去年のクリスマスの時期もそうだったけれど、なぜこの日に探索(?)という疑問は考えることはやめよう。今年もクリスマス探索!そして探索収め!なのです。
https://…/2010/12/26/ 再び奥多摩廃線跡巡りをしたら、予想以上な景色に出会えちゃった件
冬だし寒いし凍結の恐れ有りだし・・・・というわけで今回はバイクでの出発は早々に諦めて、四輪便乗作戦で行くことにします。
くぼたさん、さすがに携帯電話カメラでの隧道探索は辛いと感じたのか、ようやくデジカメを投入。その他GPSアタック用にネットブックも投入。ものすごいやる気!
・最近のお気に入り ミニストップで朝御飯 | ・新兵器投入~ PENTAX Optio RZ10 |
とは言いつつ私も、新デジカメGRD4を隧道探索に投入するのは初。いろいろ撮影してみたいと思います。
目標は地元・東京都八王子市の西の端の峠。八王子自体が西の端だから、東京都と神奈川県の県境の峠。関東平野が終わってしまい、ここから山岳ゾーン開始となる峠。呼び名はいろいろですが、八王子市民の方以外には『小仏峠』といったほうがピンと来る方がいらっしゃるかもしれません。
休日のたびに年がら年中渋滞している『小仏トンネル』が有名ですね。
鉄道も道路も、この都県境の峠を越えるのは大変なことなのです。
そして、地元八王子で育った私は、小学校社会科の授業のときに繰り返しここで惨劇があったことも教えられていたのです。
Round#1 湯の花隧道(いのはなずいどう)
国鉄中央本線。東京都側の最後の駅『高尾駅』を出発するとずーっと上り坂で国鉄小仏隧道を目指す峠越えが始まります。
その峠越え隧道の手前には、小さな小さな隧道があります。
・都県境・小仏峠へ向かう途中にある"湯の花隧道" @GRD4 |
脇には高架の中央自動車道。そして隧道のスグ上は、建設中の圏央道とそれらが交差する『八王子ジャンクション』工事現場。
時代の最先端を行く土木工事と構造物と並ぶように、100年以上の歴史を持つレンガ製の隧道。萌え~(笑)
・JR中央本線 湯の花隧道(上り線) L=160.9[m] 1901年(明治34年)開通 @RZ10 |
時は第二次世界大戦の真っ只中、昭和20年8月2日に鉄道の要衝の街としてターゲットにされた『八王子空襲』。そして8月5日にはさらに国鉄中央本線を走る列車もターゲットにされました。
疎開するために満員だった機関車牽引列車がこの隧道に差し掛かる頃、米軍のP-51戦闘機に発見され機銃掃射を受け、架線が切れたのか先頭の電気機関車だけが隧道内に入ったところで停止してしまった結果、客車がくりかえし攻撃にさらされる結果となったのです。
・慰霊碑 |
すぐ近くには地元の人たちで建てた慰霊碑があり、私も手を合わせておきました。隧道には機銃掃射の跡が残っているそうですが、どれなのか肉眼で判断することは出来ませんでした。(近づけないの。)
Round#2 レンガ構造物が沢山残る小仏越え 水路隧道・道路橋・小仏隧道
中央本線は開業が古いので、よく探せばあちこちにレトロな構造物が発見できます。
そして、わざわざ事前別日に下見までしていてくれたくぼたさん。観て回るポイントと駐車可能スペースの場所は完璧です。
まずは、徒歩でしか越えられない小仏峠越えルート(旧甲州街道)のすぐ脇にある、レンガ製の水路隧道。
・JR中央本線 名前も不明な水路隧道 |
この辺りは昔、小仏関所が設けられ、江戸との人の行き来を監視していたところ。小仏峠以外の付近の峠は通行禁止の決まりがあって、人々は必ずココを通ったのだとか。
しかし、そんな江戸時代の道は自動車がバシバシ走るには不向きで、新たに大垂水峠越えの国道が建設され流れが変わり、今の旧街道はひっそりしたものです。
綺麗に残るレンガ製の構造物。自動車や歩行者が通る隧道だと、レンガの剥離・落下という事故を警戒してコンクリートを吹き付けてしまう補強工事をされてしまうのがほとんどなのですが、ここは下が川なので当時の綺麗な姿のまま。
・内側もコンクリート補強されることなくレンガ地のまま |
綺麗~、これぞ造形美。レンガが綺麗なアーチを描いています。
下半分は石積みブロックをコンクリートで固めてある構造で、おそらく後年に水流で劣化するレンガを保護するために工事されたものでしょう。
まったりと、そして静かに・・・・でも強大な電車や機関車の重量を支え続けている水路隧道。
ここはそっとしておきたい場所ですね。
さらに小仏峠側に寄ると・・・・これまた綺麗なレンガアーチが残る高架橋(?)。
・大きなスパンのレンガ高架橋 |
コチラは、旧甲州街道と小川を跨いでいます。奥行きは先ほどの水路隧道に譲るものの、スパンの大きさ、アーチの大きさは見事です。
ここは公道を跨いでいるにもかかわらずコンクリートの補強を受けることなく、まだまだ現役で電車の重量を支えています。
・狭い旧甲州街道を走り抜けるフルサイズ路線バス アーチが大迫力! |
ほら、登山客愛用のフルサイズ路線バスが楽々通れる大きさですから、かなりの迫力ですよ!
そしてすぐそこには都県境の峠を越える『小仏隧道』。蒸気機関車時代から続く長大なトンネルですから、トンネル内では煤煙で人間が窒息する危険があり、トンネル上部には排煙装置が設置されていました。
今もその跡が残っています。
・小仏隧道(上り線)とその上に残る排煙装置跡 |
つい排煙装置に目が行ってしまうのですが、残念なのは隧道本体の胸壁等。コンクリート製にリプレースされてしまっています。
反対の山梨側の小仏隧道の胸壁はレンガ積みで原型が残っているとのことなので、ますます残念・・・・
今回は時間の関係で山梨側の小仏隧道には行かなかったのですが、自宅からすぐだし、年末に追加探索に行ってきます。
日記が長文になってきたので、今日はここまで。また明日!