今日は、午前中に埼玉県に出張、そして午後は都内に出張の予定でしたが、こんな日に限って台風18号が本州上陸・・・・。
でも、どうしても予定を変えることが出来ないので、予定通り決行です。
万が一にも遅刻するようなことがあっては大変だ・・・・ということで、普段の出発時刻（この時間も相当な余裕を見込んでいる）よりも、さらに余裕を見て1時間前に自宅を出発しました。
（この後は超長文です。JR武蔵野線の電車が途中で立ち往生してしまったお話です。興味のある人だけどうぞ。）
路線バス→京王電鉄→JR南武線→JR武蔵野線で移動
路線バスはちょうどピッタリに来るし、京王電鉄京王線もピタッと来て、分倍河原駅からJR南武線に乗りかえ・・・・も、遅れていたのですが私が駅に着いた時にちょうど電車が来て、普段よりもスムーズな感じで、JR武蔵野線の始発駅『府中本町駅』に到着。
ココから1時間の長旅なので、いつも座る場所も同じ！というぐらい決まっているマイポジションに座って熟睡通勤をするのですが・・・・
ホームは人で溢れそう！
しかも出発時刻電光掲示には『7時13分 東京行き』『7時39分 西船橋行き』と、運転本数を少なくしているのか1本逃すと30分待ち！ 仕方なく座って熟睡は諦めて、大混雑に身を預けることにしたのですが、普段の通勤でも『混雑が嫌い』で一番端に乗るクセがついているので、今日も一番端の運転席の真後ろにしました。
既に始発から出発時刻が遅れて『7時18分』。そんなこんなで始発駅から既に大混雑。そして1駅ごとに大量のお客さんが待ち構えていて、駅ごとに押し競饅頭～！
あ～2方を壁に囲まれているこの空間でよかった～♪
走っているうちにだんだんと風が強くなってきて、そして指令室から無線を通じて徐行運転の指示が飛び交い、運転士も無線通告を受けるのが大変そう・・・・。腕でレバーを押さえながら必至にメモして・・・・。
そして東所沢駅。ここで運転士が交代したのですが、どうやら上司と思われる運転士も便乗し、台風で風が強まる中を恐る恐る出発です。
上司 『無理しなくていいからな。怖いと思ったら速度を落として行け！』
と部下を気遣う指示を出しつつ、前方の安全を確認しながら進んでいきます。
『ゴ～ッ！！』と轟音と共に電車が揺れるような挙動を示す場面もあります。
北朝霞駅を出発するときからは、徐行運転となり、トロトロ15km/hぐらいで進む運転となりました。
荒川鉄橋
やがて、指令室から無線で・・・・
指令室 『貨物列車はその場で抑止（停車）！』
と指示が飛びました。
あらら、ちょうど対向からやってきた電気機関車は駅でもなんでもないところに止っています。その横を15km/hで通過し、ただっ広くて明らかに風通しが良さそうな『荒川鉄橋』が見えてきました。
あと50mぐらいで荒川だ！というところで、指令室から無線で呼出がかかります。
指令室 『713E運転士、応答どうぞ～』 運転士 『こちら713E運転士です。どうぞ～』 指令室 『荒川鉄橋に既にかかっていますか（？）』 運転士 『いいえ、まだです。』 指令室 『それでは、鉄橋の手前で停車！ 強風による抑止となります。』
ええっ～、あとちょっとだったのに・・・・。という感覚は運転士＆上司ペアも一緒だったらしく『なんだよ～、よりによってココでかよ～』と。
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| ・荒川鉄橋の手前で停車 |
10分位しても風は強くなるばかりで、ずーっと鉄橋の手前で止ったままです。
しかしこの上司、かなりキレる人で、いろいろ先手を打って行動してくれます。当然『これは待ってもムダだ、余計に酷くなるばかりだ。乗客にツラい思いをさせるだけだ。』と考えて次々に行動します。
運転士 『指令さん、このままココでいつまで止まるんですか（？）』 指令室 『風が収まるまでです。』
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| ・運転台から乗り出して周囲の状況を確認する上司 | ・指令室と交渉する2人。モニタ装置で乗車率調べてました |
このどうしようもないやり取りをズーッと聞いていてしびれを切らしたのか、『ちょっと無線変われ！』と受話器を奪い・・・・
