秘湯大人ツー2日目:駒ケ岳の絶景と農家民宿で大人の嗜みを満喫した件

長野県は南信地方、鹿塩温泉の湯宿『山塩館』で迎えた大人ツーリング2日目の朝。

https://…/2023/05/03/ 秘湯大人ツー1日目:ゆったり走って豪華な食事で大人の嗜みを満喫した件

目覚まし要らずで朝5時には目覚める体は、普段はもっと寝たくて苦労していてもこういう時にはありがたいと実感します。


まずは朝風呂。くわ~~~~贅沢!(浴場の写真を載せられないのが残念です。)
どうやら同じ体質を有しているであろう"あつお氏"とパッタリと遭遇。宿の近くをお散歩してみることに。

・朝の温泉宿

部屋の窓から見えていた、川の対岸の洞窟に行ってみたい・・・・がどうやって行くのだ?


パッと見で直接行けそうにない。なんか怪しい入り口を入ってみると・・・・
おっ!『山塩製塩所』ですって!

・怪我の功名! 山塩製塩所を発見

ここで手作りしているのか~、そりゃ量が作れず貴重品な訳だわ。
エネルギー源は大量の薪。たしかにガスで炊いていたらとても高価になってしまう・・・・この土地ならば薪は潤沢にありそうだ。


この釜に温泉水を入れ煮詰めていくのか・・・・冬場ならまだしも夏場は重労働だろう

・この釜で延々煮詰めていくのか・・・・大変だ!

宿のWebサイトにも掲載されていた『塩爺』の仕事場か。


結局楽をして川の対岸に渡ることは出来ず、ぐるりと大回りをして川の対岸へ。そこから宿を見ると・・・・山の中!って感じですね。

・川の対岸から宿を撮影。こんな感じの山の中

川の水が勢いよく流れているので常にザーッという音が生じマイナスイオンもいっぱいでとても清々しい。寒いくらいだわっ。


ようやくやって来られた『洞窟』。説明看板には『まぼろしの岩塩を求め続けた男の夢の跡』・・・・?

・対岸の崖にある洞窟が気になったのよね @ 黒部の洞窟

日本には岩塩はないと言われていたが、この地で岩塩発掘に一生を掲げた黒部銑次郎(くろべせんじろう)氏。塩田で知られる阿波徳島の藩士です。
明治六年、夢の実現のために仲間とこの地に入村し岩塩採掘を始めるも70m掘っても発見できず資金は底を突く
そこで塩泉を利用した山塩作りや温泉宿を始め、名残をとどめているのだとか。


実際内部に2mほど入れるようになっていて、その先は立入禁止となっていました。


さて、宿に戻って朝ごはんだ!

・これだけオカズがあると御飯が美味しくて仕方がない!

オカズが美味しい~♪
軽く散歩してお腹を空かせてから食べたものだから一際美味しい。


バイクツーリングとは思えない、9時半出発。今回は本当に宿でゆったりしちゃいました、大人じゃん~(笑)

・さぁ出発だ!【9時30分】

今日も長野県内のすぐ近くに宿泊するのでゆったり出来るんです。


昨日に引き続き、今日もこれ以上無いであろう青空

・今日も文句ない素晴らしい天気!

中央構造線の深い谷から脱出するには山越えが必須。そんな山を越えると今度は伊那谷
谷を形成する中央アルプスの雪冠が美しい♪


今日は連休だからと混雑を覚悟していましたが拍子抜け。気温も高原地帯的な清々しい感じまで上がってきて、流しているだけで気持ちが良い♪♪♪♪

・ものすごく気持ちいい伊那谷のツーリング 雪を被る南駒ヶ岳

やっぱりバイクツーリングって良いなぁ!と思う瞬間。


視界にはどんどん中央アルプス山脈がデカくなっていきます。

・こちらは木曽駒ヶ岳

なんたって今日はそこを目指しているわけですから。


しかし"菅の台"から先はマイカー規制のため一般車通行禁止。なのでシャトルバスにスイッチして向かわねばなりませぬ。

・ここでバイクを降ります(笑)

こういったシステムは上高地などでも見られるわね。


やってきたのはいわゆる普通の路線バスタイプ。

・いつぞやの那須岳に登ったときの気分

30分に一度の頻度で運行されていますが積み残しが発生し少し間隔を開けて続行便も運行
この『間隔』がミソで、後にシステマティックな運行技を見ることに。


バスは駒ヶ根橋を渡り左折、ここからが規制区間。

・ここから先はマイカー規制中

なるほど自然保護のためにマイカー規制なのか・・・・た思っていたらそんなに甘くはなかった!!


