
今日もまた、愛車バイク・VFR750FのテールライトをLEDにするために頑張ります。
『素子選別』、たくさんある素子の中からもっとも優れた素子を選択すること。
でも、今回の場合は『優れている』のが判定基準では無くて、『均一』であることが判定基準です。
電流によって明るさが変化する『発光ダイオード』。これに20mAの電流を流した時がもっとも明るくなります。
そして、電流を電圧に関係無く常に一定に保ってくれる『定電流ダイオード・CRD』を使用して前途の20mAに近い定電流を発生させます。
ふぅ~。前置きが長くなりましたが、工業製品には必ず『誤差』があります。これはしかたのない事です。
メーカーの製品データシートでも、誤差の範囲が記載されています。(その範囲以上の誤差は不良品という事になります。)
素子を一つしか使わないのであればあまり気にすることは無いのですが、LED40個の回路を2つ作るとなると明るさのバラつきを気にしなければなりません。
具体的な対策は…
部品 | 対策 |
---|---|
発光ダイオード | 同一ロットのものでそろえるようにする。100個単位で2セット購入。 |
トランジスタ | 同一ロットでそろえるようにする。昔に200個単位で購入してあった物を利用。 |
100Ω抵抗 | 昔に1パック100個単位で購入してあったので一つずつテスターで計測し抵抗値が近いものを選別する。 |
といったところです。
そして、明るさムラに直結する定電流ダイオードが誤差が大きい部品だったりします…
公称値 | 最低値 | 最大値 |
---|---|---|
1mA | 0.88mA | 1.32mA |
5mA | 5.00mA | 6.50mA |
15mA | 12.0mA | 18.0mA |
一番頼りにしている回路の心臓部、15mA定電流ダイオードの誤差が大きすぎるのです!これまた誤差の範囲が明るさにモロに影響がある付近だからこまったちゃんなのよ…
仕方がないから10本まとめ買いした定電流ダイオードを全部並べて電流を測定して、同じ成績の2本(12.1mAでした。)を選出して基準回路に使用することにしました。
ついでに20mAに遠く及ばないため、別途5mAの定電流ダイオードを並列につなぐ対策もとりました。
ところでこの定電流ダイオード、初めて実際に使ってみて感心したのですが、他の半導体にはない特性を持っていました。
『温度が上がると電流が減少する』のです!
普通の素子ならば逆の特性のため…
『電流を流す』…『電流が流れる事により素子の温度が上がる』…『温度が上がるとより多くの電流が流れるようになる』…『電流が多く流れるとますます温度が上がる』…以下繰り返し。
となり、熱暴走と呼ばれる制御不能な状態に陥ります。
選別のために電流計をつないで定電流ダイオードに電流を流すと、最初は15mA付近を示しますが、ぐんぐん電流値が低下していき12mA程度に落ち着きます。素子に触るとほんのり温かくなっています。
温度が安定するまでは電流が下がりつづけます…
バイク本体に設置したときは、長時間運転時や真夏は暗くなってしまうかもしれませんね。