今日も暇だ・・・・
しかも雨の予報だったのでホテルヒッキーするつもりがまさかのピーカン。
昨日盛大に出かけてきたし、週明けからの仕事もあるのでゆったりしたいが、部屋清掃のため外出も必要。
https://…/2020/07/18/ 関西出張6日目:天空の城・竹田城址を見に行こう
こちらに来てからちょっと気になるニュースがあるのよね。
・神戸電鉄 会社の存続危機!? |
コロナ禍により相当に神戸電鉄がヤバいらしい。
特に枝線の一つ『粟生線』は、もともと赤字で沿線自治体からの支援を受けている状況なので、追い打ちをかけられた構図。
よし、応援を兼ねて、かつ涼しい車内で過ごすことで時間も潰せて一石二鳥。神戸電鉄に乗ろう!
(本当は、昨日の竹田城見学の帰りに粟生線ルートで戻ってこようと思っていたのですが、竹田駅での1時間半待ちで挫折したのよね。)
・【使いまわし画像】神戸電鉄路線図 (註:山の街駅の場所が全然違います!) |
そういえば以前に神戸電鉄に乗ったとき、途中の『"山の街"とかに降りてみたい~』って言っていた気がしてきた(笑)
https://…/2013/04/07/ 迫力の通勤電車 アップダウン神戸電鉄
https://…/2018/01/07/ 嵐の前の静けさ? 出張中の現地休日は神戸観光?
調べてみると日曜日だけ月内4回有効な乗り放題きっぷの設定があるじゃん!毎月発売だから今月はあと2回しか使えないけれど、単純に神戸まで往復するだけで¥1,500円かかるのに、なんと¥1,900円という太っ腹価格。
・神戸電鉄 日曜限定おでかけ4Dayチケット |
今日と来週の日曜はこのきっぷを使い尽くそう。
出発は毎度毎度の三田(さんだ)駅。
・神戸電鉄 三田駅 |
案内看板にはローマ字読みが併記してあり"KOBE DENTETSU"と記されていますが、地元での短縮読み名は『神鉄』(しんてつ)であり、駅名にも例えば『神鉄六甲』のように冠してあるくらいなので、案内上で重要なキーワードは『神戸電鉄』読みではなく、『神鉄』読みだと思うのは気のせい???
先頭にはぬいぐるみのマスコット『しんちゃん』が鎮座した、新開地行き電車。
・各駅停車 新開地行き |
何が雨だよ、日差しがスゴいぜ! だが電車は涼しくて良いや。空いているしね。
そんな電車でのんびり1時間弱で途中下車。憧れの『山の街』駅。
・神戸電鉄 山の街駅 |
神戸市内というとハイカラなイメージが有り、そこにこんな名前でしかもレトロな佇まいの駅が以前から気になっていたのです。ようやく降り立つことができたわ~
素晴らしき木造の駅舎。
上り線ホームと下り線ホームは、構内踏切で連絡する昔のスタイル。
・構内踏切がある駅 |
そして良い感じに人がいないのが素晴らしい。
駅の周りを探索しましたが・・・・『街』というよりは静かな山間の住宅街。商店のたぐいは全部シャッターが閉まっている感じ。
・駅の周辺は・・・・すぐに住宅街 |
コンビニやチェーン店が無いというのが、このなんとも言えない雰囲気を壊さない大事なポイントなのかも。
上の写真の場所から振り向けば・・・・50パーミルの急勾配。
・50パーミルの勾配標と、先が見えない坂 |
このクラスの坂になるとゴムタイヤの自転車でも辛く感じ始めるんじゃないのか?
昔は東京・八王子を走る京王電鉄でもよく見かけていたと思う、木造の壁と一体化した木製ベンチ。
・木製壁ビルトイン型ベンチ |
まだまだ現役なのが素晴らしい。あぁノスタルジー。
なんか山の街は、街の形成が古かったので栄えたのもはるか昔。今は単純に廃れてしまった・・・・という感じかな。
再びやってきた新開地行き電車に乗り移動。山の街駅は、巨大な街『鈴蘭台』のハズレ。この鈴蘭台は昔は関西の避暑地として、関東で言う軽井沢的な存在だったと聞いて驚き。
神戸に近いからその後はベッドタウンとして発達したのね。
その鈴蘭台をすぎると再び山の中。車窓には大きなダムが現れ、トンネルのが主役の線形。もちろん急勾配。
・神戸電鉄の車窓から・・・・石井ダム |
おいぉぃ、こんな間近にダムですか。まるで大井川鉄道のようだな・・・・。
完成は2008年とつい最近ですが、着工は1972年とかなり昔。神戸電鉄も本来はこの谷に沿って鈴蘭台に向かっていたのですが、ダムを作るのでトンネルに付け替えたりそっちに時間がかかったのかしら?
