ようやくとれた1連休。しかも晴れ。
走りにいきたい・・・・と思う自分と、調子が悪い診断をしたい・・・・と思う自分。
来週にツーリングの計画があるので、あまり大がかりに分解して、元に戻せなくなったり、症状を悪化させてしまうのは避けたい・・・・
と言う訳で、今日は整備をする前の下見をすることにしました。
まずは、空気穴の詰まりを疑うガソリンタンクキャップ。
・ガソリンタンクキャップ ゴムのリングを外すしネジを外して分解? |
ここに空気穴が埋め込まれているので、一旦取り外して分解清掃かしら。
新品部品に交換しちゃうと鍵が変わっちゃうので、なるべくなら今の部品をオーバーホールが良いなぁ。
ボルト3本で外せるので、作業自体は何とかなるかな?
続いて、左リアカウルを取り外し。
横着して、パニアケースステーも左半分のみ分解。
・意外と中枢部が集中している、左リアカウルの内側 |
この部分は、VFR750F(RC36)の燃料ラインと点火系統が詰まっているんです。
それぞれの機器の位置関係や、取り外せるかどうか、どこを疑って作業するのかを見ておきましょう。
ガソリンタンクから落ちてきたガソリンを濾す『フューエルストレーナー』。その後加圧してキャブにガソリンを供給する『フューエルポンプ』。そのポンプを駆動制御する『フューエルカットリレー』。点火制御を行う『イグナイターユニット』。
フューエルポンプ~フューエルカットリレー周りの仕組みは、以前解析したのよねぇ。(この先の日記は、仕組みを頭に入れておいた方が楽しいので、是非一度、過去日記をご覧の上、続きをお読みください。)
https://…/2008/01/27/ フューエルカットリレーの仕組み
これらの中からまず疑うのは、フューエルストレーナーの詰まり。
・真っ黒なフューエルストレーナー |
とりあえず25年の埃まみれで真っ黒。
これは、ストレーナーの目が詰まったので真っ黒なのかしら?
目視で診断しようにも何も見えないので、まずはウェットティッシュで外周を清掃・・・・
・写真ではわかりにくいですが・・・・意外と綺麗だったストレーナー |
あらっ?
予想外に、ストレーナー内部はとても綺麗だわよ♪ 25年近くもガソリンを濾し続けたとは思えないぐらい!
目視する限りは、透き通るガソリンが良く確認できちゃうじゃん。直射日光から守られ、風雨にも守られているこの場所は、樹脂製部品でも劣化が少ないのね。
ここを目視確認出来るのは強みだぞ!
フューエルコックをON・OFF・リザーブに切り替えながら、ガソリンの流れを見てみれば、ガソリンタンク内のストレーナーor空気穴に問題があるのか切り分けが出来るじゃん~。
よし、エンジンを始動してガソリンの動きをチェックしよう。
ついでに、エンジン始動後1~2分で発症する可能性が高い、調子が悪い現象を再現させてみよう。
キュキュキュ・・・・ぶお~ん! 快調にエンジン始動。
・・・・
う~む、ガソリンが流れているんだかいないんだか、綺麗(透明)すぎて分からん!(笑)
コックをイジっても変化無いし・・・・
そのうち、エンジンが調子悪くなってきたぁ~~~~(泣)
そのとき、『カチカチっ』と、リレー接点が動く音とともに、ストレーナー内のガソリンに動きが!
さらにエンジンが快調に!
その後は、およそ5秒に一度、『カチっ』というリレー音とともに、ガソリンが動きます。
えっ!?
何コレ、フューエルポンプが動いていなかったのか!?
電磁石の力で、ピストンを動かして圧送するシンプルなポンプ。こんなに細かく動きを観察したことがなかったのですが、仕組みから考えたら、動作時にリレー音ぐらいしてもおかしくないですね。
目の前で再現し、そしてたぶん異常動作の瞬間も見れたわ!
