快適!(?)ハイウェイラジオ

愛車のバイクVFR750F(RC36)へ、多機能アマチュア無線機FTM-10Sを取り付けた動機の一つに高速巡航中の『ハイウェイラジオの受信』がありました。
渋滞情報はどうでもいいのですが、気象情報は喉から手が出るほど欲しかったのです。

・FTM-10S多機能無線機 ・ハイウェイラジオ

しかし、FTM-10Sに取り付け可能なアンテナは1本のみ。基本的に送受信したい周波数から計算した電波の波長にあわせてアンテナの長さが決まるため、430MHzのアマチュア無線帯を使用しつつ、FM放送を受信したり、AM放送を受信するのにはそもそも無理があります。

※電波の波長(1回の波の長さ)は、1秒間に電波が進む距離 300万km 30万km (←えぬむらさんありがとうございます。) を周波数で除算して求めることが出来ます。
周波数 波長 λ 波長の半分 波長の1/4
430MHz アマチュア無線帯0.698 [m]0.494 [m] 
144MHz アマチュア無線帯2.083 [m]1.042 [m]0.521 [m]
90MHz FM放送帯 3.333 [m]1.665 [m]0.833 [m]
1,000kHz AM放送帯 300 [m] 150 [m] 75 [m]
・AM放送/FM放送はコレだけ波長が異なるので、ラジカセですら2本のアンテナを使い分けているほどです。

原理的に難しいのですが、アンテナの種類を吟味(アンテナに細工がしてある)したり、アンテナの設置方法を工夫したりすることで、いくらかは改善できるはずです。
そこで、自宅の近くの1,620kHz『警視庁交通情報ラジオ』が放送されている道路を調べ、実地で試験を繰り返してはアンテナの試行錯誤をするつもりでした。

https://…/2009/08/07/ 実用的な使い方(?) Googleストリートビュー

AM放送帯のような長い波長の電波を、短かすぎるアンテナで受信する場合、アンテナ下部に金属で平面(ラジアル)を作り、電気的に鏡の働きをさせることでアンテナの長さを見かけ上長くすることができるので、私はパニアケースステーを金属平面に見立ててラジアルとする対策をしました。(それでも全然長さが足りないけど・・・・何もしないよりはマシ理論。)

・約50cmのアンテナ ・高周波アースで鏡を作る ・1,620kHzは波長が長いので、なるべくアンテナを長く!

すると、それだけである程度AM放送が受信できるようになり、警視庁交通情報ラジオを走行しながら受信することに成功してしまいました。

https://…/2009/08/08/ FTM-10S無線機運用テスト

失敗

一般道での受信成功で気を良くして、高速道路で高速度巡航中にハイウェイラジオの受信テストをしたところ・・・・・

・高速道路でハイウェイラジオ受信テスト(写真はイメージです)

バリバリバリバリ・・・・・
と、物凄いエンジンノイズが全てに勝ってしまい、何にも受信できなかったのです。


やっぱりダメなのか・・・・。
一般道では結構クリアに受信できて喜んでいたのに、そんなに高速道路って環境ちがうものなのか・・・・。確かに高速度走行するのでエンジンはぶん回してはいるけど、どうも腑に落ちないゾ!

再び失敗

この日記でもたびたび登場しては失敗しているヘッドセットもそうですが、一度失敗して諦めてしまうのではなく、『何か出来ることはないのか(?)』と考えてしまう人なので、高速道路を走るたびに『バリバリ・・・・』としか聞こえないハイウェイラジオに耳を傾けていました。


ヤネナシ号オフ会の帰りもそうでした。
深夜で、周辺のノイズも減るだろう・・・とハイウェイラジオに耳を傾けていると、首都高の橋桁の継ぎ目毎にノイズの入り方が変わることに気がつきました。

・継ぎ目を越えると・・・・(写真はイメージです)

ん!(?)
なんだこれ(?)


たしかに継ぎ目を乗り越えると、『バリバリ・・・・』だったものが『ジジジジ・・・・』になったり、ノイズがまったく入らない時もあります。


何かのヒントが隠れている!
そう直感した私は、ひたすらノイズを聞き続け、何か法則がないのか分析を繰り返します。


継ぎ目を乗り越えてバイク自体に大きな振動が加わると何かが変わっている
それは、何か(?)
その、何かを、意図的に調子が良い位置に固定してしまえばよいハズだ・・・・と。

なんてこったい!