そして石井ダムのことを調べたら、目的は暴れ湊川の治水のため。以前『湊川』駅で下車して地形がへんてこりんで、昔の湊川の流路だったことをコメントで教えてもらったのですが、流路を変えるためにトンネルが掘られたとか。それは近代遺産だとか調べれば面白そうな話ばかり。
石井ダム自体も駅から3kmで遊歩道が有り旧線跡が見れたりと、なんだかここにフィーチャーしたくなってきたわ。あぁ無知はとても損をしている・・・・
そんなダムと、廃止になった菊水山駅を通過すると・・・・鵯越駅(ひよどりごえ)。
源平合戦の際の"鵯越の逆落とし"で名前が出てきたり(場所は諸説あり。)文部省唱歌に登場したり、名前はメジャーな駅。
・鵯越駅(ひよどりごえ) |
駅前にはマンションらしき建物もあり、さっきの"山の街"よりも神戸に近いので都会なのかな? それにしては人影がないぞ!?
振り返ると・・・・完全なる山の中!
・鵯越駅の後ろ半分(笑) |
どうやら人間のすみかと自然との境界線に駅があるようだ。その山に急勾配でトライしていく神戸電鉄。いたるところに50パーミル急勾配があるのでもはや見慣れてしまった・・・・。
上下ホームの間に構内踏切は無く跨線橋があるから、これで出口に行くのかな??
・封鎖されている |
えっ!?使用停止でした。
ホームの端に、ダイレクトに道路に出られる出入り口が設置されているのね。コレのおかげでわざわざ跨線橋を廃止したのだとすれば、すごい発想のバリアフリー・・・・健常者も楽で良い。
・ホームの橋にはミニ改札口 |
1列だけで入出場をまかなえる程度の利用人数なのかも。でも終点の新開地からわずか数駅なのよね。このギャップがスゴい
駅前通りは・・・・完全に田舎の駅だな。干されている布団がなんともいい味のシャッター街・・・・というか孤立商店。
・鵯越駅 駅前ストリート・・・・ |
先程のマンションはどうやら老人介護施設? なるほど景色を見てまったりとするには抜群の場所だな。
無駄なものは一切ない駅への入口。まぁいわゆる北海道のそれよりは機能的ですが・・・・。
・鵯越駅 入口 |
駅から外に降り立った直後に現れるのが『禁猟区』の看板というのがスゴい。
そして駅前にいたのはどう見ても山に行く格好のハイカー2名。写真右手の白い看板の左側の狭い通路に入っていきました・・・・どうやらここが石井ダムに通じる道。
こんな道しかない山奥に、どうやって巨大な量のコンクリートを運び込んだのか・・・・まさか神戸電鉄の旧線を使って資材輸送!? 建設工事の手法とかも興味が湧いてきた!
今度絶対にここを歩こう!
更に電車に乗り、一番都会側の終着『新開地駅』。ここも一度行ってみたかった場所があるのよ・・・・
・高速そば @ 新開地駅 |
神戸電鉄と山陽電車、阪急電車、阪神電車を相互接続する目的で設立されたトンネル会社『神戸高速鉄道』(←本当に設備は地下区間のみ)。
そこに位置する立ち食いそば店だから『高速そば』であり、調理が速いとかのそっち系のネーミングでは有りません。
傾斜地に店を構えるので、お店全体が斜め。
・店内。床はもちろん斜めなので・・・・ |
床が斜めなのにカウンターは水平なので、店内でカウンターに段差がある・・・・身長と足の長さに合わせで自分がちょうどよいと思う高さで食べられるお店(笑)
ハイカラそば¥290円・・・・天玉そば¥310円・・・・すごく安い♪ 一世代前の価格という感じ。神戸長田が近いので『ボッカケそば』の設定もあるねぇ。
・自動券売機 |
自動券売機導入で時代の先端を行ったつもりが、未だに『500円玉が使えない』という本末転倒な事態に陥っている・・・・やはりここ一帯だけ時代がおかしい。
ちょっとリッチに『天ぷらそば』。
・天ぷらそば @ 高速そば |
陶器の器・・・・世間一般のお店ではプラスチック製に切り替わっているというのに、この器。そして関西風の汁ではなく、醤油色の関東風。麺はしっかりとそば色。
なんか町の食堂で出てくる感じで美味しそう。
これは期待できるなぁ~・・・・と一口。
・・・・あれっ!?
・・・・あれあれっっっ!?!? 全く味がしない(汗)! このご時世にこの感想はヤバいって!
