自作LEDテールライトユニットVer.1 検死解剖

この間デビューした、愛車のバイク向け自作LEDテールライトユニットVer.2。そのきっかけは、約3年間使用したVer.1の白色LED不点灯障害により、次回車検に通らない可能性があるためなのでした。

https://…/2010/08/13/ 自作LEDテールライトユニットVer.2 Debut!! ~167,565.0 km~

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・愛車のバイクVFR750F(RC36)と、自作LEDテールライトユニットVer.1 ・白色LEDの一部が不点灯

車検というタイムリミットがあったので、新しいユニット一式をもう一つ作成するのを優先したのですが、本来なら『なぜ壊れたのか(?)を追求し、原因を突き止め、新しいユニットの設計に反映させるべきでした。
遅くはなりましたが、後学のために検視解剖して、障害の原因を突き止めます。

事実の確認

まずは、事実の確認から。私情その他を一切排除して、何が起こったのか、事実のみを追究します。以下、報告のため"である調"で記述します。


愛車のバイクVFR750F(RC36)から取り外したLEDテールライトユニットの外観を目視で確認したが、設計通り密封されており、雨水の侵入した痕跡や腐食は確認できなかった
また、接続端子等の金属部分における錆も確認できなかった

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・腐蝕等の痕跡はなし

内部のLED点灯基板のサイズを大きく作りすぎていたため、赤色レンズがキチンとしまっていない状態で水密加工していたが、この部分も想定通りの水密性能を維持していた。


続いて、密封するために使用した弾性接着剤をカッターナイフで切り取り、赤色レンズを取り外し、設計上水密とした箇所を再度確認したが、雨水が侵入した形跡は見つからなかった

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・ナンバー照射用の白色LED不点灯障害のため、引退となった自作LEDテールライト Ver.1を分解

続いて、現象が再現するかの確認するため、接続端子に所定の電力(直流14V)を加えた結果、白色LED不点灯の現象が再現した。

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・1組のみ正常で残りの3組は不点灯! ・白色LED周辺のみ抜き出した回路図 (訂正: ZDは20[V]です)

白色LED2個直列で1回路を構成しており、4回路が並列接続されているのですが、正常に動作するのは1回路のみであった。


次に、今までの推理で一番原因可能性が高い『接触不良・配線不良』の確認を行なった。
構造的に不安定な設置方法だった白色LED、角棒で補強したとはいえ、脆かった可能性が考えらるが・・・・

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・白色LED周辺も弾性接着剤で固めています

手で軽く振動を与えみるが、ガッチリと設置されていて強度に問題は見られず設置方法による不具合やハンダ浮き等接触不良による不具合は見られなかった。


さらに、電気的な接続を調査した。テスターのリード棒を思い切り突き刺し、各部分に所定の電圧が掛かっているか確認した。
これも正常値が測定され、配線の問題ではないことが確認できた。


白色LEDに電力が供給されているにもかかわらず点灯せず、電流が流れていないため、定電流ダイオード、もしくはLED単体の障害の可能性が考えられる。
試しに2個直列に接続されているLEDのうちの1つをバイパスさせてみた。定電流ダイオードが正常に動作していれば、1つLEDをバイパスしても正常に点灯するはずである。

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・白色LEDの一つを電流測定レンジのテスターを当ててバイパス中・・・・

白色点灯!


これにより、バイパスしたLED単体の故障により回路電流が断たれ、もう一つのLEDも不点灯となっていることを確認した。
LED内部が何らかの要因で断線していることが明らかとなったが、これら不点灯となったLEDの外観を検査しても、過電流による焼損の痕跡は見られなかった。また、他の不点灯の2組のLEDについてもいずれかの白色LEDをバイパスさせることで点灯することが確認できた。


次に、白色LEDに対して外部から振動等の加速度が働く可能性を調査した。
その結果、物理的なLED基板全体のサイズをぎりぎりまで大きく設計・製作したため、基板端部に設置されている白色LEDの先端が純正レンズユニットに接触しており、ユニット自体に加わる振動が直接白色LEDに伝わっている可能性があった。
LED基板は弾性接着剤の土台の上に構築されているため、ある程度の振動を吸収して部品に伝えない構造となっていたが、白色LEDが直接振動個所に接触し、振動を受けていた可能性があるが、分解後であるためそれを明らかにすることは出来なかった。

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・ユニット正面から撮影。下側の黒い部分はレンズが刺さる部分。 はみ出したLEDの先端はレンズに触れている可能性があった

白色LEDの耐震性能等のデータや使用温度帯に関するデータは、メーカーのデータシートを入手する事が出来なかったため、明らかにすることができなかった。


この自作LEDテールライトの使用開始時期と、故障を覚知した時期は、概略次のとおりであった。

時期 走行距離 内容
2006.01.07 111,606.5km 使用開始
2009.10.11   2回路の不点灯を覚知
2010.02.20   上記の2回路のうち1回路が機能回復
2010.05.??   さらに1回路の不点灯(計3回路不点灯)を覚知
2010.08.13 167,565.0km 使用停止

解析

可能性評価については、次の用語を使用する。
  1. 断定できる場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・認められる
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合・・・・・・・・推定される
  3. 可能性が高い場合・・・・・・・・・・・・・・・・・考えられる
  4. 可能性がある場合・・・・・・・・・・・・・・・・・可能性が考えられる

LED点灯基板には、雨水が浸入した痕跡が無く、また短絡・地絡した形跡も無いことから、外部からの不純物浸入による障害ではないと認められる。
また、不点灯となった白色LEDには焼損した形跡は無く、過電流による焼損ではないと推定される。


白色LEDを駆動する回路の動作状況を確認した結果、各部位には正常な電圧が観測され、正常に動作していると認められた。
また白色LEDの1つをバイパスすることで、直列に接続したもう一つの白色LEDが正常に点灯したことから、回路において接触不良等による断線が発生していないこと、定電流回路は正常に動作していることが認められた。


白色LEDの1つをバイパスすることで、対になる白色LEDや定電流回路が正常に動作したことから、白色LEDの内部で断線していると認められる。


4組ある白色LED回路において、3年間使用したのちの約7ヶ月の間に、いずれも白色LED部品の内部断線症状で3回路が故障しており、何らかの同一要因によるストレスが蓄積されて断線に至ったと推定される。内部断線を生じさせる要因は次の可能性が考えられる。

  1. 白色LED駆動電流がやや大きすぎ、一気に焼損とはならなかったが、点灯した累積時間による徐々に劣化がすすみ、内部断線に至った可能性が考えられる。
  2. 白色LEDの設置において問題があり、バイク本体からの振動が直接白色LEDに加わっており、長期間に渡り疲労が累積して、内部断線に至った可能性が考えられる。

ただし、いずれの可能性についても、断定にいたる事実を発見出来なかった

結論

以上より、自作LEDテールライトの白色LED不点灯障害は、白色LEDの内部回路が断線したために生じたものである。
ただし、内部断線に至った過程については明らかにすることが出来なかった

 う~む。ちょっと意外な結果になっちゃった。
 実は、Ver.2もプリント板予想以上に大きくなってしまい、白色LEDの先端がレンズに接触しているの!
 白色LEDの型式が異なるから、耐えられるストレス量も異なるし単純計算できないけど、振動が要因だとすれば、すぐに壊れそうな気がする・・・・(ToT);
https://…/2011/06/02/ ホットナイフ購入