ここから推理すると・・・・
- ガソリンタンクからの燃料はコック位置に関わらずストレーナーまではスムーズに供給されている →インレットフィルター・空気穴は問題なし
- フューエルカットリレーの動作不良で、フューエルポンプが動かない
- フューエルポンプの異常で、燃料が圧送されない
- フューエルカットリレーの検出元である、#4点火系統の不良
- キャブのフロート不良でガソリン供給を受け付けない→でも、4つあるしなぁ????
- フューエルポンプ以降の燃料系統の詰まり
- 配線の接触不良等で、各機器が上手く連携できていない
ってところかしら。
ちょっと下調べのつもりが、面白くなってきて深追いし始めました(爆)
現象を再現させるため、前回のツーリングで38分後に再現した実績から、今日は60分ほど間をおいて、そしてその間にテスター等の測定機器を準備し、サービスマニュアルに記載の回路図を追い、テスターで当たらなければならない場所をチェック。
https://…/2015/10/04/ 燃料系統クリーニング兼、ご当地ソフトツー
待ち時間に、フューエルカットリレーの端子状態のチェック。
・コネクタ端子はとても綺麗 |
綺麗だね。それぞれとの導通状態もチェックしますが、正常。
60分後、フューエルカットリレーの動作を確認するため、同リレーから出力される、フューエルポンプ駆動電源端子にテスターを当てつつエンジン始動して、再現試験。
・・・・再度、発症! 今回は動画で事象を記録できました!
本来、エンジン始動直後から周期的に動かなければならないはずのフューエルポンプが、全く動かず、そして後からあわてて動き出した感じ。
その間、フューエルカットリレーからは、ポンプ駆動電力は正常に供給(12.2V)されているにもかかわらず・・・・
メインスイッチを切ると、フューエルカットリレーからの当然駆動電源OFF。メインスイッチを入れても変わらず。セルを回し始めて点火信号を検出すると、駆動電源ON!
フューエルカットリレーは、白だな・・・・
さらに切り分けをするため、急遽手持ちの2P110型カプラコネクタを使用して、フューエルポンプにダイレクトに電力供給出来るようにして、直流安定化電源を使用した動作チェック。
・フューエルポンプをダイレクトドライブ |
コレにより、配線の接触不良が原因なのかが分かります。
しかし、安定化電源から確実に電力を送り込んでも、またまた発症しフューエルポンプ不動作!
それどころか、ポンプ内部の接点が固着しているのか、励磁電流が流れ続ける現象まで確認!(←本来なら、励磁電流が流れても、ポンプ自体のピストンが回路を切断するので一瞬しか電流が流れないはず。)
・直流安定化電源の供給限界 3Aで張り付き・・・・ |
ははぁ~
ポンプ内部の接点固着に間違いない!
エンジン始動後、1~2分で発症していたのは、キャブ内に残っているガソリンを使い尽くしちゃったので、突然パワーが出なくなると言うわけか~
固着した接点に、テンションが掛かり続け、固着が解除されるのが1~2分後。
キャブのフロートや、キャブまでの経路の詰まりという可能性がゼロであることを確認していませんが、状況から白であると思われます。
フューエルポンプ、ギルティ!
何度かテストを繰り返しますが、もう、症状は常に発症するぐらいに悪化し、固着が解除されなくなってきたわ・・・・(←先週のツーリングの最中でなくて、ホント良かった。)
端子固着を解除させるため、安定化電源からパルス状に電源供給すると固着が解除されたのか、カチカチカチっと、動作開始・・・・、不安定すぎる!
この間のホーン故障の時もそうですが、この物理接点を使用した方式じゃぁ、やがて寿命が来るわけだ・・・・
https://…/2015/08/29/ 鳴らなくなったホーンの故障診断
さて、今日は整備のための下見のはずが、故障原因の特定まで出来てしまいました。
でも、ここから先も問題で、交換部品が手に入るのか・・・・という大きな壁が!
そうそう、皆様から、非常にたくさんのコメントで助言いただきました。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。 m(_ _)m