国鉄中央西線、愛知・岐阜県境を貫く『愛岐(あいぎ)トンネル』。わかりやすい名前のこのトンネルは、中央西線が複線電化される1966年に旧ルートから変更され、新しく作られたもの。
そして・・・・1900年開通から使われていた旧ルート上に残るトンネル群はそのまま放置され、自然の中に埋もれて忘れ去られていたのです。
しかし地元の老人の"この場所に隧道がある・・・・"との記憶から、ボランティアの方々が調査すると当時のまま残っていることを発見、そしてこれらを保存するためのNPO法人まで立ち上げて活動、春と秋の年2回にみなさんに特別公開しているというわけです。
出発は朝5時30分。中央自動車道で八王子ICから一気に岐阜県・多治見ICを目指します。
・今日は高速道路で一気にワープ! @中央道八王子IC |
今日はソロツー。本当は隧道仲間のくぼたさんとコンボイを組む予定でしたがお仕事の都合で行けなくなってしまったのです、残念(泣)。
ゴールデンウイーク中なので大渋滞覚悟の旅だったのですが、混雑は八王子JCT周辺の数キロだけ。
・八王子JCT周辺だけほんのちょっと渋滞 | ・その後は普段の平日ぐらいガラガラ |
あとは快適なツーリング。拍子抜けだなぁ・・・・(早朝に自宅を出てきたのが正解だったのかな(?))
道路はガラガラだけれども、サービスエリアはソコソコ混雑。
どちらかというと休憩はパーキングエリア派。だって~、サービスエリアって広いから歩くじゃん・・・・(爆) PAなら施設がコンパクトにまとまっているし空いているし。ガソリン入れないならこれで十分。
そんな私のお気に入りは、この辺りで一際コンパクトな中央道 原PA(はらPA)。(←なぜか原PAではなくて、中央道 原PAなのね。他に元祖『原PA』というのがあるのかしら(?))
おやっ!(?)
・大滝水産 こんな本格的な海鮮屋さんが・・・・実は小さな小さな中央道・原PA内の食堂なんです。 |
食堂がハデになっている!
普通の食堂だった(ご飯お代わり自由だったので、トラック運ちゃん御用達だったけれど。)のに、海鮮を前面に推し出したお店になっちゃった!
こんな山の中だというのになぜ海鮮!(?)
時刻はまだ7時30分。モーニング海鮮はさすがにヘビィ~だよ・・・・
さすが信州の朝、寒くてホットコーヒーが美味いぐらいなので、やはりここは体が温まるおそばを。
・朝7時30分から海鮮丼は辛いし、寒いので・・・・かき揚げ玉子そば¥490円 |
天ぷらは・・・・揚げ置きスタイル(泣)。
でもおそばが美味しい。さすが信州、妥協しないのネ!
さすがに生麺茹で立てではないですが、麺の太さがバラバラで手打ち感を醸し出し、そばの味も濃いですし。
さて走ろう。
諏訪湖を抜け、伊那谷を抜ける頃にはお日様も昇りスカッと空が抜ける爽快~!な景色。
・気持ちよすぎるほどの青空と、GWを忘れるほどの中央自動車道・快適走行。これはいいわ~ |
今日は本当にゴールデンウイーク(?) 嘘でしょ(?)
順調に駒が進み、隧道公開開始時間の10時に気持ち早く着いちゃうぐらい。
一応今日のツーリングタイトルは隧道探索なので・・・・隧道にフィーチャー!
・恵那山トンネル L=8,490[m] |
中央道で一番長い恵那山トンネル。
関越トンネルが出来るまではたしか日本一じゃなかったでしたっけ(?) いまや東海北陸道のトンネル群にも抜かれてしまいましたが・・・・
愛岐トンネル群探索
中央道・多治見ICを降り、土岐川沿いの元有料道路『愛岐道路』をトレースすると、すぐに谷が深くなり美しい渓谷が。
そして今日の隧道探索のスタート地点、JR定光寺(じょうこうじ)駅。
・崖にへばりつくようなJR定光寺駅 ここから渓谷沿いに旧線跡があります |
すげ~場所に電車が走っているなぁ!
ちなみに駅前までバイクで行ってしまいましたが、やめておいた方が良いです。駅前広場はなく、細い道一本だけ。Uターンですら難儀します!
