鳴らなくなったホーンの故障診断

なんか、8月なのに長袖着るぐらいの涼しい気温なのね。まるで(ちょっと昔の)北海道の夏みたい~♪・・・・
と、無理やり北海道に関連付けて、北海道ツーリングに行けない私の心を慰めています。


さて、今日は小雨ときどき霧雨といった、ずーっとモヤモヤした天気。せっかくバイクに乗りたかったのに、さすがにコレじゃぁ乗る気がしません。
仕方がない、先日発覚して、皆さんに『直すべし』と背中を押された鳴らないホーンの故障診断をしてみたいと思います。

https://…/2015/08/24/ ホーンん?・・・・

ホーンは、オイルクーラーのすぐ後ろ、ラジエターの前という、狭い場所に付いています

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・フロントフォークの間に設置された、VFR750F(RC36)純正ホーン

まずは、取り外し。
たいして重い部品でもないのですが、わりかし太いボルトでがっちり固定されていて、このボルトを外すのに結構苦労したんです、前回。(ホーン自体が振動するから、太めのボルトなのかしら?)

https://…/2015/04/18/ NECKER V1 Plus ドラレコ固定用ステー 第二作戦

対策として、スレッドコンパウンドを塗って締めておきました。


今回は、そのおかげですんなりとボルトが緩みました。

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・まずは、ホーンを外します

ここから、さらに配線を外し、どこに問題があるのか絞り込んでいきます。
そうそう、配線外す前によく覚えておこう。奥が緑色の線=グランド側ね。


配線を取り外し、自由になったホーン。故障云々の前に、端子が真っ黒!

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・25年がんばったホーン。端子が真っ黒! こりゃ~接触不良か?

錆とかじゃなくって、べっとりとオイルというか油が固まったような感じ。グリスアップでもしてあったのかしら?
それでもこの長い年月では、この有様。グリスアップは正解なのだろうか・・・・(←もっとメンテナンスしろって事ですよ、自分。)


まずは、バイク側回路の診断
一番イージーな、グランド側端子が、本当にフレームに導通しているか、テスターの抵抗レンジで確認・・・・

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・テスターを使って、配線側の故障診断

・・・・あれっ!? 導通していない・・・・
と思ったら、どうやらオス端子も例のグリスで真っ黒なのか、何度かテスターのリードでグリグリしていたら、端子が磨かれたのか、導通あり!に回復。


う~む、こりゃ~配線は健全でコネクタの接触不良説か?


続いて、プラス側配線の診断。テスターの電圧レンジを使って、端子にバッテリー電圧がかかるかチェック。
ホーンスイッチを押したらバッテリー電圧が計測され、離したら開放状態となり、正常動作を確認


念のため、ホーン単体の故障診断も。その前に、真っ黒な端子は磨かないと導通しません(笑)
なんかベットリとこびりついた汚れ。これが25年の重みなのか?

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・紙やすりで端子を磨きます

紙ヤスリで磨きますが、そう簡単に落ちず、根気よく30分


ようやく端子っぽい色が出てきました。どうせ薄い金メッキだろうから、あまり磨きすぎると逆効果。

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・なんとかここまで磨いて・・・・金属っぽい感じが復活!

綺麗になったホーンには、直流安定化電源から直接電力供給して、単体動作試験。


室内での試験のため、ほんの一瞬だけ電力供給にしておかないとウルサそうね。

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・直流安定化電源を使用した、ホーン単体動作試験

しかし、予想に反して電力を供給しても『ポコン』という音のみで、反応無し・・・・


あれっ!? ひょっとして電流が足りないの?
この安定化電源は、最大3Aまでしか流せないのよね・・・・


もう一度、今度は長い時間、給電

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・定電圧モードで14Vを掛けているのですが、電流が流れすぎて定電流モードに切り替わり

ちょうど、電源装置の電流供給つまみが最大の3Aになっておらず、2.7Aで頭打ちになり、定電圧モードから、定電流モードに移行。
2.7Aを維持するために必要な電圧、3.1Vまで電圧低下してしまいました。


あれ~???? 私そう言えば、このホーンの消費電力を知らないのだけれども・・・・先ほどの結果から、このホーンの内部抵抗Rは・・・・


R = V / I = 3.1 V / 2.7 A ≠ 1.1 Ω


ずいぶんと小さすぎる内部抵抗値じゃなくって????
このまま14Vをかけると、回路電流は10Aを越えることとなり、これはホーンが壊れていると推定されるのですが・・・・。
(バイクのホーン回路は、ウインカーやストップランプと共用で、ヒューズは10A。)


気になって、平型ホーンの構造を調べたら、大変シンプルに端子電圧がそのままコイルにつながり、振動板を磁力により引き寄せる・・・・そして振動板が引かれるとスイッチが切断されるだけ。
これが連続することで400Hzとかの振動音が発生するのね!

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・平型ホーン鳴動の仕組み [ミツバサンコーワさんのWebページから引用]

な~るほど、このホーンは電圧をかけると『ポコン』とワンショットだけは音がするので、振動板は正常に磁力で引き寄せられたにもかかわらず、電極が溶着していて回路がカットされず、ずーっと電流が流れ続けているんだな。
溶着していなければ、ほんの一瞬10Aを超える電流が流れても、すぐに切断されるので平均電流は低い値をマークするという仕掛けか。


ちなみに、一般的なリレーの接点寿命10万回を参考に、このホーン内接点も10万回が寿命と仮定して、(一般的な)400Hzで鳴動すると仮定すると、1秒間に400回開閉。すると・・・・


寿命時間 T= 100,000 [回] / 400 [回/秒] = 250 [秒]


わずか250秒で接点がダメになる計算です・・・・って、ホーンを250秒も鳴らすのか? イヤイヤ、25年間だから、年間10秒。コレぐらいなら鳴らしているかも(笑)


まぁ、そんなに高い部品ではないから、新しいのを適当に見繕うか・・・・
市販品を調べたところ、渦巻き型でダブルホーンタイプが迫力ある音らしいですが、電流2倍を考えるとダブルは難しいのかも。


シングルで渦巻き型タイプか、今までのと同じ平型タイプなのか・・・・
ちなみに電線も結構短いので、端子の場所によっては、電線の延長作業も必要だなぁ
いろいろ面倒っぽい。


雨が止んだら、バイク用品店に出かけて実物を見てみたいぞ!

https://…/2015/09/06/ 愛車のバイクVFR750F(RC36)の鳴らないホーン交換・お買い物編