JR御殿場線巡りの下見ツー

JR御殿場線。元々は日本の東西の大動脈『東海道本線』の一部として建設、1889年に開通しました。建設当時の技術では伊豆半島の付け根、箱根の山々にトンネルを切削することが出来ず、その山々を避けるための御殿場経由の迂回路だったのですが・・・・


技術の進歩で断層を貫く長大トンネルを切削できるようになり、1934年に開通した『丹那トンネル(L=7,804m)』。東海道本線は平坦で距離も短い熱海経由のコチラにルート変更されてしまい、残った御殿場経由のルートは『御殿場線』という名前に変更しローカル線に格下げ。
そして時代は第二次世界大戦末期。部材が不足した日本では、この御殿場線が旧東海道本線時代のリッチな複線構造だったのを1線取り外し単線化し、浮いたレールを他線建設に使うという大手術を行いました。

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・今日の舞台となるJR御殿場線 山北駅~駿河小山駅間の地図 ちょうど神奈川県と静岡県の県境付近です。

そして現在、複線だった時の遺構があちこちに残っているというので、見所や駐車ポイント等を下見してきました~
バイクならばどこにでも止めて探索できるけれど(爆)。

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・【探索の始点】JR御殿場線 山北駅 (駐車困難)

というわけで、神奈川県の西の端、山北町まで東名高速を使って一気にワープ。休日なら半額の\350円で使えるし、この時期のバイクは寒いので、お日様で暖かい9時~15時が活動の目安。時間は有効に使いましょう。


山北駅。昔はココに大きな機関区が存在し、ここから御殿場に向かって延々と続く25‰勾配に対応するため機関車を繋いだり解放したり・・・・鉄道の街だったのですが、今はひっそり。


駅の東側は500mほど、鉄道と平行して桜並木が続いています。

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・【山北駅そばの桜並木】春は桜が咲き乱れる、絶好の撮影ポイントらしい (駐車困難)

桜の季節はさぞかし綺麗なのでしょう。鉄道ファンには有名な場所。今は単線、線路は1組ですが、過去は複線、2組の線路があった(今は草に埋もれているけれど。)ので、ゆったりとした作りになっていますね。


このまま鉄道は『箱根第一隧道』に入っていきます。

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・道路からなんとか見える箱根第一隧道坑口(国府津側) ・場所はココ

隧道は現行用と旧線跡の2つがあるらしいのですが、道路からは確認できませんね・・・・


山を迂回して、反対側の坑口へ向かう途中には、(御殿場線とは関係ありませんが)新旧仲良く並ぶ道路隧道がありました。
R246現道は、新安戸隧道を使用しているので、旧隧道は生活道路として使用中。
わずか30~40mの隧道、取り崩してしまえば・・・・と思うのですが、これら隧道の上は・・・・水力発電所への水路! 川が流れているのです。この間の猿橋探索の時みたいだなぁ!

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・【R246 新安戸隧道&安戸隧道】古い隧道もしっかりと残しているのが素敵です (駐車やや困難)

写真で見るには良いのでしょうが、実用的には・・・・(?) 狭隘だからなのか、一方通行規制がかかっているのです。私は写真の奥の方に行きたいのに・・・・(泣)

一旦信号通って現道へ、さらに信号通って右折。
要らないでしょ一通規制!


R246現道は、山北バイパスとして整備された区間に向かってしまうので、私は県道76号(旧R246)へ折れ、そして川を渡る橋にかかると・・・・

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・【箱根第二号隧道(国府津側)】県道から見渡すことが出来ます (駐車可能)

県道の横には御殿場線が顔を出します
箱根第一隧道の沼津側坑口、旧ガーター橋、そして箱根第二隧道の国府津側坑口。
ココは見事な隧道が見られますね~。旧隧道は少なくとも1889年から存在している訳だから、120年! 当然主要パーツは石積み。
いいねぇ~、重厚感たっぷり。


ただし周辺は鉄道用地を示す赤い杭とフェンスでガッチリガードされ近づくことは出来ません。


次の見学ポイントは・・・・っと。箱根第二号隧道の反対側、沼津側に回ると目印は・・・・、おや(?)綺麗に磨かれた赤い柱・・・・、よく見るとレールじゃん!

