雨の合間を強行出発、碓氷峠アプトの道

暖かくなってきたので、久しぶりの隧道探索をしてみよう。
前日の天気予報では、曇りとなっていて、お日様は望めないけれども雨もなさそうな天気なので、歩くにはちょうど良いかな。


舞台は、碓氷峠・アプトの道。
同行のくぼたさんは、宇都宮に長期出張中なので、宇都宮からレンタカーで来る気合いの入れっぷり。


早朝5時起床・・・・あれっ? まさかの『雨!』


おいおい~、一応着替えと朝食も済ませつつ『出発見合わせ中』であることをメールすると、くぼたさんは既に宇都宮を出発し、北関東道を西進中とのこと。

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・気象レーダー 4月3日6時15分

降雨レーダーによると、東京や神奈川周辺だけ弱い雨。う~む・・・・雨の中を飛び出しても、軽井沢アメダスは、気温3.4℃と、濡れた体には少々酷な感じ。


出発予定時刻の6時半
一時的に雨足が弱まり、そしてレーダーだと次の雨雲がやってくるのに20~30分の隙間がありそう!


今だっ! 今なら濡れるのは最小限。埼玉県中盤まで逃げ切ってしまえば、きっと勝つ!

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・関越自動車道を北進  レンズには雨粒が直撃【撮影:NECKER V1 Plus】

確か路面はウェットですが、雨はまばら
関越道、鶴ヶ島JCTまでくれば、路面もドライに。


やった~♪
それどころか、群馬県に入る頃は、青空まで出現。よかった~、強行出発して。


後は、当初予定の集合時間に間に合うかどうかですが、以前なら全区間気合いを入れて走るしかなかったのが、スマフォナビによる到着予想時刻を見て、気合いを入れるのは最小限にすることができ、安全走行。

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・上信越道・甘楽PA

平地では、どこも桜が良い感じ♪
いい季節ねぇ~


そして予定時刻10分前に、集合場所・JR横川駅に到着。
こんにちは、くぼたさん。

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・JR横川駅脇の駐車場

レンタカーなので、いつもの赤いTodayとは違うのね。


それでは早速、アプトの道旧熊ノ平駅まで往復12kmを歩きましょう。私もブーツから、別に持ってきた運動靴に履き替え。

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・ウォーキング・トレイル アプトの道 スタート地点

ここに来るのも一年半ぶりってところね。


まずは、足試し(?)に25‰の上り坂
講習を重ねて受ければ運転できる峠のシェルパEF63も、塗装が剥げちゃったりして、相当くたびれているわねぇ・・・・

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・相当くたびれている、運転体験用のEF63

塗装って、ここまで一気に劣化するのか・・・・
私のバイク・VFR750F(RC36)のホイールとかサスのボトムケースとかの塗装も、ヒドいもんだしね。


と思ったら、もう少し上の方にはピカピカに整備されたEF63が2台。

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・EF63×2  ピカピカ・・・・だけれども、よく見ると雨だれの跡はヒドいね

仮に上側(軽井沢側)から引っ張る形だと、連結器が破断してしまう可能性があるため、常に麓側(横川側)に連結されるこの機関車。当然軽井沢方だけはいろいろな電車と連結するためのジャンパ栓がたくさん。
これらも体験運転用に整備・保存されているのかしら。


おやっ!? レールも取り替えられていて、この碓氷峠の登坂路を後世に残してみせるという意気込みを感じます。

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・ピカピカなレールとバラスト

なんと、平成27年9月28日~平成28年3月31日と約半年間体験運転を中止してレールと架線柱を交換する大工事をしていたんですって。


それにしても・・・・
なんか今日は、歩いている人の数がとても少ないような・・・・
おかげで丸山変電所の見学は、貸し切り状態。

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・誰もいない丸山変電所跡

いよいよ始まる登坂にむけて、必要となる膨大な電力を直近で供給するために必要な施設。
この峠越えは、日本で初めて電化され、その頃この辺に電気は来ていないので、横川駅の近くに国鉄自営の発電所を作ってまで無煙化に挑むということが、当時ここがどれだけ重要視されていたのかを語っています。


ここまで2人しか会わなかったのですが、この先もその状況に変わりなく。
そしてすぐ近くの国道18号を走り抜ける爆音バイクもなく、本当に静か。
今朝の東京付近のみ雨だったのが響いているのか、はたまた皆さん花見にでも行ってしまったのか?