一般人立ち入り可能な場所から見える道路はキレイな片側一車線に整備されていましたが、すぐに片側一車線・・・・さらには林道のような狭隘な雰囲気に

・こんな道をひたすら登ってくる @ バスの車窓から

180度のつづら折れを何度も繰り返し、ローギアで唸るバスエンジン!
内輪差もあるので道路幅ギリギリを攻めていく運転士。
比例して景色はどんどん駒ケ岳が雄大に


おや・・・・何もないここで止まるのか?
数少ない退避スペースでは、上り下りの行き違い場所が予め定められているのか、信号機もないのに鉄道の単線運行のような緻密さ
すげぇ~!!

・山を下ってくるバスが先着して右側通行で退避するみたいね

続発便がすぐ後ろに付いてこなかったのは待避所に2両入れないからなのね。
どの待避所で止まるのか、続行便はあるのかなどで変わるので、どのように運行管理しているのかが興味深い。
そしてこの緻密運行のところにマイカーが紛れ込んだら収集がつかなくなるので規制されているというのもあるかもしれない。


グイグイ登ってきたら、猫の額のような平野。ここがシャトルバスの終着『しらび平』駅。
すでに標高は1,600m超えとエラいことになっていますがまだまだ序ノ口。

・しらび平駅(H=1,662m)では、中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイに乗り継ぎ

ここからロープウェイに乗り継いで日本一の高低差950mを一気に駆け上がります。


とてつもない角度をスイスイと登っていく文明の利器。

・一気に950mを駆け上ります

すごいわ~、汗一滴垂らすことなく標高2,612m千畳敷駅
もちろん文句なく日本最高所の駅。


駅から出ると視界いっぱいに広がる絶景!思わずカメラを構えてしまうのはよく理解出来ます(笑)

・千畳敷駅に到着すると、写真撮影に勤しむ皆様

それもそのはず。目の前には千畳敷カール宝剣岳、そして雪と青い空が織りなす絶景が!!


カール』とは、氷河期の氷で侵食されて形成されたお椀型の地形のことで、『千畳敷カール』は畳を1,000畳敷いたほどの広さがあることから名付けられたのだとか。

・皆さんが夢中に撮影していたのは、千畳敷カール・・・・の雪バージョン

うおぉ~、凄い。
そして今日が風のない青空になってくれた幸運がとても嬉しい。


肉眼ではここ千畳敷駅から山頂に向かって伸びる登山道(雪が踏みしめられた筋)とポツポツと人影が見えますが、あの急斜面を登っていくのかよ!あぁ(滑落が)恐ろしい。


まずは目の前にある神社にお参り。

・まずは信州駒ケ岳神社にお参りを

足元は完全に雪国♪
防水ブーツに防水パンツ、防雨防風ジャケットを纏うライダーは意外と適応できそうだ


やややっ!?さらにアイゼンピッケルが必要だとか。ハードル高いな。

・ここから先は冬装備が必要。千畳敷カール周回コースはダメか(泣)

春の季節は千畳敷カール周回の散歩コースがオススメらしいのですが、どうやらこの地はまだ春でない


最高所のホテルでランチ。

・天空のレストランでランチ

こんなところで電力はまだしも水が潤沢に使えているのが驚きだし、下水とかどうやって処理しているのだろう????
毎朝ロープウェイで下界からタンクごと持ち上げて来るのだろうか?


朝ご飯をお腹いっぱい食べたのでお腹が空いておらず、ライトっぽさそうなホットドッグをセレクト。
ただし標高に引っ掛けた"2612ドッグ"という名称でソーセージがアンバランスなほど長い。

・標高2,612mに引っ掛けた2612ドッグ・・・・ソーセージが長い

こんな場所で普通に食事が楽しめるというのが衝撃的。2階フロアはホテルになっていて宿泊も可能。風呂とかどうなっているのだ!?!?とか気になりますが、天気が良ければ素晴らしい体験ができそうだな。


千畳敷カール周回コースの下半分は滑落の危険もないからか、冬装備必須の警告看板はない

・周回コースの下半分は、冬装備がなくてもOKらしい

ならばちょうど中央に建っている道標のところまで行ってみようかな。


おやっ!?下界で盛り上がっていた人々は誰ひとり付いて来ず。多分復路の登り坂に恐れをなしたな(笑)

・せっかくだからあの道標まで行ってみよう!

周回路は完全に雪に埋もれて場所がわかりませんが、ロープを張ってあるからあれを頼りに歩けば良さそうだ・・・・


バイクのブーツだと滑り止め性能が貧弱ですが、かかとを雪に打ち込むように歩けばまぁなんとかなったぞ。


千畳敷カールの最底部。すごい景色だねぇ~!春景色も良いのでしょうけれど、雪景色もすごい。

・下側から雪の千畳敷カールを一望 積雪は200cm

しかも無風。寒いかと思って警戒していましたが、下界と変わらない寒くない暖かさ。
これは良いわ~


最後に記念撮影

・記念写真

あっ!ちなみに私はジャケットがヘビィービュー的な重いやつなので下界で脱ぎ、代わりにカッパを着て活動中ですが、この場所だと登山をする方が皆こういった恰好なのであまり違和感はない(笑)


