坂道でバイクを駐車する時、ギアをローに入れたままにします。
エンジンの空気圧縮に必要な力が抑止力として働くので、バイクが動かなくなります。(大昔にコレを忘れて駐車していたら自重で動き出して倒してしまいました…)
ギアが入ったこの状態のままエンジン始動するためにセルモーターを回すとモーターが焼き付いてしまうため保護回路が付いています。(乗用車のようにセルモーターを使ってバイクを動かす事はできないのです。)
具体的には、次の通りです。
- ギアがニュートラルの場合はセルモーターを回せる
- ギアがニュートラル以外の時は、クラッチをめい一杯切っている場合だけセルモーターを回せる
その為に、ニュートラル状態を検知する『ニュートラルスイッチ』と、クラッチをめい一杯切っていることを検知する『クラッチスイッチ』が装備されているのです。
ところが最近は、クラッチスイッチの調子が悪く、クラッチを切っていることを検知してくれません。別に困る事もなくそのままにしていました。
せいぜい、坂道に駐車していた所からの始動前に『一旦クラッチを握りニュートラルに切り替える』手間がかかるぐらいですから、どうでも良いのです。
しか~し、認識の甘さを痛感する事態に陥りました。新宿駅前の信号から先頭スタートするときにエンスト!
普段ならクラッチを握りセルモーター始動スイッチを押すだけで、すぐにエンジンに火が入って復活するのですが、今の私は違いました。
- 信号青でさぁダッシュ!と思ったらエンスト。
- まず始めに『恥ずかし~い。周りからの視線を感じます。』
- 体が覚えている、クラッチを切ってセルモーター始動スイッチを押す…をしますが何も起こりません。人間はこんな時はパニックになり同じ動作を繰り返すという行動に出てしまいます。
- 私も2回目に始動ボタンを押したときに『クラッチスイッチが壊れている』事を思い出しました!
- 残念ながらライダーは停止時には左足着地しています。(停止直前の低速時のブレーキ操作は右足操作のリアブレーキが基本です!停止時に右足から着地するのはルーキーさんですよ。)右手操作のフロントブレーキを掛け、右足着地し左足を使えるようにします。
- 自由になった左足で、ギアをニュートラルにして、セルモーター始動!
- 恥ずかしいからフル加速でその場を離れます…
この間なんともいえない5秒間。昨日久々に味わいました。