上司 『指令さん、現場の状況では風が強くなる一方で、弱くなるとは考えられません。』 上司 『そんなのんきなこと言っていると、お客様の中にトイレに困る人とか、具合が悪くなって救急車の要請が必要になる人とか出てしまうんですよ！』 上司 『この電車の乗車率は（モニター画面を調べながら）300%なんですよ。みなさん相当ツラいんです！』 上司 『15km/hとは言わない。でも5km/hとかの超低速でも良いので、前進させるように再考してもらえませんか・・・・』
と、何度も何度も指令室と交渉しています。指令室は、一旦検討するというので、会話が終わりました。
車掌さんは、そんなやり取りを聞いているのか・・・・
車内放送(車掌) 『ただ今、指令室と前進できるように交渉している最中です。もうしばらくお待ちください』
となるべく情報の提供に努めていることが伺えます。
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| ・乗車率300%の車内 コイツはキツいぜ！ |
しかし、だいぶ待っても指令室から回答は無く、再びコチラから問合せをします。
上司 『指令さん、先ほどの検討の件、どうなりましたか（？）』 指令室 『そちらの天気の状況はどのような感じですか（？）』 上司 『雨は止み時々晴れ間が覗くほどです。風は強いですが・・・・』
おいおいおい～指令室！本当に検討なんてしているのか（？）（？）（？） コッチから聞くとようやく状況を聞いてくるなんて・・・・。
さらにしばらく待っても、指令室から回答は無く、再びコチラから問合せをします。
上司 『指令さん、先ほどの検討の件、もうだいぶ待っているのですがどうなりましたか（？）』 指令室 『風が弱まりません。前進はできません。そのまま抑止です。』
ぐわ～っっ。ところがこの上司、さらに頑張ります。
上司 『では、バックさせてもらえませんか。本務運転士はこのまま運転台に残りますが、便乗の私は一旦線路に降りて最後部に回ります。』 上司 『そうすればバックが可能です。客室は混雑で通ることが出来ないので、線路に下りる許可をいただけないか（？）』
再び指令室では検討に入りました。
その間・・・・
車内放送(車掌) 『ただ今、橋の上は大変危険な状況で前進できないため、バックして北朝霞駅に戻ることを検討しています。』
ナイスフォローです。
しかししばらくすると・・・・
指令室 『線路に下りることは危険なため、認められません。』 上司 『なんでだ。本線上ではなく、端側には保線用の通路があり、コッチならば（他の電車の）抑止は要らないだろう！』 上司 『とにかくここに長時間止めておくのはダメだ。なんとか動かす方法を考えないと！ せっかく自由に動ける私がいるのだから！』
現場のわからない指令室と、権限が何も無い現場。これではうまく行くわけがありません・・・・。
さすがに停車が長時間に渡っているので、このやり取りをしている最中に、客室車内のSOSボタンが押されたらしく・・・・
運転台 『プー♪』『プー♪』『プー♪』（警報音） 上司 『今、車内警報ブザーが鳴りました。長く止めているとダメなんですよ！！』 上司 『車内を伝って現場に行くことが出来ないので、線路に下りて現場を確認しに行きますよ！』 上司 『いいですねっ！！！』
ねじ伏せるように指令室に事実を伝え、便乗運転士（上司）は線路に降りてSOSを求めている人の元に駆けつけていきます。
動画はこちら |
| ・車内警報ブザーが鳴り、上司が飛び出していった後 |
やがて警報音が鳴り止んだところをみると、上司はSOSを解決し警報を復帰させたのでしょう。しかし・・・・
運転士 『アッ、ドアが開いた！』
と振り向くと、お客さんが勝手に線路に下りようとしたらしく・・・・防護無線(危険を知らせる電波を発射、コレを受信した近くの電車はその場で停車する)を発報！
動画はこちら |
| ・防護無線発報！ |
お客さんのイライラも相当なものです。
そしてようやく、救済方法が決定したらしく、指令室から無線が・・・・
指令室 『今から、北朝霞駅から駅員数名が応援に向かいます。応援者到着後に旅客を降車させ徒歩にて北朝霞駅に誘導します。』
だそうです。
しかし、すぐに来るのではなく、距離3km程を歩いてくるので時間が掛かるとのこと・・・・。
現場を知らない指令室や駅員に対し、現場を知っている保線要員は、自動車で鉄橋の下まで迅速にやってきて、保線用通路からアプローチしてきました。
