東北ツーリング4日目の朝は秋田駅前で迎えました。
2009年にも東北ツーリングに来たのですが、一日で動けるペースが一緒だし、ビジホを転々とするスタイルだと、市街地の場所に縛られるので、移動パターンが同じになってしまった・・・・
前回は秋田駅から北上して、海岸沿いに男鹿半島→青池→千畳敷と回っていったので・・・・青池は捨てがたいが、今回は内陸から回っていくことにしよう。
天気は、午前中は濃霧で、各地に濃霧注意報。
コンクリート地獄の東京と違い、自然がいっぱいの東北は、夜はしっかり気温が下がってくれ、海から流れ込む暖かい空気が冷やされて霧になり、日が昇ると解消する・・・・
そんな当たり前の気象の変化が起こるので、朝の出発時に視界が悪くても大丈夫!
さあ、秋田駅を出発~!・・・・って、これは霧ではなくて、雲?
・曇り空の中を出発! @ 秋田市街地 |
市街地を脱し、農道を流し始めたら早速キリに囲まれ、まぁ涼しいからそのまま普段着で良いかと走っていても、いやいや無視できないぐらいにウェットになってきた・・・・
今日も朝一番からカッパさまの登場ですか・・・・まぁ、雨対策というよりもキリで濡れてさらに体温低下を防ぐ・・・・といった感じで、連日猛暑と戦っている関東圏とは別次元の寒さとの戦い。
・いきなりカッパを着込むような状況 |
でも雨に降られているわけではないので別に苦ではない。
地図を見てみると、直ぐ近くに鉄道が走っているようなのでちょっと寄り道。
・秋田内陸縦貫鉄道 西明寺駅 |
極限までなにもない・・・・質実剛健な無人駅。単線ホームと小さな待合室のみで駅舎すら無い。ちょうど学生さんも夏休みに入ってしまったからなのか、人影はゼロ。駐輪ゼロ。その割に急行列車は停まる駅だという。
秋田内陸鉄道って・・・・聞いたことがなかったので調べてみたら、国鉄線を引き継いだ第三セクターで、厳しい経営状態が続いているとのこと。うーむ・・・・人口が希薄な地帯を100kmほど走る路線では、それは厳しいでしょうねぇ。
駅の待合室の中には、手書きのいい味している運賃表。そして秋田内陸新聞!? 地域の話題を新聞風に紹介したものか・・・・。おやっ!?今日巡る予定候補地が、見頃であることを伝えているぞ!
・綺麗に手入れされている待合室の中。掲示物で情報ゲット |
問題は天候か・・・・
なんとなく地形とイメージからカルデラ湖だとばかり思っていた田沢湖。カルデラ説もあるけれど本当にカルデラかどうかははっきりしていない湖。
だから下界からはそんなに標高が上がることなく到着。水面標高249m・・・・
・たつこ像 @ 田沢湖 |
キリに囲まれた田沢湖。ピーカン姿も見たかったけれど、キリに囲まれた湖も神秘的でなかなか良いなぁ。日本一深い田沢湖の最深部は400mを越えるので、海面よりも深い。
一応観光地でしょ・・・・それなのに人影ゼロ。神秘的な情景がより一層神秘的。
田沢湖も昔はきれいな湖だったのが、発電所建設のために玉川温泉からの強い酸性水が流れ込む(通称:玉川毒水)ようになり、生物がほぼ全滅・・・・その後、群馬県・草津のように中和施設を作ったものの完全には水質が回復せず・・・・なんてことをしてしまうのかねぇ。
湖の畔を走っていたら、ちょっとだけキリが晴れた部分があるので、せめてもの記念撮影。
・田沢湖で、ちょっとだけ見通しが利いた瞬間 |
神秘・・・・的?