・JR定光寺駅前・・・・これが駅前か(?) 階段の上がホームです。 |
そして時刻はまだ公開前の9時30分だというのにもの凄い行列だ~(泣)。みなさん電車でお越しのようで駅から先は行列が出来ています。
私も遙か彼方にバイクを止めて徒歩アプローチ。そして行列に並びまったりピクニック気分~
朝の寒さなんてどこへやら。半袖でも暑いほどの陽気! アイスコーヒー美味~
ボランティアさんが作った階段を登ればすぐに廃線跡。
・階段を登ってアプローチ |
レールと枕木こそ撤去されていますが、バラスト(砂利)はそのまま残っています。
人が多いのさえ目をつぶれば、新緑輝く散歩道。
木々には種類を示すプレートが取り付けられ、緑の散歩道をより楽しめるようになっていますね。
・新緑にあふれる廃線跡 | ・バラストが廃線跡の特徴です |
もちろん鉄道遺構の手作り解説プレートや、蒸気機関車がこの廃線跡を走っていた時の写真掲示とか、ボランティアさん素敵!
・さまざまな解説 | ・蒸気機関車が現役の頃の写真 |
さてお待ちかねの隧道跡。
旧線は川に沿った線形で、小さな隧道をいくつも通るので、隧道跡も沢山見られます。
・玉野第三隧道 L=76.20[m] 重厚だわ~ |
あれ(?)
なんだか今まで他で見てきた鉄道隧道よりも立派に見えます! なんだろうこの迫力は。
しかも廃止が早かったせいか、コンクリートによる補修もほとんど無く、隧道内部のアーチが全部レンガ露出。
・玉野第四隧道 L=75.28[m] 付け柱が下に行くほど太くなる構造が、より一層の重厚感! |
当時の国鉄が、この周辺にレンガを大量発注している資料が展示してあり、本当に一つ一つ積み上げて形にしたのか!と、当時の人の職人魂を感じます。
いままでよく国鉄中央東線の廃隧道を探索していましたが、地方によって微妙に規格が異なるのか、ここの隧道の『付け柱』は、下に行くほど太くなる四角錐型で、これが迫力を増しているのかなぁ。
・隠山第一隧道 L=98.97[m] 総煉瓦造りの美しい隧道。1900年7月25日開通/1966年4月7日廃止 |
徐々に隧道延長が長くなっていき、懐中電灯がないと歩くのが難儀します。それが全部レンガ積みで構成されている・・・・
造形美だわ~
そして広場にはレンガを敷き詰めたミニコンサート会場。
・レンガを敷き詰めたミニコンサート会場 |
この辺りの隧道建設は難工事だったらしく、積み上げている最中に崩れたレンガが下の河原に沢山落ちていた・・・・のを拾い集めたんですって。へぇ~
歩くことが出来る最後のトンネルは・・・・長さ333m。しかもカーブしているので反対側が見通せない長さ。
難工事だったことを想像させる、7重ものアーチ。圧倒する迫力!
・隠山第二隧道 L=333.47[m] 難工事だった隧道。7重ものアーチは他の隧道を圧倒する迫力 |
さらには、一部の隧道のみ施工される、隧道下部のアーチ・・・・インバートも施工されています。
・隠山第二隧道の隧道下のインバート |
軟弱な地質では、隧道にかかる外圧は下(底面)からも掛かる為、それに耐えるべく地中までアーチを掘って、断面を完全にリング状にし強度を高めることで、沈下、変状圧力を分散・防止しているのだそうです。
いや~、良いものを見たわ~。
この先隧道群は、古虎渓駅、さらにもう一つ先の多治見駅まで続いているのですが・・・・
ここは県境。ここには最終処分場への専用道路が横切っているし、管轄が異なる行政に土地使用の説得しているところなのかしら(?)
春の特別公開期間(4月26日~30日)で最大の来場者を記録したのが今日、人数は・・・・4,232名! 大盛況です。
ランチ
玉野川(=土岐川)沿いにはうなぎの名店が沢山あるのですが、初めての所に飛び込んで失敗するよりかは、固く攻めよう!