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| ・駆けつけたのが早かったのは保線要員(JR社員ではない！) |
そして、橋の脇に保線要員用の階段が存在すること。そして同要員向けのトイレがひとつだけあること。階段はチェーンで塞がれているが、破壊工具を持ち合わせていること。
上司、運転士、保線要員は風がうるさい中にもかかわらず大声出して打ち合わせをしているので、私にもその内容がわかりました。
そして、またうざったい指令室に了解を求めます。
上司 『指令さん、カクカクジカジカで保線要員向けの通路があります。全員は無理だが、せめてトイレに行きたい人ぐらいここから外に誘導させてもらえないか（？）』 上司 『運転士、そして保線要員の誘導で安全は確保できます！』
この人、本当に素晴らしい。乗客を降ろすのは指令から命を受けた駅職員の権限であって、運転士は何も出来ないらしい・・・・。
なんとか指令室の了解を取り付けると、今度は自分から車内放送のマイクを使って乗客に案内をしました。
車内放送(上司) 『駅員が到着して降車が始まるのにはまだ時間がかかりそうです。そこで橋の脇にある細い保線用通路ですが、下に降りるルートを確保し、狭く小さいのですが保線要員が使用するトイレも確保いたしました。』 車内放送(上司) 『トイレに行きたい方は、大変お手数ですが1号車先頭の乗務員室までお越し願えますか。そして周囲の皆様、この混雑で大変申し訳ないのですが、人1人分の通路をなんとか作っていただけませんか。』 車内放送(上司) 『男性の方は申し訳ないですが、荒川の川原で。そしてトイレは女性に使わせてあげてください。お願いします！』 車内放送(上司) 『もうひとつ、外に出た際は必ず車内に戻ることを約束してください。どこかに行ってしまう事の無いようにお願いいたします！』
と。周りの乗客は放送を聞いて笑ったりしていましたが、ただ一人顛末がわかっている私は感動して泣きそうでした・・・・。
やがて乗務員室の扉が開放され、数人が外に降りていきました。ついでに通路を作るため、その扉の前にいた私は乗務員室の中に・・・・
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| ・乗務員室の扉が開き・・・・ | ・こんな角度から写真撮っちゃいました（合法的ですよ！） |
すると、やっぱり自分勝手な人がいて、外に降りたはいいが『そのまま車で迎えに来てもらうので電車に戻りたくない』という人がいると保線要員から報告が・・・・。
あれほど降りる前に『必ず戻ってね』と言っていたのに・・・・
その上司は保線要員に対し・・・・
上司 『ごめんな～、情けない話だが、私には何の権限もないんだ・・・・。ちょっと指令に確認するから少しだけ時間をもらえないか・・・・』
と。そして無線で指令室に了解を得て、特例を認めていました。
そして、電車が止まってから1時間30分。ようやく北朝霞駅の駅員が到着し、乗客の降車が始まりました。
てっきり最後部にハシゴをかけて降り、線路の上を歩くのかと思っていたら、先ほどの通路から道路に誘導したほうが安全と判断し、最前部から降車が始まりました。
上司は・・・・
車内放送(上司) 『今回はこのような事態となり本当に申し訳ありません。お客様の命を預かっているので、危険を承知で鉄橋を渡り万が一のことがあっては、お客様に合わせる顔がございません。対応が遅くなってしまったことは十分に反省いたします。申し訳ありません。』
平謝りの車内放送をしていました。（どう見てもこの上司は現場で出来る限りのことを迅速にしていたが・・・・頭を下げるのは最前線の人間か・・・。それにしてもこの人は立派です。）
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| ・ハシゴを使って電車を降りる | ・さらに保線用通路を使って線路から脱出！ |
細いハシゴで一人ずつ・・・・1人に30秒ぐらいかかるので、全員降りるのには膨大な時間が必要ですが、ラッキーなことにすぐ降りることが出来ました。
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| ・保線要員用通路で高架から降りる | ・後続も続きます |
