先日、144/430MHz帯だけ受信だけできなくなったアマチュア無線機FTM-10S。
バイクの振動でやられてしまうセラミックフィルターを自力交換したら受信するようにはなりましたが感度がいまいち(泣)
https://…/2019/08/21/ バイク搭載アマチュア無線機FTM-10Sの受信回路故障
https://…/2019/08/28/ 多機能アマチュア無線機FTM-10Sの自前修理
https://…/2019/09/08/ バイク搭載用アマチュア無線機FTM-10Sの再度修理
それならばもともとバイクに無線機を2台搭載していたので、手っ取り早く受信は他の機械に任せる作戦を始動。
・【使いまわし写真】VFR800F(RC79)に設置してある2台の無線機用の2つのアンテナ |
禁断のFTM-10S本体改造。
保証が効かなくなるから・・・・など漠然と考えていましたが、よく考えたら10年を経過したこの機械に保証などあるわけがない(笑)
ほんと、インターネットの先人の方々には頭が下がります。
たぶんライダーの誰もが使ったことがないであろう外部スピーカー出力機能を殺し、その端子を外部音声入力に流用しちゃうんですって。
ミキシング・デジタルボリュームIC(ルネサステクノロジ製M61524FP)に入力信号を直接繋ぎこむことで、無線機のソフトの影響を受けず、常時ヘッドセット内のスピーカーに信号を送り込むことができるという改造。
・【使いまわし写真】デジタルボリュームIC ルネサス M61524FP |
小型化・軽量化のために表面実装部品やチップ部品が多用されていて、ほとんど手が出せない・・・・
FTM-10S付属の回路図を追うと、つなぎこむ9ピン34ピンは外部コンデンサ用端子に、DTMF信号を重複させているところに、さらに第三の信号を重複させるというわけか。すごいなぁ~
・9ピン/34ピンは本来は外部コンデンサ端子だが、さらに第三の信号を接続する |
まぁ普通の人ならばナビの音声など常時聴取の必要のある信号をつなぎこみます・・・・が、私は別のアマチュア無線機の出力をつなぐ(笑)
先人の方々の回路を見ると、入力インピーダンスを決定する抵抗と、直流分をカットするカップリングコンデンサで構成されています。
しかしM61524FPのデータシートに記載の等価回路によると、40kΩにてグランドに落としているとなっているため、このコンデンサはハイパスフィルターを構成する定数にもなります。
・ミキシング・デジタルボリュームIC(M61524FP) 等価回路図 |
先人の方々が選定していたコンデンサの0.01uFや0.1uFだとカットオフ周波数が高すぎる(それぞれ、398Hz・40Hz)ので、もう少し大きい容量で、かつスペース的な制約により平べったいコンデンサとして、手持ちで最大の0.33uF積層セラミックコンデンサを選定。これだとカットオフ周波数は12Hzと十分に低い値。
コンデンサや抵抗を事前に接続しておくシーンを撮影するのを忘れ、いきなりほぼ完成形の写真。
・外付け回路のつなぎこみ完了 |
ただし、あまり強固にハンダ付け出来ていないのでバイクの振動で間違いなく外れると想定されるため、弾性接着剤で固定。
固まるのにしばらく時間がかかるので、このまま放置・・・・
・弾性接着剤で振動から保護 |
あとは蓋を元通りに戻して作業終了。
電源が入るところまでは室内で確認できますが、MP3入力や第2送信機VX-8Dからの入力の確認はバイク側に取り付けてある配線が必須なので、実車による走行試験。
取りあえず第2送信機は、FMラジオ放送を受信するように設定し、手持ちのφ3.5ステレオミニプラグで接続。
・バイクにセッティング アナログケーブルが長すぎるのは試験なので目をつぶろう |
しかし小問題発生!
第2送信機VX-8Dのイヤホン端子が奥まった場所にあり、この手持ちプラグの付け根が太すぎて上手く刺さらない!
なんとか押し込みましたが振動によりとても不安定だな・・・・
取り敢えずそのまま走行試験。
・テスト走行 |
うわ~、面白い♪
第1送信機FTM-10Sをどんな操作をしようとも、ヘッドセットのスピーカーからは、第2送信機VX-8Dが受信しているFMラジオ放送が軽快に聞こえてくる~♪
第1送信機FTM-10Sも同じFMラジオ放送を受信すれば・・・・
ダイバーシティ受信!
ていうか、ラジオ放送受信に関して、後発の設計が新しいVX-8Dが有利なのか、かなり快適にリスニングできるじゃん♪
・・・・ていうか、FTM-10Sって要る?(爆)
手元で周波数等を触れるリモコンパネルがあるタイプがこれしかないからだけれど・・・・無線機としてはだいぶ古い設計だものなぁ・・・・