バイクのフレームも、高周波的には理想的な状態ではないかもしれない。それがギャップを乗り越えたときに表面化したのか・・・・。
田舎な自宅周辺だと送信所から遠いのか、クリアにAM放送を受信できず、原因が絞り込めないため、都内に出かけたときにこっそり実験しました。


バイクで都内・・・・というと、秋葉原でしょ!(←なんだか最近だと、この言い方はマニア系の人に間違えられそうで恥ずかしい~。私は由緒正しい秋葉原な人(?)ですヨ。)

というわけで、秋葉原での買い物がてら、UDXパーキング脇の人通りの少ない道でバイクのシートを外し、いろいろ条件を変えてはエンジンを吹かして、AM放送へのノイズの入り方を調べました。

・神田消防署の前辺りで、シート外して実験中・・・・

アンテナの緩みとか、アンテナと高周波アース線との接触具合とか、無線機の設置位置とか、サスの沈ませ具合とか・・・・


やがて、恥ずかしいぐらい単純な所に、あやしい場所を見つけました。


無線機本体とアンテナへの同軸ケーブルをつなぐ『M型コネクタの緩み』です。
防水を歌うFTM-10Sは、電源スイッチをも省いて浸水する可能性を徹底的に排除し、必要最小限のコネクタは専用の防水コネクタを採用しています。
が、唯一、汎用品を使用しているのがM型コネクタ。ココからの浸水を避けるため、メーカーは直接風雨に当てたくないのか、スカートというのか庇(?)というのか(以下、スカートと呼称)を長く設計しています。

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・FTM-10S無線機本体の同軸ケーブル接続部 ・一般的なM型コネクタの接続

ところが、このスカートのおかげでM型コネクタを押し込んだ後の外部導体部のねじ込みが思うように締め込めない事が分かりました。
グランド外周のギザギザ滑り止めがスカートの中にほぼ隠れてしまうのです。
(ここが原因か(?)と、深く考察しているからここまで推理しましたが、普通だとコネクタを差し込んで、手で限界まで締め込んで、お終いです。)


もともと緩くしか締まっていなかったコネクタは、バイクの振動でスグに緩み、やがてギャップを乗り越える毎に接触状態が変わっていたに違いない!

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・ペンチを使用して、壊れない程度にガッチリと締めこみます

自宅に戻り、ペンチを使用してM型コネクタを強固に締め込む対策をしたのでした。
(それにしても、送信機の終段が壊れなくて良かった~。)

再試験

さてこの間のビーナスラインツーリングの際に、再び高速道路でカットビながらハイウェイラジオを受信してみました。


すると・・・・


ピンポンパンポン♪・・・、ハイウェイラジオ八王子より、高速道路状況をお知らせします。始めに名古屋方面に・・・・
完璧です♪♪♪


しかし、さらに聞き込むと、ハイウェイラジオ放送設備側のLCXケーブルの位置により、受信レベルが大きく異なることがわかりました。
地面スレスレに設置している区間、おそらくは私のVFR750F(RC36)側の受信アンテナより低い位置からの放射は受信感度が低く、防音壁の上にLCXを這わしてある区間等は強く受信できます。

一般道の交通情報ラジオは、LCXが電柱の電話線と同じぐらいの高さに設置されていたため、バッチリ受信できたと考えられます。
中央道のハイウェイラジオのLCXは、かなりの確率で地面スレスレに設置してあります。
・学生時代の教科書で調べてみました。 変調入門とか、空中線系・電波伝搬とか、通信工学に電気磁気学・・・全然判らん!

私が使用しているホイップアンテナの垂直方向に指向性ありそうだぞ!!(?)(?)
と思って学生時代の教科書を調べても、理想ダイポールアンテナとかの垂直方向の指向性は解説されていても、今回の例のような1/n波長ラジアル付きの端給電ダイポールアンテナで、しかも地上高が1mだとどうなるんでしょ。ラジアル面から下方向にはビームが伸びないような気もしますけど、説明できません・・・・。


あと・・・・スピーカーが小さすぎるのか、音量を大きくすると音が割れてしまい、何を言っているのか結局聞き取れないという事態に・・・・
コッチも要対策です。

https://…/2009/09/15/ PTTスイッチの防水対策