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・道路から見えるように設置された赤い柱が2本。その先は神社。しかし神社の手前の石は・・・・隧道胸壁!(?) (駐車可能)

しかもココ、ちょうど箱根第二隧道・沼津側の坑口へのアプローチにもちょうどいい。
せっかくだからココを降りていき、神社にお参りしておきましょう。

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神社もレールが!(?)!(?)  なんと線路が祭られている!(?) 正一位線守稲荷神社

えぇ~~~~! その名も線守(せんもり)稲荷神社! 線路を守る神様ですかっっっ!


側にある解説板には・・・・(長文だけれども原文そのまま記載。)

事故防止・家内安全 正一位線守稲荷神社の謂れ
 明治二十二年二月一日、現在の御殿場線が東海道線として開通した当時、足柄上郡山北町の鉄道トンネル工事でキツネの巣が壊され土地の人たちはキツネの仕返しを心配していました。やがて工事が完成し、列車が通ることになったある日、大きな石が置いてあったり、蓑、カッパを着た人が赤いカンテラを振ったり、女の人が髪を振り乱して手を振ったりするのが見えました。
 機関士が急停車して確かめてみると、まったく異常は見られず再び発車しようとすると、また灯がトンネルの出口で揺れだすというありさま。こんなことが何日も続き、機関士の恐怖はつのるばかりだ。ある晩のこと線路の上で牛を見つけた機関士はまた幻と思い『えい!』とばかりに突っ走ったところ、何かにぶつかり、急ブレーキをかけて停車してみると線路のわきにキツネの死体が横たわっていました
 箱根第二トンネル工事を請け負った建設業者の親方は、工事中にキツネの巣をつぶしたことを思い返し当時の山北機区と相談し霊を慰めようとトンネルの上に『』をつくって祭ることにしました。
 伏見の稲荷神社からお札を受け『正一位線守稲荷神社』と命名し寒田神社の神主を招いて盛大な式を行ったところ、果たせるかな幻のような現象はピタリと消えた。それ以来毎年四月には大祭が行われているが、かつては歌舞伎役者による『キツネ忠臣』がうたれたりしたこともありました。
 今では、線路の守り神としてJR御殿場工務区長が祭主を務め、JR関係者はもとより多くの地元住民が参加して、事故防止、家内安全の参拝を続けています。

 平成六年四月吉日
 正一位線守稲荷神社百周年記念

世の中には不思議なことがあるものですね。私も事故防止をお祈りしておきました。


神社からは下に降りる道が整備されています。

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・【箱根第二号隧道(沼津側)と線守稲荷神社】神社からわざわざ降りる道が作ってあります。

しかしよくよく考えてみると、下に降りる道じゃなくて、鉄道関係者が下から登ってくるための道なんじゃないかと・・・・

今日は下見だし、この辺で止めておきます。


続いては・・・・県道から逸れて狭い生活道路に進入して・・・・酒匂川第3橋梁に近づきます。

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・踏切から・・・・酒匂川第3橋梁 ・地図で言うとこの辺り

でもこれ以上は橋に近づけません。古い橋台が残っていると思われるのですが・・・・。


川の流れがU字型なので、鉄道は二度三度と川を渡ります。
反対側も・・・・橋!
しかしここもフェンスでガッチリガードしているので、接近不能。

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・フェンスで接近をガッチリガード ・フェンス越しに撮影するもイマイチ! 酒匂川第2橋梁

川の反対側に渡って偵察するには・・・・県道まで戻ってグルッと大回り。これが非常に大回り。しかも反対側からのアプローチも、狭隘な生活道路をバイクで進入。自動車でのアプローチは止めておいた方がよいです。
バイクですら手で押してなんとか向きを変えたぐらいだし、犬に吠えられるし・・・・


コッチもフェンスでしっかりガードされていて接近不能。S630のズーム機能で思いっきり寄ります。

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・【酒匂川第2橋梁】GRD4では役に立たず、S630でズーム! 複線橋脚が残っています (駐車困難)

