第1回、第2回と、ファミコン・パソコンとソフトウェアの道を突き進んだ私、た~さまの電子工作人間へ至るお話しです。
https://…/2010/02/23/ 電子少年 た~さまの自叙伝・第1回 ~小学生高学年の出会い~
https://…/2010/09/11/ 電子少年 た~さまの自叙伝・第2回 ~一つ知れば十の疑問~
ファミコンを初めて見た時に『どうやって動いているんだろう(?)』と仕掛けへの興味が勝ってしまった私。そのままパソコンのソフトウェアへスイッチしたとはいえ、また新たな興味が出てくるのです。
・ファミコンより興味があったファミリーベーシック | ・パソコンにグレードアップ |
『パソコンってどうやって動いているんだろう(?)』
そして、中学生の頃、なぜかラジオとか作れる友人Aと出会いました。彼の部屋に行くと、市販のラジオを改造して警察無線が聞こえていたり・・・・(この当時はアナログ波なので普通に聞こえた。10番Aとかね!)いろいろアナログ回路をいじってしまう人なのでした。
そんな彼に興味津々ついて行くと、秋葉原でジャンク品を探したり、一つ¥10円もしないハナクソみたいな部品たちを選んだり・・・・。あるいは自宅から自転車で到達可能な家電屋さんに存在した電子部品コーナー(秋葉原より品揃えは悪いけど、近いから便利)を徘徊したり・・・・。
そんな彼は部品を買う時に、『トランジスタ規格表』なる冊子をみて、必要な性能を維持しているのか確認しているのです。
私は・・・・トランジスタは訳がわからなかったのですが、その隣にある一冊の本を手に取りました。おそらくこの瞬間が、私の電子回路人生の始まりの時・・・・
・最新TTL IC規格表 CQ出版社 (写真は後年になって手元に必要で買い揃えた手持ちの規格表) 角をセロテープで補強してまで使い込んだ一品! |
TTL(Transistor-Transistor-Logic)ICって、この時代のデジタル回路の基本中の基本の回路が集積された部品なのです。
TTL-IC規格表。まったく知識の無い私がこれを見て『!!!』
ICって、こんなに単純なの(?)って。
基本的な論理回路は"74シリーズ"として共通規格化され各社から同じ仕様で販売されていて、この本は、そんな共通規格を参照するための本だったのです。
・4つの論理和(OR)回路が入ったIC 7432のピン間配線略図 |
実は、あのゲシゲシな外観と幾何学模様に配線されたプリント基板に芸術的な美しさを感じていた私は、『自分でもICを使って回路を作ってみた~い!!』。
・あぁ~美しい~。 | ・配線は芸術だ! プリント基板にウットリ♪ |
そしてデジタル回路であれば、いままで散々ソフトウェアで取り扱ってきた2進法そのものだから何とかなるかも。
ますます興味が沸き、ちょっと勉強してみようかしら・・・・と。初歩の初歩から本を読んでみました。現在と違い、情報源は専ら本しかないのです。
・0と1の世界 ディジタルIC 表紙のイラストが敷居の低さを演出 | ・ゲート回路とは・・・・ |
そして、こういうICは一つ¥30円で入手可能。これならお小遣いでも買える! いくつか使って実験すると、きちんとAND(論理積)やOR(論理和)の演算結果を出力するではありませんか!(←あたりまえだ!)
こちらは、今でもストックしてあるIC、7432。
・SN74LS32N。LSはローパワーショットキーの略。SNはテキサスインスツルメンツ社製の型番 |
その後は、『デジタルICだから所定の電圧だけを加えれば動く!』というわけではなく、実際の電子回路にするために考慮しなければならないキーワードがたくさん出現しては、一つ一つ調べたり実験して体得・クリアしていきます。
バイパスコンデンサ、プルアップ抵抗、ソース電流/シンク電流、オープンコレクタ出力、ワイヤードOR、コンデンサと抵抗で時素を構成・・・・。基本的なオームの法則やらノイズなど、一通り体得し・・・・そして最初の夢(?)に戻ります。
・こちらはちょっとレベルアップした本 | ・CMOS-ICを使う場合にはプルアップ・プルダウン |
『パソコンを自分で作れるんじゃないか(?)』
散々ソフトウェア視点でいじくり回して惚れ込んだ憧れのZ80マイクロプロセッサを、自分の手で(ハードもソフトも両方で)自由に動かせるんじゃないか・・・・(?)と。
・Z80マイクロプロセッサ 恐ろしいほど値崩れしていて実験で手を出せる値段です。そして今まででいちばん大きなゲジゲジ・・・・ |
中学時代の友人のおかげで、完全に私は電子回路少年になってしまったのです。
つづく。
このシリーズの日記で登場する出来事はすべて事実なのですが、時系列の検証がいい加減です。その辺りは目をつぶってお楽しみくださいませ。