ロープウェイとシャトルバスで菅の台バスセンターまで戻ります。
実はそのバスセンターの隣にはソフトクリーム界では有名な絶品ソフトが食べられる『すずらんハウス』が有るのよね。場所的にツーリングに絡めづらくて未訪問だったのですが、今日は苦せずに訪問♪♪(徒歩)

・すずらんソフト @ すずらんハウス/駒カフェ

噂通りとても美味しい。牛乳感が前面に出てきて爽やかで自然な甘さ
昨日の清泉寮版と比べるまでもない。


さあ宿に向かいましょう。どこに行っても快適だ!どうしたんだ今年の連休は?みなさん渋滞を警戒して外出しないのかしら?

・爽快に宿に向かいましょう

伊那谷の田舎道を快走~♪


一応ライダーらしくクネクネも処方

・爽快・・・・かね?

といっても前出の快走区間の僅かに残る未整備区間だけなのでほんのちょっぴりだけ。
でもコレが存在するだけでサンデードライバーが寄り付かず、ナビゲーションもここを避けるように誘導するのでライダーには持って来いという感じ。


最終補給ポイント、スーパーマーケットも併設された道の駅 とよおかマルシェ

・道の駅 南信州とよおかマルシェ

下界は暑い!25℃近く上がったとかなんとかで、走っていてもすぐに汗だく。
ライトな冬でも走れてしまう格好をしているのでそりゃ~大汗かきますわ


なので空冷・水冷ならぬ、食冷(笑)

・もう一回食べます

もう春は終わってしまうのだろうな。例年、日本の気候はおかしくなって梅雨をすっ飛ばして夏が来そう


なんか見たことある小径を辿っていく(この辺りの県道・農道トレースの際にがけ崩れの迂回路として来たことあったゾ!)と、今日のお宿『農家民宿ひがし』に到着。

・農家民宿ひがし・・・・建物一棟まるまる借りられるお宿!

なんと建物一棟借り一晩一組というシステム


すげぇ~、古き良き日本家屋そのまんま!囲炉裏に襖で仕切られた和室。子供の頃に泊まりに行った親の実家がこんな感じだったなぁ(懐)

・広い! 一人一室使っても余裕! 田舎の家そのまんま!

パッキングを紐解き、シャワーで汗を流し・・・・もう飲み始めている!


さっそく私も参戦!!楽しい夜になりそうだ!

・囲炉裏でさっそく宴会!めずらしく3人の酒飲みがいる!

陽が陰りだすと心地よい風が家内を通り抜ける・・・・贅沢な空間だなぁ。


夕食の準備・・・・と言っても宅内の台所でご主人が腕を振る舞う。
素朴に鮎を囲炉裏に刺す・・・・

・囲炉裏で鮎を焼き、それを待つ・・・・贅沢な時間だ!

これは早めに宿についてのんびりしないと味わえない、何とも言えない時間の流れ


そんな時を忘れてしまうまったり空間に、時々響く『ボーン♪』という振り子時計の音。

・『ボーン♪』と鳴る振り子時計

毎正時に時の数だけ、30分には一回だけ鳴るこの音は、親の実家を思い出すなあ~


実はご主人は狩猟免許を持ち鹿や猪を捕り、肉を通信販売や前出の道の駅でも販売しているほど。なので今日の晩御飯は・・・・鹿肉のタタキ!鹿鍋。そして地元豚の焼肉!

・なんと夕ごはんは焼肉!!&鹿鍋(あと写っていないけれど焼きおにぎり)

なんかこの宿にビックリしっぱなしだわ。何もかもが(良い意味で)意表を突かれる。
ビールに抜群に合うメニュー♪


若い子がいたら肉の奪い合いに発展しそうな感じですが、ここにいる人々の頭の中には全員が『こんなに食べ切れるか?』と考えているので争いは起こらない(笑)

・とてつもなく贅沢な気分だ・・・・

全てが炭火焼きという贅沢。
鹿鍋のお肉はなんと形容したら良いのか。長時間煮込むとこんなにホロホロになるのか!という絶品。
参りました!


ここはホテルなのか?誰かの家に遊びに行ったかのようだな

・実家でくつろぐ親戚か!(笑)

テレビもラジオも不要。ただただ団欒していると時が過ぎていく。ヘルメットの話題に猫の話題。
そうだ、明日はどこに行こう・・・・最新の天気予報を元にどうしようかを決める旅スタイル。
完全にノープランというわけではなく、事前にいくつかそれぞれ各自が描いていたプランをこの場で集約して一つのストーリーを作っていく。さすが百戦錬磨のみなさま。


昨日購入した日本酒もほぼ飲みきった!
酒が回っているので心地よく眠りに落ちて行く・・・・

https://…/2023/05/05/ 秘湯大人ツー3日目:うなぎとみかんジュースで大人の嗜みを満喫した件