のざる

地元、八王子の南口駅前を一本の狭い道が通っている。
その名を野猿街道(やえんかいどう)という。その名の由来は野猿峠を越えるルートだからです。


この峠には大昔から『大学セミナーハウス』という大学生向けの研修施設があり、ときどき大学生の集団が集まってきます。当然最寄り駅から路線バスで行くことになるのですが、9割方は『のざるとうげ』と誤読します。そして、その名から『ねえねえ、猿が出るのかなぁ』などハシャイデいるのですが、地元住民からしてみれば、この上なくムカつきます。


そりゃ東京といっても田舎ですから、駅前は立派な4車線道路でも、バスはすぐに片側一車線で大型車すれ違い不能の狭路に突入します。
当然ながら大型である路線バスはスーパーテクニックで切り抜けるのですが、バスの側面を民家の木々に擦りながら通過するほど狭く、そんな光景に大学生はキャーキャーと歓喜の声をあげています。
ところがどっこい、峠付近は逆に開発されており片側2車線の広い道に。それを見て落胆し『これは猿はいないね』だって。


毎年数回はこのやりとりを見ますよ。