丸山変電所から先は、66.7‰登坂区間の開始

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・くぼたさん撮影  25‰から66.7‰に変わるところ

この急坂っぷりがなかなか写真でお伝えできなかったのですが、これはわかりやすい写真ですね。
手前側は25‰の登り坂なのですが、比べものにならないほどの急坂の始まり。


第一号隧道。国重要文化財、ここ碓氷峠では数少ない切石積の坑門。

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・第一号隧道の入口

もう何回か見ているのですが、相変わらず重厚に装飾された入口
この先26個の隧道で、最初のこの1号と、めがね橋の両端、それに国道から近かったところはしっかり装飾されていて、手を抜いているところとメリハリをつけている旨が解説されていました。
へぇ~、なるほどね。


そして歩き続けると、それは形あるものはやがて崩れるということを示していました。

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・コンクリートもろとも、レンガが崩壊

数カ所で、煉瓦が崩れ落ちています。場所によってはコンクリートで補強したはずのコンクリートとともに崩壊。


水分が煉瓦の間に入り込み、それが凍結して膨張することで、煉瓦を引き剥がす力が働くので、しっかりと隙間を埋めていますが、ほんのわずかな隙間でも侵入してくるやっかいもの。

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・コチラもレンガが脱落。冬の間の水分の凍結が、構造物全体を歪めるのでしょう

これ、補修していかないとやがては完全に崩れてしまうんでしょうね。大日影トンネル遊歩道が通行止めになったように・・・・

https://…/2012/04/15/ 今年も満開!甚六桜 そして一面に咲き乱れる桃源郷

横川駅付近では、さくらも開花していましたが、ちょっと登ったこの辺りはまだつぼみ


そしてめがね橋っっっ!!!!

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・碓氷第三橋梁 通称:めがね橋

誰もいないぃぃぃぃ! まさかの貸し切り撮影。こんなめがね橋、今までに見たこと無いよ~
観光スポットでも有るこの場所ですら、これですもの。今日って、何か他に大きなイベントって有ったっけ?


さらに歩いて、アプトの道・終着の、旧熊ノ平駅

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・旧熊ノ平駅  モデルはくぼた氏

こちらも、非常に空いていますね・・・・


ここからのUターンして下り坂・・・・私は膝に爆弾を抱えているので、下り坂は苦手。普通にしばらく歩くと膝に激痛が走り歩行が困難に

https://…/2014/10/11/ 碓氷峠アプトの道を歩いてきました。あと餃子ね!
https://…/2012/09/16/ つまごいパノラマラインを満喫するツーリング
https://…/2011/09/18/ 碓氷峠・徒歩でメガネ橋ツーの下見ツーリング

初回訪問時は激痛で途中リタイヤし、トロッコに乗ってしまった・・・・
前回は、膝サポーターを装着して、完歩


そして今回。最近、意識して歩き方を変えていまして、膝で足全体を引っ張るようにして、膝にガツガツとショックを与えないようにしているのですが、こういった場面で有効なのかをチェックしてみます。
ただし、サポーター無しで途中で歩けなくなるとやばいので、膝サポーター付きで。


帰りは、人も増え、めがね橋も貸し切り・・・・という贅沢はできませんでしたが、空いていることには変わりなく

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・帰りのめがね橋・・・・人間は数人だけ

気温も、寒くも暑くもない、歩くにはちょうど良い感じだし、人も少ないしで言うこと無し。


・・・・
膝はまったく痛くなく、歩き通せました。
今度は、もう少し途中でリタイヤしやすい場所で、膝サポーター無しで歩いてみようっと。


元の横川駅まで戻ってきたら、ちょうど12時。ランチだわ~♪ ドライブインではなくて、駅の方に向かってみましょう。
横川駅といえば・・・・

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・横川駅

峠の釜飯よね~・・・・
もともとは、この横川駅で機関車の連結時間を利用して駅弁として立売りしていたのですが、横軽在来線が廃止され、ただのローカル終着駅となってしまってからは、自動車相手にドライブインをメインに移行。しかしその道路も高速道路が開通してしまったため、サービスエリアをメインに移行・・・・
駅の売店で売るスタイルも、この先どのくらい続くのだろうか?


