私は電子工作も趣味でして、小規模ながらいろんな回路を作ってきました。
Z80CPUとか68000CPUを使ったワンボードマイコンを作る際の規模では自分でプリント基板を設計・製作してから部品を実装していました。
https://…/2011/10/29/ 電子少年 た~さまの自叙伝・第10回 ~ついに16ビットマイクロプロセッサ!~
https://…/2010/12/27/ 電子少年 た~さまの自叙伝・第5回 ~ついに動いた!自分設計のワンボードマイコン~
専用のプリント基板があるとサイズを小さく出来るし格好も良い感じに仕上がりますし、LSIを使う回路規模だと必須。
個人でも大きめのIC(2.54mm間隔)を使うような回路になると手書きでの回路形成では精度が出ず、そして私がトライしていた頃は今のようにPCも発達していなかったので、レタリングシートを使って透明フィルムに転写して原版を作り、それに紫外線を当ててプリント基板の感光剤に転写→現像→エッチングした後に、小径ドリルを使って穴を開けてようやく完成という『ものすごい手間のかかる代物』。
・【使い回し写真】レタリングを貼り付けて作成したアートワークフィルム |
そして今回、バイクに搭載している(八重洲無線製FTM-10Sを主体とした)アマチュア無線設備が経年劣化してマイクラインにノイズが乗るようになってきたので回路やらケーブルやらを全て作り直す事にしました。
https://…/2024/02/12/ バイク搭載アマチュア無線・新たな車体後部用接続BOXを設計してみた件
https://…/2024/02/29/ バイク搭載アマチュア無線・車体後部BOX用基板パターンを考えた件
回路設計とプリント基板(ユニバーサル基板を使用。)の設計は済ませたのであとは製作のみという段階。
だが耐ノイズという意味ではベタグランドにしたい・・・・それはつまりプリント基板も自作しなければならない事になり重い腰はなかなか上がらない。
いや、時代は変わり趣味レベルのプリント基板でも格安で請け負ってくれる業者が出現。
ただ依頼するにはガーバーデータ形式で依頼する必要があり、そのためにはプリント基板CADを自在に操ることが必要。
長い四日市出張生活では、部屋ですることがないほど暇で、昔トライして諦めたプリント基板のCADの勉強をしてみることに。
プリント基板CAD自体は大昔にCQ出版社が出版する書籍の付録にソフトが付いている太っ腹なものが存在し、それに飛びついたものの取っ付きにくさもありやる気消滅・・・・
何十年ぶりの再トライと言ったところ。
無料で使えるプリント基板CADが存在する時代となり、ざっと選択肢を調べたらKiCAD(オープンソース)とEAGLE(Autodesk社)かな?
仕事でちょろっとだけAutoCADを遣った事があるので、なんとなくターゲットはEAGLEとしてお勉強開始。
フリー版EAGLEは製作可能な回路の規模に制限があるものの、趣味の世界での活用には全く問題なしでフル機能が使えるというのも魅力的。(ただ2026年5月には別の製品に統合され販売とサポートが終了する予定なので、このフリー版が残るのかは未知数。)
・EAGLE 回路図エディタ/プリント基板エディタ |
ブリント基板をデザインするためにはまずは回路図を入力しないとダメ。
まずは回路図エディタの使い方をお勉強。いろいろな部品ライブラリを画面上に置いてそれらを繫げていく・・・・
普段使っているドローイングツールで作成した回路図がこちら。
・【使い回し写真】後部接続BOXの回路設計 |
これを難儀しながらもEAGLEに入力していく。
数10年以上前とは違いは、操作に迷ったらグーグル先生に聞けば全部教えてくれる点。
これならば挫けずに進められそうだ・・・・
毎日コツコツと入力したのがコチラ(↓)。
・EAGLE回路図エディタに入力 |
取りあえず入力したという感じ。オペアンプICのライブラリが見つけられなかったので、汎用のICライブラリに線を繋げることで強引に入力したのであくまで本命はプリント基板CADのためと言うことで割り切ろう(笑)
自作アッテネータモジュールとの接続やらモレックス5051/5045コネクタはライブラリも無かったのでそこから自作したので結構時間がかかりました。
ここからがようやくプリント基板(PCB)CADの登場。
プリント基板の外形を決め、配線の層数を決めれぼ、あとは回路図上に入力した部品が無造作に置かれているので、これを画面上のプリント基板に配置。
そして『オートルート』機能発動!
この規模であれば一瞬で配線デザインが終了するのですが、その結果を見て唖然!
こりゃ~自動任せの適当ではダメだ(笑)
熟考して部品配置しないと配線がビアだらけでとんでもない事になる!
結局は自分で脳内ルーティングした配線図を元に部品配置するほうが良い結果になりそうだと学習。(規模が小さいから出来る訳で、商用回路では無理だろうな。)
・【使い回し画像】脳内ルーティングしたユニバーサル基板パターン |
脳内デザインと同じように部品を配置して、再度オートルート!
作業途中の画像を保存していなかったものですから、場面はいきなり完成形。
・EAGLEオートルータの結果を手修正した結果 |
配線が納得できたらベタグランドの指示をするだけで勝手に塗りつぶしてくれる・・・・
すげぇ~(笑)
格好良いプリント基板が回路図との相違がないというチェックも込みでアッという間に出来上がりました。
ただ、実際の画面上の表現と実物とのリンクを体得できていないため、コレが実物になると(とくにコネクタ周りのクリアランスとか)どんな感じになるのかは未知数。
実際にバイクに搭載するに当たりフロント側にももう一枚必要なのですが、とりあえずはこれを製作業者に注文してみることにします。
面白い~♪