試験調整

この間大阪~埼玉の移動のときに東海道新幹線に乗りました。ちょうど新大阪駅のホームに上がると次世代新幹線『N700型』の試運転をしている最中でした。
中を覗くと、パソコンの画面を注視する試験員が乗り込んでいました。
おそらくこの人たちは、この新幹線と一緒に何往復もして、試験データを採取しては、制御プログラムを変更して… と忙しいような暇なような時間をマッタリと過ごしているんでしょう。いいなぁ。


新型新幹線は走行中の車内でインターネットを使えたり、待望の電源コンセントが付いたりと、旅客サービスが向上しているので早いとこ登場して欲しいものです。


さて、こんなマッタリ経験ですが、自分もあります。豪快なのが…。
場所は高速道路のトンネル。トンネルは放っておくと排気ガスで見通しが悪くなり一酸化炭素が充満して危険な状態になるため適当に換気をしてあげなければなりません。
いちばん簡単なのは常時換気扇を回しておくこと。でもコレだと電気代が大変なことになり、長大トンネルでは照明とあわせて年間数千万円オーダーとなってしまいます。

そこで、各種センサーからの信号を元に、ギリギリまで電気代は減らすけど視界もクリーンで空気もクリーンな状態を目指す必要が出てきます。

・意外と奥が深いトンネル制御

そう、新型制御プログラムをトンネルに持ち込んで、制御パラメーターを設定して一日放置しておき、換気性能を測定してベスト値を導き出すというなんともマッタリした仕事です。(そのかわりトイレすらありません。トイレに行くためにはインターチェンジの外まで行かなければならないのでお金がかかります。)
でも辛いのが、一日の途中でパラメーターを変更できないこと。変更してしまうと実験の意味が無いからです。


ある日試したパラメーターはとにかく電気代を節約するパターン。ギリギリまで換気扇を回さないようにしたのですが、あんまりにもトンネル内の視界が悪くなりすぎて、電気代無視の非常制御モードが働いてしまいました。
高速道路トンネル脇の電気室にて待機していたのですが、トンネルからはモウモウと黒い排気ガスが吐き出され、あたり一面が真っ黒… 心臓ドキドキ…。


楽なようで楽ではありませんでした…。