多治見市街にあるその名もズバリ『うなぎや』(1859年創業)。
・うなぎや 岐阜県多治見市 |
お店に入ってすげぇビックリ! お値段急上昇! 高けぇ~とは言いつつも、今更後には引けず上うなぎ丼を。
2010年1月 | 2011年11月 | 2012年4月 | |
---|---|---|---|
うなぎ丼 | ¥1,800 | ¥2,200 | 失念 |
上うなぎ丼 | ¥2,150 | ¥2,630 | ¥3,020 |
特上うなぎ丼 | ¥2,700 | ¥3,270 | 失念 |
ニュースでウナギの価格が急騰していると言っていたからだとは思うけれど、それにしても高級品になっちゃったなぁ~(泣)
・相変わらずの美味さ! 上うなぎ丼@うなぎや |
美味い!サクサクに焼き上げられたうなぎ。食べると内側からじゅわ~と溢れるウナギの脂。
確かに美味いけれど・・・・今までの上鰻丼だと、ウナギが5切れ乗っていたのに4切れに減っている・・・・(泣)
食後のツーリング
さてここからのルートは・・・・どうしよう。
来るときは時間の制約があったので高速使って一気にワープしましたが、帰りはクネクネでしょ。
しかも帰り工程の時間と距離がいまいち読み切れなかったので・・・・
- 長野に抜けて日帰り案
- 話題の新東名を走る案
- 山を楽しみ浜松健康ランドにステイ案
・・・・どれにしよう。
まあ、もう少し走ってから決めましょう。
・快走~ |
やはり楽しい。高速道路では味わえない楽しさ。そしてゴールデンウイークとは思えない程の車の少なさ。素敵だわ~
目指しているわけではないけれど、駅があると立ち寄る習性。地図上の位置と現実の位置をピタッと同定させます。
え~っと、ここは・・・・(?) あけち駅。
・明知鉄道 あけち駅 |
一両のディーゼル車が止まっているだけの味がある駅。
なぜだか入場券を買って駅に入ってみたくなりました。
うおっ! 自動券売機ではなくて、手売り。しかも硬券に、昔懐かしい鋏を刻んでくれるタイプ!
・硬券 パチン・・・・と挟みを入れてくれました。 |
なんか得した気分。
ちょうど出発時刻らしいのですが、出発時刻になると駅長さんがホームまでやってきて、手を天高く掲げる出発合図! そして『発車!』と歓呼。
・運転士に対して出発合図 |
いいね~、何もかも味がある。
その後も県道をリレーして爽快な山越えをしますが・・・・
あれ~~~!
・がーん。帰りは下道で山越えしようと思っていたのに・・・・ |
崖崩れで通行止め予告。一応迂回路が設定されておりますが、地の利が無い私にはもの凄く不利!
当然ツーリングマップルも尺が荒すぎて使えないし・・・・
まあいいや、Go!
もの凄く不安・・・・枯れ枝その他で走りにくいし~(泣) しかもそんなヘビィな場所は走行中に写真を撮る余裕が無い。
よくわからないけれど、だいたいコッチだろうと駒を進めると・・・・
・がーん・・・・ |
だめじゃん!
やっぱり多少大回りでも国道チョイスが良かったのかしら(?)
そして、現在位置と時間から、十分に日帰り可能だと判断し、長野側に抜けることにしました。
・R153三州街道 |
R153三州街道。快走快走っと。
さらにここからは中央道に平行している比較的長い農道を満喫しようかしら。え~っと、飯田の街から折れていくのか。目標は・・・・駅(?)
んんっ! 気になる駅名! ぜひ寄ってみよう。
・桜町(さくらまち)駅 これは桜の木なのかしら(?) |
なんて春らしいJR飯田線『桜町駅』。無人駅のホームの片隅には桜の木。もう完全に葉桜になってしまっていますが、これは時期を合わせて訪問すると良さそう~ 来年要マークだな。
・周りは住宅が沢山ある無人駅。きっと平日は通学客とかでにぎわうのかもしれませんが。 |
・すばらしい駅名 | ・ひっそりしているけれど、広いホーム |
休憩終わり!
ここからは農道まったりツーリング。伊那谷の高台をトレースするのですが、伊那谷ってこんなに綺麗だっけ(?) というぐらい雄大な景色が広がっています。
・スカッと空が抜け、遠くに山並み。綺麗~(日がだいぶ傾いているので青空にならないけれど。) |
まったり~
・そしてガラガラ爽快ロード。南信州フルーツライン(同じく。こちらは色補正しました。) |
モモ畑が広がっていたり、梅やチューリップが咲いています。
・梅の木 | ・チューリップと伊那の山々 |
夕刻、お日様の低くなってきたので、伊那ICから高速ワープ!
帰りも結局、談合坂SA~小仏トンネル付近以外は渋滞とはほど遠い快適ラン~
高速を使ったとは言え、久しぶりに700km超のガッツリツーリング。楽しかった~
今日の走行距離: 711.2 [km]