最近、ずーっと調子が悪かった愛用ノートPC、Panasonic製Let'snote CF-S9。今年の夏くらいから使っていると突然リセットがかかってしまうというもので、最近は頻度が上がってきました。
色々と観察すると、電源投入直後や、コーヒーブレイク等で電源を入れっぱなしで席を離れたときに落ちていることが多く、省電力機能やファンの回転数が関わっていそうな感じ。
https://…/2021/10/14/ 愛用ノートPCレッツノートCF-S9が調子が悪くなった近況
https://…/2021/09/24/ 愛用ノートPCレッツノートCF-S9が調子が悪くなった件のその後
https://…/2021/09/17/ 最近ノートPCの調子が加速度的に悪くなり意図せず電源が落ちてしまう件
そこでCPUファンの回転速度を『高速』固定にしているとその頻度がかなり下がることを発見。(特にCPUファンの回転速度に異常はなく、風量も正常なのですがね。)
これで結構回避できていたのですが・・・・とある日に電源を投入した際にCPUファンの回転音がしない!
これではアッという間に熱暴走してしまう!と思ったら、その後に遅れてから快調な回転音。
やっぱりCPUファンがおかしいのか!?
2009年モデルを2014年に中古で買い、一度CPUファンを交換しているとはいえ、12年ほどの運用。
https://…/2017/05/13/ 愛用ノートPC・CF-S9の冷却ファン交換のためドック入り
https://…/2014/12/18/ 出張帰りに秋葉原。中古ノートPCを購入しました!
もう充分に寿命を全うしているのですが・・・・どうしても私の修理熱に火がついてしまう(笑)
もう新品部品の供給が止まっていてCF-S9用の部品は入手できず、次世代のCF-S10用の部品を入手。その他にメモリも二束三文で売っているので入手。
・パナソニック製CF-S9 CPUファンとメモリ、放熱グリス等 |
放熱グリスなども準備して、いよいよ開腹手術をすることに。(本当は秋晴れの中をバイクでどこかに行きたかったのですがね(泣))
過去、CF-T1→CF-T5と使い、何回か開腹しているのでその面倒臭さは経験済み。
https://…/2012/07/10/ パナソニック製ノートPC・CF-T5ハードディスク換装
https://…/2007/11/12/ ノートパソコン・パナソニック製CF-T1ハードディスク換装
分解までとても手間がかかる機種です(泣) まずは裏面のバッテリーを外し、ネジを外す準備。
・ひっくり返してバッテリーを外す。それにしてもネジが多い |
今回の分解は、『分解工房』さんの写真付き手順Webページを参考にさせていただきました。
https://bunkaikoubou.jp/letsnote/cf-s8/s8_1fan.html Panasonic Let'snote CF-S8/CF-S9/CF-S10 - 分解工房
ネジの本数が多く、その長さもマチマチのためにネジを外したらその場でセロテープ止め。
・ネジを外したらその場でセロテープで固定 |
ネジにはネジロック剤が塗布されているので初回開腹の場合はとてもネジが固く舐める危険がありますが、この機種は開腹済みの為にネジ緩めはスムーズ。
ふ~・・・・(必要な箇所の)全部のネジを外しました。
・裏面のネジの必要箇所をすべて外しました |
裏面の作業は一旦終了し、続いては表面。
この機種の一番の分解難関ポイント、キーボード外し!
