前回のツーリングでようやく理解した、私のバイクから送信する電波(に乗る音声)にヒドいノイズが乗る件について、調査をしてみようかと思います。
https://…/2017/03/20/ 無線ノイズ対策の為の部材探し
まずは、試験環境として、バイクに搭載している無線機・FTM-10Sから試験送信する電波を受信して、自分自身で確認できるようにするための、乾電池駆動のハンディー無線機 FT-728、それとイヤホン。
・調査対象はバイクに搭載のFTM-10S、そしてFT-728でリスニング |
これで、単純に電波を発射して、自分自身でそれを受信して聞き、良否を判断できます。
まずは、再現性のテスト。
LANケーブルとヘッドセットは取り外した状態でバイクのエンジンを回し、PTTスイッチを操作して試験電波を発射するも、それはノイズだらけ・・・・
うんうん、再現しますね。
じゃぁ、なにが起こっているのかな?
簡単な構成図は、次の通り。
・配線構成ブロック図 |
まずは、コネクタ類がきちんと接続されているか確認。おっと、FTM-10Sのアンテナ接続用M型コネクタがまた緩んでいるよ・・・・
FTM-10SのM型コネクタが緩んでしまう件https://…/2009/09/09/ 快適!(?)ハイウェイラジオ
とりあえず手で限界まで締め込んで、改めて電波送信してみてもやはりノイズまみれ。
続いて、バイク側電源(ストップランプ系統から分岐)の状態を見てみよう。ノイズフィルタの手前の電源線とグランド線にオシロスコープのプローブをセット。
https://…/2016/01/09/ ポチッとオシロスコープ
https://…/2009/10/01/ オシロスコープって・・・・(?)
測定結果は、VFR750F(RC36)でも見慣れた波形。
ただし、RC36ではアイドリング時はもっと低周波の大きな波があり、非常に不安定だったのですが、VFR800F(RC79)では時代の進歩なのか、アイドリング時でも低周波の大きな波はなく、発電コイルからの電圧の山と、一定電圧でカットされている様子を観測。(RC36時代はエンジン回転を上げないとこの波形は観測できなかった。)
・ノイズフィルタへの電源入力部分の波形 【エンジン運転状態】 |
註:オシロスコープの管面画像は、屋外で撮影しているのでビームの残像がきちんと写っていませんが、ご容赦ください。
サービスマニュアルには、インバータ式レギュレータと書かれていたのですが、波形を見るだけならば従来のサイリスタ式、もしくはFET式とそう変わらなさそうね。
この波は、自作ノイズフィルターで綺麗にカット!しているはずですが、FTM-10Sの入力直前の電源波形は・・・・、マジックテープで固定して簡単に取り出せるはずなのに、上に持ち上げる隙間が少ないので取り外せず・・・・後日に先送り。
ついでに、同じノイズフィルタの手前なのですが、グランド線とバイクフレームの間での電圧波形を測定。
・グランドが揺れている! 【エンジン運転状態】 |
やっぱり・・・・グランド線の引き回し距離が長いのか、グランドとバイクフレームは同電位でなければなりませんが、振られちゃっています。
もともとのバイク側のテールランプ線から分岐させているので、どういうルートでフレームに落ちているのかは不明ですが、そこからノイズフィルタとコンデンサユニットを経由してようやくFTM-10Sに入るので、遠い・・・・。
あぁ~、ノイズフィルタを取り外した状態で測定したい~!
RC36時代にも同じ構成でしたが、たまたま上手く動いていただけで、ここのグランド強化は是非改善すべきポイントです・・・・が他も見てみましょう。
ツーリング時は、エンジンが回っていなくてもノイズが乗る現象を確認したので、電源ノイズ以外に何かある気がする・・・・
切り分けの為に、レギュレート式直流安定化電源の登場。スイッチングノイズがないクリーンな電源。ここから先は、エンジン停止状態。
https://…/2010/09/04/ 続・オークションにハマる
・安定化電源による駆動 |
FTM-10S+ノイズフィルタのみをバイク電源ラインから浮かせて、FTM-10S+ノイズフィルタだけを単独で、安定化電源のみで駆動。
これでもノイズが乗るはず・・・・
うんうん、やっぱりノイズだらけ。
当然マイクラインは・・・・
・見づらいですが、細かい髭が観測されています |
・・・・なんだろうこの髭? エンジン回していないのによ!
試しに、マイクアンプのためにFTM-10Sから供給されているDC+5Vをマイクラインにも供給しているのですが、これをカットしてもノイズは変わらず。
ちなみに、FTM-10S制御パネル側のPTTスイッチを押して試験電波を発射すると、マイクラインは本体内蔵のものを使用するのですが、こちらはノイズレスできれいな電波。
ということは、電源は多少問題は有ったとしてもシロ。
このマイクラインに何かがある!
もっと細かく切り分けたいのですが、たとえば前後間連絡ケーブルを抜いてしまうと、PTTスイッチも押せないので試験電波が出せない・・・・
よし、この部分の検証用回路を別で用意しよう!
CT-M11ケーブルをもう一本買ってきて、同様の回路を組んでみて、いろいろと挙動を見てみようっと。
どこかから、Sena製Bluetoothにしちゃおうよ・・・・という声が聞こえてきそうですが、まぁ、こういう実験が色々と楽しいのでね。
今回、こういったノイズの問題にぶつかったので、Google先生に聞いてみたのですが、バイク乗りの場合は無線機やその周辺回路に深く飛び込んだ日記とかレビューってなかなか無いんですね。
だからこそ、将来どこかの誰かに参考になるかもしれないと、色々と追い込んでみます。