偶然見つけた道路脇の名水・・・・ですって。
・名水 茶立ての清水 |
せっかくなので水筒をこの水で満たそう。とても冷たいのですが、カッパを着てちょうど良い気温なのであまり嬉しくないサービスだな(笑)
その後は、"ガソリンスタンドが50km超存在しないので注意"とツーリングマップルに明記された山区間に突入。
山区間・・・・と言ってもこの辺りは水量が豊富なのか、電源開発が盛んでダムと発電所がいっぱい。
・走りやすい道 左側は川?湖? |
すると道路も金をかけて整備されるので、片側一車線の豪快で走りやすい道が延々とつづく・・・・
この辺りの川は、コンクリート堤防ではなく自然そのもの? 所々では眺めが良いなぁ。
時々通り過ぎる対向バイクのライダーさんはカッパを着ていないので、この先は霧が晴れていることに期待。
玉川ダムを越え、ダム湖畔を流していると予想通り晴れ間がこんにちは。湖の真ん中に掛かる橋が『男神橋』となんとも立派な名前がついているので、カッパ脱ぎ休憩がてら立ち寄り。
・宝仙湖 男神橋 |
なんとも清々しい橋だな・・・・湖の水質も、首都圏のそれとは段違いで青くて透き通っている・・・・
"カッパを霧と雨が止む法則"があるように、"カッパを脱ぐと雨が降り出す法則"もある。
あ~あ・・・・。そろそろ今日のハイライト『八幡平アスピーテライン』の走破なのですが・・・・昨日の鳥海山に引き続き、この仕打ち?(泣)
・R341 標高が上がるとキリが登場 |
少し降りると霧が晴れる・・・・どうやら今日は標高と天気が密接に関係しているようだ・・・・
降りてきた地点に、いよいよ八幡平アスピーテラインの分岐。バイクの左手にある白い塔は、北緯40度ポイント。
さぁ、どうする?
・八幡平アスピーテラインのスタート地点 北緯40度 |
ここまでの走行で、上に登ると間違いなく雲に突入する・・・・延長47km、頂上は標高1,600mの高原道路。
9年前の訪問時も雲に囲まれて真っ白だったこの道。わざわざホワイトアウトしに上に登るか、それとも予定を変更して他を回るか・・・・
ダメ元で登ってみるか・・・・
・やっぱりダメだね @ 八幡平アスピーテライン |
森の中では木々がキリをブロックしてくれていますが、森を出るととたんにダメ(泣)
ダメ・・・・、じゃない! 雲が高くなってきた!
・雲底が上がり、山に登ってもキリが無い |
おっ、これは・・・・行けるんじゃないのか?
きたーーーー! 逆転ホームラン、雲よりも標高が高い!
・大深沢展望台 H=1,590m @ 八幡平アスピーテライン |
その代り、展望台から下を眺めても雲しか見えませんが、それは贅沢というものでしょう。
ここでも平日観光というメリットを最大限発揮して、景色は独り占め♪♪♪♪
・八幡平アスピーテライン 山頂への登山口が見えてきた |
雲が流れて晴れ間までプレゼント。
こんな爽快な道だったのか・・・・ココ(笑)
ここが県境。
・秋田・岩手県境 @ 八幡平アスピーテライン |
そして岩手県に入ったら、完全なる晴れ!
晴れ・・・・だけれども眼下に広がる雲海を見ていると、多分この先はダメだろうな。でもこのピーク周辺だけでも晴れているのであれば、最高だよ!
・岩手県側の眺め @ 八幡平アスピーテライン |
気温も19℃と、この上ない幸せ。
そして案の定・・・・
・霧の中 @ 八幡平アスピーテライン |
標高が下がると自動的にキリの中に突入・・・・
それにしても爽快な道だったわ、アスピーテライン。
下界に降りたら、東北自動車道で一気にワープ!
北上するとようやく天気も回復してくれて、完全晴れモードのツーリング。この先も食事が望めなさそうなので、高速道路のサービスエリアで食事。
・桃豚味噌カルビ丼 ¥780 @ 東北道花輪SA |
"桃豚"は、この辺りの十和田高原のブランド豚。ほ~、意外と高速道路のSAも、地場のオススメ品を提供してくれて楽しいなぁ。
やはりSA毎に違う業者が運営していると、このような多様性が生まれ、そしてその地方地方に寄ってみたいと思うようになる・・・・ぜひ駅そばも効率化のための統一から、多様性に方針を変更してくれないかしら。
甘い豚肉を、夏でも食べやすくピリリと辛めの味噌で絡める・・・・美味いではないですか。
十和田ICで高速を降り・・・・って名前からもうどこに向かうのか想像ついちゃいますが、再び山を登りカルデラの十和田湖。
・発荷峠 |
カルデラ湖なので、周囲はぐるりと山脈に囲まれていて、そのうちの一つ、発荷峠からアプローチ。
展望台からの十和田湖の眺めは、他のある展望台と比べてピカイチだそう!
・十和田湖 @ 発荷峠展望台 |
おお~♪ 澄んでいて対岸まで見渡せる~! 青く澄んだ湖。
十和田湖はちょうど秋田県と青森県の県境にあるのですが、湖の上の県境は長い間確定しておらず・・・・2008年になってようやく決着。
ちょうど対岸のポコンと出っ張った外輪山部分が『御鼻部山』。ここから写真右手に見える中山半島と対岸の中間点を経由して、神田川河口まで直線的に県境が引かれた・・・・
これにより面積が増えた市町村は国から配られる地方交付税が増額となり、十和田湖の環境対策や観光振興に使われる・・・・いいことばかりな気が。こんなにも長い間境界でもめていたということ????