ここまでずーっと立ちっぱなしだったので、疲れた～！
歩いて駅に戻ります
でも、降りてからも大変・・・・。
下界に降り立った頃は制服着たJR社員も大勢集まっていましたが、ボーっと立っているだけ・・・・（←階段の脇に立って一人一人に声を掛けるとか・・・することいくらでもあるのに！）。要領よく動いているのは保線要員・・・・。先頭に立って北朝霞駅まで誘導したり、交差点など要所要所で誘導するのも全て保線要員。
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| ・普段現場に立たない人は何も出来ない・・・ | ・北朝霞駅まで歩きます |
ここから健康な人（？）は、北朝霞駅まで歩いて戻ることになります。
台風の目なのか、風は強いが雨が降っていないことが幸い・・・・。とにかく歩きます！
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| ・晴れているけど、周辺は分厚い雲 |
歩く！ 歩く！！ 歩く！！！
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| ・線路脇を歩き・・・ | ・川を渡るので迂回し・・ | ・橋を渡り・・・・ | ・もういやだ～ |
結局、徒歩3,875m！ 疲れた～～～～～！ JR北朝霞駅には動かない電車が止まっていました・・・・。
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| ・JR北朝霞駅 |
とりあえずJRの改札口に寄ってスイカの取り消し処理をしてもらいました・・・・・。
コレで終わったわけではない！
おっと！
私の今日の目的は、別に電車の日記を書くわけに出かけたのではなくて、出張だった・・・・・。
もう午前中も仕事は諦めて、午後の目的地を目指すことにスイッチしました。幸いに歩いて着いた先は『北朝霞駅』。東武東上線との乗換駅なので、コレで都心方面に向かうことが出来ます。ふぅ～・・・
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| ・東武東上線 遅延！！（？）（？） | ・いや、運転見合わせかよ！ |
ぶぶぶ～っ！！ 運転見合わせかよ。
どうすんのコレ。今日一日なんにも仕事が出来ない可能性が・・・・と、あせっても仕方ないし～。とりあえず座りたいからメシにしよう・・・・。
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| ・マクドナルド！ |
ふう～、やっと座れた・・・・。周りは足止めされた高校生に占拠されていて、ようやく見つけた一つのイスで深いため息・・・・。
御飯食べていたら、どうやら東武線が復旧したみたいなので、目指せ池袋！
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| ・東武東上線 各駅停車しか動いていないので時間はかかるけど・・・・ |
そして、池袋からは地上を走るJRは怪しいので、値段は余計にかかるけど確実な営団地下鉄丸の内線でさらに移動。
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| ・地下鉄 丸の内線 |
さすが地下鉄。こういうときでも確実に動いているので心強い・・・・と思ったら、茗荷谷とか地上を走るのね。知らなかった～。
そして、御茶ノ水駅。目的地『浅草橋』まであと2駅！
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| ・JR御茶ノ水駅 | ・うっ！ |
黄色い電車、JR総武線が止まっている～！！
最悪だ！。携帯乗り換えサイトで浅草橋へのルートを検索しても、『総武線に乗れ』しか出てこないし、JRの駅なので地下鉄路線図なんて掲示していないし・・・・。
こういうときのために、自社の路線図だけでなく、公共ネットワークとしての鉄道網の路線図は掲示しておくべきだろう。
最後の手段！
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| ・タクシー |
タクシーで2駅移動して、ギリギリ約束の時間に間に合いました・・・・。
今日はものすご～く疲れました！