歩いてきた直後でお腹も空いているのですが、ボソボソ系のご飯ものよりも、水分補給を兼ねられる『駅そば』を体が欲している!(笑)
しかも、私だけでなく、くぼたさんも!

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・天玉そば ¥470円

と言うわけで、天玉そば
麺は『自家製生そばを使用』ということで、とても期待したのですが・・・・


・・・・_| ̄|○
やわやわ。天ぷらもカッチカチ。でも歩いた後だからスルスルと、あっという間に完食。
私たち以外にも、やたらと駅前で釜飯や駅そばを食べている人が居るので、何かと思い駅をよく見ると・・・・

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・横川駅に止まっていたのは・・・・蒸気機関車+客車列車

蒸気機関車が居る!
客車もピカピカに整備されたイベント列車じゃないですか~。なるほど、さっきのみなさんはこれに乗ってやってきたというわけですか。


食後は、機動力で碓氷峠越え

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・国道18号 碓氷峠越え

凍結の心配はないわけですが、冬季凍結が激しい時期に砂を撒きまくっていた残骸で、路面上にはとにかく砂!


これは恐怖! 乗ったらイチコロだもんなぁ。おとなしく走り、碓氷峠ピーク。峠を越えてすぐの部分が、矢ヶ崎信号場跡
ぽつんと踏切だけが残っているだけ。昔は、ここにも煉瓦づくりの変電所が有ったんですって。


ここまで来たのでちょっと寄り道して、旧碓氷峠へ。

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・旧(?)碓氷峠  数件の峠の茶屋が残っています

』って冠するのもおかしな話で、後からいろんな場所に碓氷峠と呼称する場所が生まれたので、相対的にここが『旧碓氷峠』になっちゃったのかしら。
峠は県境となっていて、神社があるのですが、あいにく適当な駐車場がないので、適当な茶屋で休憩することに。


県境から数十メートルズレた見晴亭
見晴しは・・・・森しか見えないので割愛。力餅を食べましょう~

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・力餅 あずきバージョンと、大根おろしバージョン

美味っっ!
甘いものも欲していますが、歩いた後だからなのか、しょっぱい大根おろしもイイ! 他にも納豆とかきなこ、ごま、くるみバージョンとかもあり、どれも美味しそう~。


食後は神社に。

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・お賽銭箱が・・・・2つ!?

お賽銭箱が2つ有ったので、なんとなく左側のお賽銭箱を使用したのですが・・・・


実はこの神社、本殿の真ん中が県境で、同じ境内の中に2つの神社が鎮座しているんです。左が長野県『熊野皇大神社』、右が群馬県の『熊野神社』で有ることを後から知る始末。
慌てて右側にも・・・・と思ったのですが、既に小銭入れの中身を全て熊野皇大神社で使ってしまって、無一文。さすがに千円札は・・・・(泣)

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・おみくじ売り場(?)とかも、左右にそれぞれ1つずつ

本当はお祈りを2回しなければならないのかしら。ここに初詣に来ると、一粒で二度美味しい!?


帰りの碓氷峠ダウンヒルは、遺構を細かく巡りながら

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・碓氷第18隧道

熊ノ平駅以降も、旧線跡が残っているところも有りますが、新線に転用されてしまって潰されている部分も多々あり、この18号隧道も途中で新線に転用されてしまっているため、旧線の入口を潰してしまっています。
ただ、完全に取り壊すのではなく、坑門を綺麗に残しているところが憎い!


最後の方は私は疲れてクタクタでしたが、くぼたさんはすべての場所でこまめに探索していました。タフ~


おぎのやドライブインでオヤツを食べて、本日の隧道探索は全て終了。

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・意外と美味しかったソフトクリーム

普段なら足並みを揃えて八王子へ・・・・となりますが、それぞれ東京と宇都宮に分かれて帰路に


久しぶりの隧道探索は、足腰に来て、次の日は当然筋肉痛
運動も兼用できるこの探索シリーズは、健康のためにたくさん行きましょう