アーシング

積算10万キロを超え、愛車VFRの低速時のトルクが弱っているのを体感できるほどでした。突然というわけではなく、時間をかけてジワジワと弱ってきていました。(別に普通に乗れますけどね。でも弱っているというのは精神衛生上よくありません。)
そこで対策の一つとして、アーシングをしてみました。インターネットで調べるとたくさんの方が試してみて『劇的な効果が生まれた』人と『まったく効果が無かった』人がいます。純正アース配線がしっかりしているマシンではまったく効果がなく、比較的古い年式のものが効果があるようです。
ちなみにこの日記、日付が前後していて本当は先週の土曜日に実施したものです。

なるほど物語

おしえてよ、グータン。それ~いっ!クルクルバビンチョ パペッ ピポ~ ヒヤヒヤドキッチョの モ~~グタンッ!

電気回路に流れる電流は、起点から終点まで輪っかになっていなければなりません。そして、電流の流れやすさ(=抵抗)が、物質や配線により異なってきます。『』はたいへん電気を流しやすいため、電気配線ケーブルの多くは銅、もしくは銅メッキで作られています。
バイクの配線で、往路側の回路は銅線で配線されていますが、帰路側(基準電位)はフレームやエンジンなどの鋳鉄で代用されています。バイクでよく使われているアルミフレームは、確かに銅と比べて伝導率が約60%なのですが、比重が3分の1。同じ重さにすれば銅の2倍電気を良く通す物質で、高圧送電線などは、アルミケーブルを採用しているほどです。しかし、エンジンは残念ながら伝導率の低い鋳鉄製。ゴムシールなどがはさまれていたり、そしてそれぞれをつなげるボルトなどの接触抵抗などがあり、多少は電流が流れにくくなっています。また、プラグ点火などの高周波電流は、材質の表面のみに流れる(表皮効果)ため、太さよりも表面積の広さが要求されてきます。

したがって、必ずしも理想的な電気配線になってはいないのではないのか(?)というのがアーシング対策の原動力!

バイクの場合のDC電流の起点はレギュレーター、途中にバッテリーが入り、ここから電流が出て行きここに戻ってくるのでの経路の抵抗値、特に高周波に対する抵抗値を下げてあげれば、エンジンが元気になるかもしれません。

対策箇所

私のバイクは15歳。もうだいぶ年寄りです。このようなバイクの場合、純正のアース箇所(バッテリーのマイナス側の配線がエンジンブロックのある場所にボルトで止められている。)を一旦取り外し、端子を磨きなおして留めなおすだけで結構効果が上がるらしいとのこと。
サービスマニュアルのケーブル結線図・回路図とにらめっこして、場所を決定しました。

  1. 定番の純正アース箇所(エンジンブロックの左側)と平行に一本
  2. 純正アースの反対側のエンジンブロック右側に一本
  3. バッテリーとレギュレーターを結ぶ一本

を引くことにしました。
インターネットでは、点火プラグのチャージコイルなどにもアース線を引いている人もいますが、私のバイクの場合は(理論的に)どう見ても効果が無いのでやめることにしました。

資材調達

さて、実行することが決まったら、使用部材の調達です。バイク用品店に行くと、単一車種用のアーシングキットなるものが売られていますが、価格が高いしもちろんVFR750F(RC36)用のものなんか売っているはずがありません。
かといって、その辺りで売っているケーブルでは耐熱・耐候性に不安が残るため、自動車部品販売メーカー、エーモン製のアーシングケーブルを調達してきました。

・アーシング用耐熱ケーブル

105℃耐熱の銅編み線(8sq)です。1メートル毎の切り売りなので、ちょっと長めの5mを購入。1mで¥650円なので、占めて¥3,250円。普段だとアース線は『』が体に染み付いているので、なるべくそれに近く、安全なイメージっぽい『』にしました。なかには『』とかのケーブルを引いている人もいますが、活線と間違えそうで嫌です。
その他、金メッキの圧着端子で設置する場所のネジ直径がわからないため、M6とM8を購入。1パック6個入りで¥1,000円弱もする! こんなもの会社にはゴロゴロ転がっているのに~。 正直高いけど、なぜか自分の趣味には高いものを買ってしまうのである。(オーディオマニアのケーブルにこだわる気持ちがちょっとだけわかりました。)

設置工事

さっそくバイクのカウルを外して配線をしてみた。

・カウルをはずして… ・まずは純正アース箇所にバイパス ・もうひとつはエンジンブロック

右側
さらにもう一つ………つけようかと思ったけど、バッテリーターミナルにはまらなくなったので止めました。今度ターミナル端子増強をしてからチャレンジすることにします。


ちなみに圧着端子はM6しか使いませんでした。M8は完全未開封で余ってしまいました。そして効果は、エンジンが面白いほどふけ上がる! 正確には燃料系統の洗浄剤も投入( https://tarsama.hatenadiary.com/entry/20050402/maintenance )してしまったため、ドッチの効果なのか、はたまた双方の相乗効果なのかはわかりませんが、ガンガン回ります。調子に乗って白バイに捕まりましたから……