十和田湖をぐるりと周回。森のトンネルがなんとも美しい。
・十和田湖周回 |
無論平日観光モードで貸し切りね。この雰囲気は、富士五湖あたりでは醸し出すことすら出来ないような気が。
そしてやってきたのは、十和田湖から唯一流れ出ていく奥入瀬川。それらがいくつもの滝になって流れていく、マイナスイオンがいっぱいの奥入瀬渓流。
・R102 奥入瀬渓流 |
ここ、川沿いに遊歩道が通っていて、観光するならばココを歩かねばその価値を十分に味わうことが出来ない・・・・とわかっていても、半日近くここに時間をアサインするのはかなり厳しい(泣)
横着してバイクで巡ると、滝からはちょっと遠い・・・・とはいえこの距離感。
・銚子大滝 |
まぁ、雰囲気だけは味あわせてもらいました。
さすがにここはA級観光地だけあって、チラホラ人は居ますが外国人ばかり。どうした日本人! 旅をしないのか? それとも海外旅行ばかり? 意外と国内にもいい所あるよ~!
湖岸をぐるりと半周し、御鼻部山展望台。
・十和田湖外周 御鼻部山展望台 |
写真には写らないですが、ここは大量のトンボたちが佇む場所。通路から手すりから、とにかくトンボがびっしり!で、よく縄張り争いで喧嘩しないなぁと感心するほど。
そんなトンボさんをかき分けて・・・・
・十和田湖 @ 御鼻部山展望台 |
あら綺麗~♪ さっきとは逆に、左手から御倉半島、中山半島、そして発荷峠。
方角の関係で、北側から南を見下ろすこの展望台からだと、視界いっぱいに空の青と湖の青が広がります。
さぁ、十和田湖とはここでお別れして下界に。暑い~・・・・
・弘南鉄道 田んぼアート駅 |
それにしてもすごい名前の駅にやってきたなぁ・・・・その名も『田んぼアート駅』。
今でこそ日本各地で行われるようになったそれの元祖がここ田舎館村。この村の名前に『田舎』なんて入っているのは、平成の大合併で生まれたのかと思ったら、Wikipediaによると、1889年(明治22年)にはこの田舎館という名前だったのね。
"道の駅いなかだて"に併設されているタワーに登ると・・・・
・道の駅 いなかだてのタワーから見る、田んぼアート |
想像以上のクウォリティー!(笑) そしてスケール! でかすぎて1枚の写真では撮れないほどだし!
実際に近くで見ると、色が異なる稲を使い、高さと距離から見え方を計算して植えているのだとか。だから見る高さが変わると、細長くなったりデブになったりと都合が悪いようです。
・色の異なる稲で柄を表現 |
この道の駅以外にも会場があり、田舎館村役場からも田んぼアート。
あっ、ローマの休日!?
・田舎館村役場からみる田んぼアート |
田舎館のあさゆき・・・・というコメントは、このお米の品種のことみたい。さり気なくCMか(笑)
すげぇなぁ、大人が真面目に遊ぶとこうなるのか。
すぐ近くにある観光ポイントもう一つ。こらも"日本の道100選"に選定されている道。『中町こみせ通り』。
・中町こみせ通り |
伝統的建造物とアーケード(小見世)が江戸時代前期からほぼそのままの形で今に残るこみせ通り。
その当時から日差しや吹雪から人を守るアーケードがあったなんて、なんてハイカラな場所だったのでしょう。この規模でずーっと残っているのはすごい。
造り酒屋や蔵、国の重要文化財 高橋家など、超歴史級の建物が並ぶ中、銭湯がある~
・銭湯 |
せっかくだから風呂に・・・・と思ったら、ここは銭湯の跡でして、現在は交流館として使用されている建物。ちょっとがっかり(笑)
時間は16時30分。最後の観光ポイント、弘前城は・・・・タイムアップ。
多分行っても施設がクローズする時間だろう。
今日はたっぷりいろいろと見てきたので、宿に向かうか・・・・
・平野に佇む岩木山 |
広大な平野と、独立峰岩木山。
八王子という山育ちだったので、こういう平野ってだけで気分が良くて仕方がない(笑)
あぁ~、今日はいろいろと欲張りすぎて走りまくったわ~!
連日走ってくると、さすがに疲れが溜まってくるので、明日は距離を少し短めにしておこう。
ジャケットなど、身の回りのものを洗濯し、就寝。