おぉっ、これは素晴らしい~!
橋脚そのものが複線の幅で作られていたために、上部構造だけ取り外された後も、綺麗に残存していると思われます。


橋脚の上の方の石でできた構造物しか確認できませんが、おそらく総レンガ積みコーナーを石で補強しているのでしょう。
ちなみにU字型の川の頂点側から狙った写真では、距離が遠すぎ&逆光で判別不能!
すぐお隣はR246山北バイパスの高架橋。この上から写真撮影するのがベストポジションですが、歩道無し、大型トラックバシバシ、路肩無し3拍子!!
バイク機動力作戦で、信号で途切れた車列の最後部に付いて接近。わずか30秒で撮影を済ませるか・・・・

・この橋をどの角度から狙うかなぁ・・・・R246が一番良いかな

次点は県道にちょっこっとある脇道へのスペース。今日はすでに撮り鉄の方に占拠されているので確認不能ですが、かなりのズームが必要かと。


さて、次っ!
箱根第3・第4隧道(以前は2つの隧道だったが、関東大震災で崩れ、復旧の際に一つにつながった。)の坑口。
しかし国府津側坑口は川に面しているし、道路がないのでアクセス不能! 残念~


仕方がないので反対側の沼津側坑口・・・・。
まず、坑口の真上を通る県道からのショット。目の細かい金網が張ってあるので、コレまた辛い・・・・

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・【名称不明の橋】箱根第三・第四隧道を抜けたところ (駐車やや困難)

そして、坑口のすぐ脇にはR246山北バイパス。しかし前出の通り駐車&歩行困難・・・・んっ!バイクが止められそうな凹型スペースあり!


そこにバイクを止めて、R246を徒歩で横切り、コンクリートで固められた崖を駆け上がり・・・・

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・【箱根第三・第四隧道(沼津側)】

ダメだ~、旧隧道の坑口が見えない~~~
さすがに目の前は活きている現行線。横切るのもイリーガルな気が・・・・
もっと別のアプローチ方法を発見するしかないな。今日は下見だし・・・・全部見つけてしまったら次回がつまらないので諦めよう。


谷峨駅、トンガリ帽子の無人駅。駅前も猫の額のようなコンパクトサイズ。

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・小さな谷峨駅

こういうまったりな駅は良いですね~


この先も登り勾配が続きますが、現行線と旧線が離れた場所を通ります・・・・、しかし写真無し!調査無し!
実は事前調査が甘くてこの付近の旧線跡を見失い、そして複雑に蛇行する川を渡るために、バイクでのアプローチ路も見失い・・・・


一気にワープして、現行線/旧線がまとまった場所。複線跡が残っています。

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・幅が広いですね ・もうちょっと引いて撮影すると・・・・

そしてココ、不思議な道路。公道だとは思うのですが・・・・
左脇には現行線、中央は走ってきた公道、右脇には・・・・赤い杭っ!!
あれっ!(?) この道路は鉄道用地内なの(?)(?)(?)


盛り土の向こうには廃隧道。箱根第七号隧道がほんのちょこっと見えます。

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・近づくと土が邪魔。離れると小さくて見えない・・・・箱根第七号隧道(国府津側)

ここもフェンスガードがしっかりされているので接近不能。う~む・・・・


さらに山を回り込み、反対側に向かうと・・・・

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・【箱根第七号隧道(沼津側)】すぐ脇の踏切から見学可能です (駐車可能)

おぉ~、久しぶりのヒット!
フェンスはありますが、合法的に線路内に入れる踏切がすぐ脇を通っているので、間近のベストポディションで見学可能です。


どこもかしこも、後年に建設されたコンクリート製隧道を現役として残し、石積みの隧道は『』に。
やっぱり地震とかへの強度はコンクリート製にはかなわないのかしら(?)

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・【探索のゴール】JR駿河小山駅 ひょっとして私が立っている所もホーム跡(?)(?)

さて、今日の下見はコレでお終い。各オブジェの位置関係や距離が体感出来たので、本格的な探索に向けて作戦を練ろう・・・・
というか、探索範囲が広範囲に分散しているので機動力必須! 徒歩オンリーだとかなり辛いでしょう。