昨日、近所への買い物中に突然お亡くなりになったホンダ・SL230。
もうだいぶ古いバイクだから故障は仕方がないとしても・・・・ヒューズが燃えるというのはただごとではないゾ!
https://…/2019/02/16/ それは突然やってきた・・・・ホンダSL230 Fatal condition
新車に買い換えるか? ちょうど年度末が近いから、お得に買えるんじゃない?
だとしても、バイク屋をいくつか回って車種を選んだり、最後にバイク屋に引き取ってもらうためには自走できたほうが良いので、修理はしておきたい・・・・。
幸い、今日一日は時間が使えるのよね。
まず疑うのは、私が後付けした『USB充電系統』の不具合。振動により配線被覆が破れてショートしたとか、USB充電器そのものが壊れた・・・・とか。
https://…/2017/03/11/ SL230・ETC車載器とUSB電源キットの回復作業
https://…/2016/04/09/ SL230にUSB電源キットを設置
まずは(ボルト一本だけ緩めてイージーに)ガソリンタンクを取り外し、そして昨日に引き続き状況が再現しているか確認。
・SL230 サブヒューズホルダーの負荷側端子と、フレーム間が0.5Ω |
相変わらず短絡しているね。
ただ完全にゼロではなく、0.5Ωなので、バッテリ電圧が仮に12Vだとしたら、24A流れるのか・・・・。15Aのヒューズがセットされていたのですが、即時ヒューズが切れるのか微妙なラインだな・・・・
さて、虱潰しに当たっていくしか無いのですが、確率が高そうなところから見ていくか。
・ガソリンタンクの下の一番怪しい部分 |
あれっ、被覆がダメージを受けたような痕跡も無いし、端子が脱落しちゃったとかも無く、きちんと配線されているではないですか。
どっちにしろ新車に買い換えるのであれば、USB充電器とかを取り外さなければならないので、取り外しつつ診断。
USB充電器のヒューズも切れていないし、配線も正常。ETC車載器のヒューズも切れていない。
純正部品のホーンとウインカーリレーも浮かせて、その都度サブヒューズホルダーとフレーム間の抵抗値を測りますが、短絡したまま・・・・
う~む、予想が外れたか。
次に疑うのは・・・・レギュレーターのパンクか? ホンダ車のこの世代の大型バイクにはこの故障が多かったのですが、果たして小型車はどうなのだろう。
しかし手が届きにくい・・・・昨日に引き続き作業に夢中で写真を撮りそこねていますが、バッテリー取付用のステー一式を取り外し、ようやくその裏にあるACジェネレーター/レギュレーターへのコネクタに手が届きました。
レギュレーターのコネクタが焦げたり変形している様子はなく、外して抵抗値計測するも変化なし。リアストップランプ系統のコネクタもあったのでそれも浮かせて計測しても、まだ短絡している・・・・
残るは、ブレーキスイッチ系統か、メインハーネスが伸びていっているフロント周りか・・・・CDIユニットかハーネス内での短絡。
簡単に診断できるブレーキ・クラッチスイッチ周りも白。
・・・・う~む、厄介なのが残ったな。
・あと付けパーツをすべて取り払い、シンプルなSL230 |
とりあえずガソリンタンクは元に戻し・・・・車両前部のメインハーネスを追うか。
ヘッドライトリフレクタを取り外したら、どうやらこの中が防水防塵ボックスとして、各部への分岐に使用している模様。
・ヘッドライトリフレクタの裏側 メインハーネスから様々な配線が分岐 |
グッチャグチャ・・・・
そしてこれを全部追うのか・・・・骨が折れるな。
まずは邪魔なヘッドライトユニットを取り外して・・・・、一応抵抗値をチェック・・・・へっ!? 抵抗値無限大!(=短絡していない。)
おっと~・・・・!?
もう一度、ヘッドライトユニットを取り付けて計測すると、0.5Ω。
一旦配線から取り外し、ヘッドライトバルブ単体で抵抗値を測定。
・ヘッドライトバルブの抵抗値 0.4Ω |
なんと0.4Ω。
いくら電力を食うヘッドライトとはいえ、これは低すぎ。
おぃぉぃ、バルブってオープンモードで壊れるんじゃなくて、ショートモードで壊れるなんてあるの!?
12V55Wのバルブなので、単純計算で4.5A。抵抗値だと2.6Ω付近を指すはずです。
そしてバルブに電力を供給するコネクタをチェックすると・・・・
・ヘッドライトバルブのコネクタ |
熱で変形している痕跡。
間違いない! ヘッドライトバルブ、ギルティ!
わかってしまえば簡単ですが、こんな故障の仕方があると勉強になりました。
回復には、ヘッドライトバルブの購入の他、サブヒューズホルダーも変形してしまったため、交換が必要だな。
今からバイク用品店に行くのも面倒なので、とりあえずヘッドライトバルブは外したまま、自動車用品店でヒューズホルダーだけ買ってきて、回復させよう。
再利用できないほどのダメージなので、思い切って切り離すしかない!
・カットしてしまった、焼損ヒューズホルダー |
そしてこの僅かに顔を出したスペースだけで、電線同士を確実に接続するためには・・・・
私には丸型圧着端子による方法しか思いつかない・・・・。振動で緩むこともない強固な接続。
・丸型圧着端子を取り付け |
そして急遽買ってきたヒューズホルダーにも丸型圧着端子を取り付けて、相互にネジ止め。
最後に周辺のメインハーネスとともに保護。
・中央の黄色いのが、新サブヒューズホルダー |
ミニヒューズホルダーが入手できず、フルサイズになってしまった関係で多少デカイですが、長くて数ヶ月の延命であれば十分でしょう。
さあ、動作試験。キースイッチを捻ってみると・・・・
・ニュートラルランプ点灯 スターター始動 エンジン点火っ! |
ニュートラルランプ点灯!
スターターを回し、エンジン点火っっ! あっ、チョークを引いていないから点火しない(笑)
その後無事に復活。(ヘッドライト消灯なので公道は走れませんが。)
ふ~、疲れた。しかし色々気になるぞ!
以下、箇条書き。
- サブヒューズ容量が大きすぎるものがセットされていたため、適切にヒューズが切れなかった可能性 →調査の結果、純正と同様の15Aヒューズがセットされていた
- 経年で、ヒューズホルダー/ヒューズ間の接触抵抗値が大きくなっていた?
- 完全に短絡ではなく、0.5Ω/24Aとそこそこの大きさの電流が流れたため。この値はヒューズ定格15Aの1.6倍。すると溶断まで0.25~50秒ほどかかる仕様なので、ワースト側の50秒経過の前に接触抵抗が大きい部分の温度が急上昇して溶損したと考えられる
- 純正と同一とはいえサブヒューズ15Aという値は大きすぎるのでは疑惑。ただ、全部の灯火を点灯させ突入電流も考えると一段下の10Aではギリギリなのかも。サービスマニュアルが欲しい。
- そもそもバルブ故障時にショートモードで壊れるのは普通なのか?レアなのか? 球切れで走行不能になるのであれば、遠出が怖くてできないよ。
- このバルブは、二輪車用の振動対策されたものなのだろうか?ショートモード故障と二輪車用は関係があるのだろうか?
- フィラメントが切れて落下して、グランド側と接触している可能性。だとすれば、0.4Ωというごく小さい抵抗値も辻褄が合うか?
とりあえず、通信販売でバルブをオーダーしておきました。