しかし汁をすすっても麺を食べても本当に味がしないんですって! かろうじて天ぷらが少し味がするけれど・・・・
こりゃー残念だけれど再訪はないな。(ちなみに、晩御飯は美味しかったです。)
続いては乗り放題特権を生かして、各駅停車 三木行き。
・廃止になった菊水山駅 解体工事が進んでいるのか? |
すでに利用者が少なすぎて廃止になってしまった菊水山駅。この駅が活きていたら石井ダムまですぐにアクセスできたというのに・・・・残念。
ぽけーっとしていたら、終点の三木駅。この電車はここで折り返しですが、路線自体はまだ先に続いているので、行ってみることにしよう。
え~っと、次の電車は30分後か・・・・じゃぁ喫茶店にでも・・・・
・神戸電鉄 三木駅前・・・・ |
・・・・なんにも無い。いや、建物はあるのだけれども自動車移動が当たり前なのか、駅前は太い道路に自動車多数。車が喜びそうなガソリンスタンドはあるけれど・・・・人が喜びそうな施設はなし。
そもそも駅舎がこの有様。
・神戸電鉄 三木駅 |
駅舎がなく、工事用の鉄板のみ。
なんでも数年前に近隣の住宅から出火した火が燃え移り、丸焼けになってしまったとのこと。でも廃止が囁かれている状況で建て直すわけにも行かず、このまま最小限の回復だけして放置なのかしらね。
ほんと、踏んだり蹴ったりなんだな神戸電鉄。
駅前に掲げられている観光案内図をみると、三木鉄道記念公園なる名前を発見。おっ、これは鉄道廃線跡か・・・・ビンゴ!どうやらJR三木線というのが有ったらしいのですが、徒歩片道15分・・・・
この炎天下の中を歩くのは無理っっっ!
素直に時間を潰し30分後にやってきた、粟生行き電車。ていうか三田駅だと15分に一本走っているので、こっちもそれくらいの高頻度運転とばかり思っていたのに、三木駅で半分は折り返してしまい、ここから先は1時間に一本・・・・
なんか本能的にヤバい気がしてきた。
・各駅停車 粟生行 |
だがしかし、今日はコレ以外にやることもないので乗ってみるか。
終着まで行き、喫茶店で一服して帰ってくるという姿を想像し、そして予め調べてしまうと面白くないので一切調べず行きあたりばったりなので、見るものすべてが初めてになるわけですが・・・・
車窓に広がるは平原!
・あたり一面、平原です |
えっ、ここは北海道か?というくらいの平野ばかりになり、そして人はどんどん減っていく・・・・完全に予想外!
こりゃ~、先程の三木駅以上に悲惨な状況になるのが目に浮かんでくるよ・・・・
そして終着、粟生駅(あお)。日本全国駅名を並べると、すごい上位に食い込むこと間違いなし!な駅名。
・神戸電鉄 粟生駅 |
しかし、駅周辺はご覧の通り緑がいっぱい!
お隣はJR加古川線。本当は昨日、福知山方面からコレに乗ってくるはずだった・・・・
一応、連絡を取っているのかすぐに加古川行きがやってきた・・・・
・JR加古川線 加古川行 真っ直ぐに続くレールが北海道っぽい |
なんかワタシ的には神戸に直行できる神戸電鉄のほうが便利だし格上だと思うのですが・・・・短い2両編成の加古川線のほうがなんか偉そう。
神戸電鉄でとんぼ返りは寂しいので、あえて1時間待ちをチョイスして粟生駅を探索しよう。先程の加古川線が行ってしまえば静けさが漂う駅・・・・あれっ!?
・もう一両、なんかいる! |
もう一つなんかいる! 北条鉄道ですって。ここも国鉄北条線だったのを第三セクターで引き継いだ鉄道。ちょうど一時間の時間つぶしが出来るんじゃない?
これはどこに行くの・・・・行き先は『北条町』って、地の利のない者にとって一切役に立たない行き先名称だな。
そもそも一時間で帰ってこられるのかな?
などと悩んでいたら・・・・
・行ってしまった・・・・北条鉄道 |
・・・・出発してしまった。なんたる優柔不断。
再び取り残された粟生駅。でも3路線が乗り入れるんだから名目上は大きなターミナル駅じゃん! なんでこんなに田んぼだらけなのだ?
外に出てみよう・・・・
・粟生駅舎 |
あらまぁ立派な駅舎。なんか阪急の宝塚劇場みたいな感じ!しかし人影は非常にまばら。
すぐ脇には市の設置した公民館的なホールが有り、休憩所もあるというのでエアコンの効いた涼しいところでのんびり出来るかと思いきや、コロナによりそれも閉鎖・・・・
喫茶店は・・・・
・粟生駅前 |
・・・・探すだけ無駄であろう。せめてレンタサイクルでもあれば少し足を伸ばせますが、その手のたぐいはなんにも無し。
ぽけーっと過ごすしか無い。この1時間が非常に長かった・・・・(笑)
三木駅&粟生駅の鄙びたコンボ攻撃により、もう田舎はお腹いっぱいになり、逃げるように都会に戻りました。
東京近郊の田舎は"なんちゃって田舎"であって、本物を舐めてはいけない。公共交通機関といえどもよく調べてから出かけないとダメだな。