なんたって薄くて曲がりやすいキーボードが両面テープで貼り付けてあるのよね。
・両面テープで取り付けられているキーボードを剥がすのが難儀 |
これを剥がすのが大変。慎重に外さないとキーボードがベコベコになっちゃう・・・・
やっぱりベコベコになっちゃいました(笑)
まぁそのうち秋葉原でジャンク品を見つけて移植するかな。
・キーボードを剥がしましたが、ベコベコに(笑) |
この構造はなんとかならぬかね、Panasonicさん。
キーボードを剥がしたあとは、ねっとり残ったシール類の取り外し。
・劣化した接着シールはしっかり剥がしましょう |
シール自体もかなり劣化している模様。キーボード固定シール以外にも、部品と部品の隙間を埋め防水性のためにもシールが使われていて、それも劣化していてボロボロに。
ようやくトップカバーを取り外し。
・ようやく開腹 メイン基板は左半分。すごく小さい |
右上がSSD、右下が光学ドライブ、左上が(取り外した)バッテリー、左下がメイン基板。
ワンボードマイコンに毛が生えた程度にミニマイズされた基板。すげぇ小さい(驚)
目的のCPUファンは・・・・そこそこ汚いけれど重症という程でもない。掃除すれば使えそうな気もしますが、確実な回復を狙うために新品に交換しましょう。
・それなりに汚いが、まだ元気そうなCPUファン |
残るケーブル類を取り外したら、ようやくメイン基板を取り外すことができました。
ここまでで1時間半。ふ~、バイク洗車以上に時間がかかるゾ。
・ようやくメイン基板を取り外せました(1時間30分経過) |
驚くほど小さい。
ひっくり返すとCPUファン一体型ヒートシンクとメモリが露わに。
・ひっくり返すとヒートシンク一体型CPUファンが露わに |
このメモリも取り付け方が嫌がらせしてあり、増設スロットの一枚はネジ一本で交換できるのに、基本スロットの一枚はここまで分解しないと交換できないようになっていて、基本スロットに刺しているメモリ容量が大きいものはPanasonic直販モデルのみという差別化。
基板の表裏の部品をよく観察し、チップコンデンサにクラック等がないかを目視確認。
・ついでにチップコンデンサを目を皿のようにして観察 |
残念ながら異常なし。
目に見える異常があったほうが対処がしやすいのですがね(泣)
さて、それではようやく本番のCPUファン交換作業に着手しますか。
右が新品のCF-S10用CPUファン。向かって右側の凹みがちょっと違うのと、コネクタが黒いことが違いですね。
・ここからが本番!CPUファンを交換します |
ネジ3本を取り外すとヒートシンクとメイン基板が分離できますが、放熱グリスが固着して貼り付いているので多少強引に。
取り外せました。ヒートシンクの下からは心臓部のCPUやらチップセットがこんにちは。
・現行CPUファンを取り外し |
ねずみ色の物体が、固着した放熱グリス。
まるでつやつやなご飯粒を放置したらガチガチに固まってしまうように、爪で削ぎ落とさねばならぬほど固い。
接触面はピカピカに回復。ここまでが取り外し作業が主体の前半戦。
・固化したグリースも綺麗に拭き取り メモリ交換は? |
ここからは後半戦。
まずメモリ交換をどうするか?ここまでまたバラすのは手間なので交換してしまいたいですが、原因の切り分け的には1つずつ作業したいので、今回はCPUファンの交換だけに留めることに。
S9用とS10用のCPUファンをよく観察してみると、コネクタの違いと羽根の構造が全く別物になっています。
・CPUファンはCF-S9用が入手できず、CF-10用を用意 |
羽根の形状は改良というのかしら?
プロペラファンからシロッコファンになっているので、これで冷却性能がアップしているのかしら??
ここで場面は食卓から自室へ。食卓は朝から2時間の格闘でグチャグチャ(笑)
・食卓はぐちゃぐちゃ |
猫のトムさんがが興味を持たないことを祈ろう(笑)
自室でハンダごてを持ち出し、コネクタの付け替え作業。
・CPUファンの電源コネクタをCF-S9用に付け替えます |
幸い配線の色は同じなのでS10コネクタを切り落としてS9コネクタをハンダ付け。これで新部品の準備も完了。
CPU等に新しい放熱グリスを塗布。そしてヒートシンクの形状変更から高さ調整のために熱伝導ゲルシートを貼り付け。
・高さ調整のため、熱伝導ゲルシートを貼り付け |
高さが合うかどうかは自己責任の範疇となります。
新品のCPUファンを取り付け。
・新品CPUファンを取り付けました |
ヒートシンクの形状以外は(たぶん)完全互換。
あとはひたすらバラしたのとは逆の手順で組み付けていきます。
・組み付けていきます |
組付けはアッという間。
多分慣れなんだろうな。巷のノートPC修理屋さんは場数を踏んでいるのでお手の物なのでしょう。
さてキーボードを取り付ける作業。またバラすことを考えるとあまり強い両面テープは使いたくない・・・・
・残るはキーボードを繋げてネジ締め |
なので軽めに固定しておきます。
ネジもピッタリ使い切り、組付け完了しました(笑)
さあいよいよ緊張の瞬間。電源をONにしましょう・・・・
ポチッと・・・・
・電源ON!・・・・OSが上がり始めた!! |
普通にBIOSが立ち上がり、CMOSの電池を外したので時計等の初期設定をやり直し。
この動作でCPUやメモリ、モニターやキーボードの動作確認ができたので、一気にOSを立ち上げてみよう。
順調に起動。そして改良型のファンがとても静か♪♪♪♪
今までとてもうるさかったファンがこんなにも静かになるとは副産物としては上出来♪
CPUの温度も上がらず良好に冷却できてきますね。
BIOSの診断ユーティリティーでも異常なしとなり、修理完了です。
エージング試験をしながらしばらく様子を見てみることにします。