今日の日記も技術ネタです。
たぶん興味のない人にはトコトン読む気がしないけど、その筋に少しでも陽性の人は(たぶん)食い付く内容です。
註:"無線"カテゴリの日記は、今後もしFTM-10Sを自分のバイクに取り付けようと思われた方に少しでも参考になればと、私が考えたり作業したり、評価した内容を詳細に記述するようにしています。雑多な内容もありますがお付き合いくださいませ。
さて、前回の作業では、ETC車載器を移設するスペースを作りました。実際にETC車載器を移設するためには、インシュロックで固定した配線をやり直す必要があるのでリアカウルをはずして作業する必要があります。
https://…/2009/07/18/ FTM-10S無線機設置に向けて~ETC車載器移設準備工事・他
リアカウルを外す為にはパニアケースステーを取り外す必要がある・・・・。要はとっても面倒なので、その作業は一度で済ませたい・・・・。
そこで、同じくリアカウルを取り外して作業しなければならない『車体前部~後部間の接続ケーブル』の敷設作業を同時に実施するため、ケーブルの製作をすることにします。
・FTM-10S設置マスタープラン と 今回の作業範囲(赤線枠内) |
車体前後間は、次のケーブルを引き通すことになります。
- 無線機本体~操作パネル間 付属7芯専用ケーブル
- 無線機本体~接続BOX間 CT-M11・7芯ケーブル(左右スピーカ/マイク/PTT)
- 無線機本体~接続BOX間 MP3外部入力ケーブル
(2)と(3)はコネクタを一まとめにしてしまいます。
したがって、次のようなコネクタ/ケーブルを作成することになります。
・車体前部~後部間の接続ケーブル [調達]マークは自分で用意したもの。それ以外はメーカー設定品 |
では、早速作業に取り掛かります。
一番細かそうな10極コネクタのハンダ付けから始めます。
・CT-M11・7芯ケーブル | ・80℃耐熱2芯シールド線 |
コレを、タバコ1本分ほどの直径しかない微細コネクタにハンダ付けしていくのです。
・ケーブルにコネクタ筒を通す | ・ハンダ付け準備 | ・超微細な作業 | ・ぐわ~、細かい! |
隣のピンまでの間隔が1mmぐらいなので、ちょっと油断するとすぐに短絡してしまいます。しかも細かくてよく見えないので、懐中電灯片手に細心の注意をしながら作業していきます。
さすがに値段が高いコネクタだけはあります。長めにハンダごてを当てていても、熱でプラスチックが溶けてくるなんてことはありません。
全てのピンのハンダ付けが終わったら、クランプ金具で、ケーブルのシールドを確実につかみ、最後にコネクタの筒をかぶせます。
・クランプ金具設置 | ・筒をかぶせる | ・最後にゴム筒をかぶせて完成 | ・綺麗に仕上がりました |
コネクタからケーブルが2本出ているため、どうしても隙間があります。後日注射器で隙間に弾性接着剤を流し込んで、水密することにします。
・ケーブルの反対側 |
続いて反対側。3.5φステレオジャックを取り付けます。
・外部被覆を剥く | ・シールドを折り曲げる | ・信号線被覆を剥く |
オーディオ入力などの弱いアナログ信号は、外部からのノイズにすぐにやられてしまいます。そこで、信号線の周りに『シールド』と呼ばれる網線が設けてあるケーブルです。
非常に大雑把に説明すると、ノイズ源から電磁波が放射される(バイクの場合は点火プラグ/コイルが最大のノイズ源)のですが、金属を通り抜けられない性質があるので、あえてシールドという金属を周りに配置して信号線への影響をなくしているケーブルなのです。
ケーブルの下準備が出来たなら、ハンダ付けです。
・信号線2本をハンダ付け | ・シールドはクランプ | ・最後に筒をかぶせて完成 |
これも隙間があるので、後で注射器で弾性接着剤を流し込んで水密します。
これで、今回のスペシャルケーブルが完成ですが・・・・
・スペシャルケーブル |
実際のバイクへの配線は、このケーブルと、さらに別の専用7芯ケーブルを敷設することになります。
ケーブル本数が多くてバラけるのを防止するために、コルゲートチューブで一まとめにしてしまいます。
・コルゲートチューブ | ・ケーブル3本を入れる | ・これが敷設するケーブルセット | ・コネクタがたくさんです |
よしっ!
今度こそケーブル完成。
次はいよいよリアカウルをはずして敷設です。