電気料金プランを"電化上手"から乗り換えた場合のシミュレート

普段あまり電気料金云々を意識した事はないのですが、先日の風呂換気扇交換の日記の際に電気料金について色々と調べた時に気になったので、今日の日記で改めて触れてみようと思います。

https://…/2019/12/31/ 自宅の風呂の換気扇、交換を計画してみよう

2016年4月からの電力自由化前までは、一般家庭だと次の選択肢からの契約のようでした。

  • 普通系:従量電灯B・C/朝得プラン/夜得プラン/半日お得プラン/土日お得プラン
  • 夜間系:電化上手/おトクなナイト8・10/深夜電力

普通の契約か、夜がお得な契約の二本立て。しかしこれらは電力自由化という制度改革によって新規契約が中止され、新たに契約を結ぶことが出来なくなってしまいました。(現在契約中のものはそのまま有効)


深夜の割安な電力を使ってエコキュート(深夜に電力でお湯を沸かす装置。)や洗濯乾燥機を利用するのに最適な『電化上手』が新契約できない代わりに、後継の新たな料金プランとして・・・・

  • スマートライフS・L

なるものが登場しました。


すると、旧来の"電化上手"からこの新しい"スマートライフプラン"に乗り換えたほうが良いのか?という疑問が生まれました。
そこで今日は、プランを乗り換えたほうが良いのか悪いのかを判断するため、実績値をもとに推定する方法で計算してみることにしました。


まずは"電化上手"のおさらい。

東京電力『電化上手』の料金表

一年を『季節』で区切り、かつ一日を『時間』で区切り、それぞれに1kWhあたりの料金が設定されています。
季節区分
区分 期間 日数換算
夏季 毎年7月1日から9月30日 92日
その他季 毎年10月1日から翌年の6月30日 273日

時間帯区分
区分 期間 時間換算
昼間時間 毎日午前10時から午後5時まで 7時間
朝晩時間 毎日午前7時から午前10時までと
毎日午後5時から午後11時まで
3時間+6時間 
=9時間
夜間時間 毎日午後11時から翌朝の午前7時まで 8時間

料金(1kWhあたり)(円)(10%消費税込み)
区分 夏季 その他季
昼間料金 39.44 32.32
朝晩料金 26.49
夜間料金 12.48

  • すべての熱源を電気でまかなうオール電化住宅は、『全電化住宅割引』で電気料金が5%割引になります。(ただし、夏季・昼間時間を除く。)
    • →我が家の場合はこれが適用されます
  • 通電制御型夜間蓄熱式機器を使用の場合は、機器の総容量 1kVA につき 154円00銭割引になります。
    • →我が家の場合は2kVAで、毎月¥308円割引


これが、スマートライフプランになると大義名分は『複雑だった料金体系を単純化しました』と言う事で、次のような内容です。

東京電力『スマートライフプラン S』の料金表

一日を『時間』で区切り、それぞれに1kWhあたりの料金が設定されています。
時間帯区分
区分 期間 時間換算
朝昼晩時間 午前6時から翌日午前1時まで 19時間
夜間時間 午前1時から午前6時まで 5時間

料金(1kWhあたり)(円)(10%消費税込み)
区分 毎日
朝昼晩料金 25.80
夜間料金 17.78

  • 電気料金¥1,000円につき5ポイント貯まる。貯まったポイントは1P=1円として電気料金に充当可能
  • 住宅設備修理サービス付き。(エコキュート、電気温水器、IHなど対象電化製品が自然故障した場合に無料で修理が受けられるサービス)
  • このプランには口座振替割引¥55円(税込)/月が適用されない
  • 毎月の検針結果はWebサービス『くらしTEPCO』で確認する。紙の『電気料金等のお知らせ(検針票)』を希望の場合には、手数料¥110円(税込)/月。

確かにかなりスッキリしていますね。
季節区分という考え方が無くなり、通年で料金が一緒になりました。


そして電化上手では目立っていた昼間の高い料金が、スマートライフプランでは低く抑えられていて、料金単価の部分だけ抜き出して比較すると一目瞭然。

電化上手とスマートライフプランの料金単価比較
電化上手 スマートライフ
時間区分 夏季
7-9月
その他季 時間区分 通年
昼間料金 10-17時 39.44 32.32 朝昼晩料金 6-1時 25.80
朝晩料金 7-10時
17-23時
26.49
夜間料金 23-7時 12.48 夜間料金 1-6時 17.78

