れていたのかも(汗)
もう私は改造してしまったので後戻りできませんが、ウインカーリレーに対して前後車速パルスをカットするのではなくて、例えば前輪車速パルスを前後輪双方の車速パルスとして入力させることで、左右蛇行によるキャンセルのみ無効化させるとか実験してみるのも楽しそうです。