アウターマーカー

日常生活のなかで『アウターマーカー』という言葉を使うことはまずありません。
私もこの言葉は会社に入ってから知りました。しかも思いきり利害関係があったりします…


なぜか会社の同期に『航空工学科』出身の人がいて、詳しく教えて貰いました。(大学で、教官を横に乗せてという条件付きながらセスナ機を操縦していた人なのに何故ウチの会社に(?))
計器誘導方式の飛行機は、"飛行場"や"航空機に対する灯台から放射される電波"に向かって飛ぶことで、たとえ視界が利かなくても航空路を逸脱せずに所定のルートで飛ぶことができます。
滑走路に向かって着陸するときは、より精密に誘導する必要があるため、ILS(無線着陸援助装置)と呼ぶ装置の集合体から数々の電波が出ているそうです。(ただし、軍用機でも同じ物をつかっいるのかは不明らしいですが…)
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  • ローカライザー』滑走路の端に設置されているアンテナから放射され、滑走路の中心からのズレを検知できるようにします。
  • グライドスロープ』滑走路の端に設置されているアンテナから放射され、着陸降下角度からのズレを検知できるようにします。
  • インナーマーカー』滑走路の延長線上(300m)に設置されているアンテナから真上に電波を放射し、滑走路までの距離を示します。航空機がこの地点を通過するとコックピットにブザーが鳴ってパイロットに知らせます。
  • ミドルマーカー』滑走路の延長線上(1km)に設置されているアンテナから真上に電波を放射し、滑走路までの距離を示します。航空機がこの地点を通過するとコックピットにブザーが鳴ってパイロットに知らせます。着陸するかの最終判断地点で、このマーカー通過までに滑走路の灯火を視認できなければ着陸やりなおしになる。
  • アウターマーカー』滑走路の延長線上(7km~11km)に設置されているアンテナから真上に電波を放射し、滑走路までの距離を示します。航空機がこの地点を通過するとコックピットにブザーが鳴ってパイロットに知らせます。ILS装置での誘導可能な限界点を示します。
  • コンパスロケーター』一般にアウターマーカーに併設され、航空機をアウターマーカーまで誘導するための電波を放射しています。


さて、東京八王子の自宅は、米軍横田基地の滑走路の延長線上に位置しています。そして、自宅周辺の地図には『米軍ビーコン』と記載された施設があります。
そして、空を眺めると飛行機が旋回しながら横田基地を目指していく様子が見られたり、消防や新聞社のヘリコプターが自宅のすぐ近くを通過していくんです。


アウターマーカーという仕組みと、自宅周辺の空で見られる状況がピタリと一致しました。
地図にある米軍ビーコンは、横田基地から直線距離10km。たぶんアウターマーカーでしょう。すると飛行機はココを目指して飛んできて着陸していく態勢に入るので、逆を返せば横田基地に着陸する飛行機は必ず自宅の上を通ることになります。
また、アウターマーカーより内側を飛行するためには米軍の許可が必要なのかな(?) ヘリもアウターマーカーのギリギリ外側を通過していくので、やっぱり自宅の上を通過していくんです…
離陸する飛行機も、自宅周辺から旋回を始めていきます。


まぁ、まだ飛行機の高度が高いので輸送機とかならばそんなに騒音は気にならないのですが、戦闘機は爆音で最悪です。
うーむ…、まさか飛行機が自宅を目指して飛んでくるとは…

地図上の施設がアウターマーカーでは(?)というのは、私の完全な推論です。ココに書いていることが正確である保証は無いですよ。