こういう数値の羅列だけだと、新しいプランがかなり良いように感じますね。
ただ、夜間時間帯が大幅に狭められていて1時~6時までのわずか5時間になっているので、時間と料金の面積で表現しないと判断を間違いそう。
また、全電化住宅割引が適用されないなど、割引がほぼ絶滅されているのも改悪点。

・電気ご使用量のお知らせ(検針票)

プランを乗り換えた場合のシミュレーションですが、時間帯別の電力使用量が分からないと計算できないため、手元にある2019年11月の"電気ご使用量のお知らせ"の値で計算します。
まず、我が家の時間区分別電力使用量がこちら。

たーさま宅2019年11月電力使用量 実績値
時間帯区分 電力量 区分内の時間 1時間あたりの電力量
昼間時間 37 kWh 7 時間 5.29 kWh
朝晩時間 101 kWh 9 時間 11.22 kWh
夜間時間 251 kWh 8 時間 31.38 kWh

うんうん、圧倒的に夜間に電力を使用していますね。我が家ではエコキュートで深夜にお湯を作るし、乾燥機も動かしているのでこれは当然の値かも。


本当は一時間毎の電力使用量を知りたいのですがそれは分からないので、この数値を時間帯区分の時間数で等分する事にしましょう。

時間帯変換テーブル
時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23



昼間時間 5 5 5 5 5 5 5
朝晩時間 11 11 11 11 11 11 11 11 11
夜間時間 31 31 31 31 31 31 31 31
スマート
ライフ
夜間時間 朝昼晩時間
156.875 kWh 232.125 kWh

そしてそれらを"スマートライフプラン"での時間帯区分に再編成すれば、使用実績を元にした新区分での想定使用電力量が求められました。


ふむふむ。
これに時間帯別の電気料金を乗算すれば、新プランでの料金がわかります。

料金シミュレーション結果
電化上手 スマートライフS
基本料金 60A契約 1,320.00 円 60A契約 1,716.00 円
昼間時間 37 kWh @32.32 1,195.84 円 232.125 kWh @25.80 5,988.83 円
朝晩時間 101 kWh @26.49 2,675.49 円
夜間時間 251 kWh @12.48 3,132.48 円 156.875 kWh @17.78 2,789.24 円
全電化割引 5% -350.19 円 該当なし
機器割引 2 kVA -308.00 円 該当なし
口座振替割引 -55.00 円 該当なし
燃料調整 -731.32 円 -731.32 円
再生エネ割賦 1,147.00 円 1,147.00 円
ポイント換算 該当なし -40.00 円
合計 8,026.30 円 10,869.80 円

ゲゲゲ!
全然高いじゃん! ¥2,000円も違うのか!
やはり夜間時間に該当する電力量がかなり小さくなっていて、割高な朝昼晩時間に組み込まれてしまっているのか大きいのか・・・・


これを、"電化上手"では割高になる夏季とみなして計算すれば、高い単価が適用され、さらに割引も効かなくなる(全電化住宅割引は、夏季昼間時間には適用されない。)し差が縮まるのでは?


わずか¥323円しか差が縮まらない・・・・


こりゃ~絶対に電化上手にしがみついておいたほうが良さそうだわ。


なんでこんな事態になっているのか、気になる記事を発見。

https://www.hng.ne.jp/knowledge/article/317/ から引用

なんでも、経済産業省の委員会が『全電化住宅という一部の人だけを優遇するのはケシカラン!電化上手は廃止しろ』と東京電力に求めたのだとか。


何だよそれ、太陽光発電とかを買うための費用を一般ユーザーに広く負担させておいてなに寝言を言っているのだ?
電力自由化とか言いながら、役人が指示っておかしな話だと思いますがね(怒)。

https://…/2020/01/09/ 風呂場用の新しい換気扇が届きました
https://…/2022/03/09/ 東京電力"電化上手"が22年10月から値上げするので計算してみた件