SRT・・・・ショートレンジツーリング 隧道マニアの宴

 今日の日記は超長編です。駄文ですがお付き合いくださいませ。 

今日は、前回に引き続きくぼたさま車とバイクの混成編成によるツーリング。お盆はどこに行っても混んでいてウンザリするから、近場で普段見逃しているところをじっくり見て回る、SRT・短距離ツーリングなのです。

前回の混成ツーリング

https://…/2010/07/24/ 観音様と手打そばの郷 出流(いづる)でまったり・・・・

・混成編成ツーリング 八王子駅脇のJR中央線踏切にて

時間配分がドンピシャだったのか、ルート選定が良かったのかわかりませんが、今日一日で渋滞は1ミリも無い! それどころか行くところすべてガラガラ!

そして、対自動車との無線通話のテストも出来て一石二丁~ 

まずは景気付け・奥多摩周遊道路

八王子からは新しくなって味が無くなってしまった秋川街道・小峰トンネルを抜ければもう五日市。奥多摩への入口です。

・味が無くなった小峰トンネル ・走り屋のメッカ 奥多摩周遊道路

今日一日、トロい車が多いから飛ばすことは諦めていたのだけれど、そもそも車がほとんどイナイ!
くぼたさんの車は、上り坂こそ排気量の関係でキツそうに登るけど、平地や下りはバイクと同じペース・・・・いや、道が悪そうなところだと砂や穴ぼこを警戒して減速走行をしいられるバイクと違い、バシバシカーブに突っ込んでいく車の方が速いなぁ~・・・・という走りなので、混成編成でもストレスにならないのです。

・奥多摩周遊道路 二輪車のみ一方通行規制

つい最近バイクだけ一方通行規制がかかってしまった奥多摩周遊道路・・・・走り屋が何往復も出来ないように規制・・・・いずれは伊豆スカイラインもこうなってしまうのか(?)(?)(?)
私はブログネタのためにチョコチョコ停止しては写真撮影・・・・。でも無線もあるし、上り坂区間ならブン回せば追いつける!


エンジンオイルが焦げたようなニオイ・・・・いい匂い~♪(変態)
そして涼しいのがイイね!

小河内ダム

東京の水ガメ、小河内ダム。今でこそ道路が整備され自動車で楽に到達できますが、ダムを建築しようとしている昭和32年(1957年)頃は満足な道路が無かったことが想像でき、まず鉄道を引き、資材を搬送し、そしてダムを建設。
建設後は鉄道を休止してしまいました。(これとは対照的に、大井川鉄道井川線はダム建設後も残存していますね。)

・小河内ダム ・奥多摩湖と言った方が分かりやすいかな(?) 次は『水根』停留所

50年以上たった今でも、その遺構、東京都水道局小河内線(水根貨物線跡)はたくさん残っていますが、今まで原付時代から何度と無くここには訪れているのに、遺構にスポットをあてたことがなかったのです。


奥多摩むかしみち』として公開されていた時期もあった模様で、道標がありますし、ダムからちょっと下界方向に歩けば、国道をまたぐガーター橋、そしてトンネルが顔をノゾかせています。

・『奥多摩むかしみち』の道標 ・R411をまたぐガーター橋・・・・ガラガラだね。

さらに国道を下界方向に歩くと、しっかりとしたコンクリート製の高架橋が残っていますね~。

・国道411号をさらに歩くと・・・・ ・こんなにしっかりしたコンクリート高架橋が残存!

そして今回、ただ眺めるだけではなく、ここに登ってみることにします。"奥多摩むかしみち"として使われていた進入口は草に覆われていますが、肌を露出しないライダーの装備が大活躍、バシバシ登ります。

・先陣を切る私・・・・くもの巣と格闘中! ・滝は涼しい~

う~ん、自然のわき水で滝が出来ていてとっても涼しい~♪ 周りより2~3℃違うよ!
さらに狭くなるアプローチ路。ちょっと不安・・・・

・狭くなるアプローチ路 でも人間の手が入った跡はしっかり残っている・・・・

狭いアプローチ路を登ると・・・・

・高架橋の上に到達 うっ!! レールが残っているジャン!!!

うっ! レールが残っている! すげぇ~、ちゃんとした遺構じゃない!!


さっき見たトンネル方向は、高架橋の上にもかかわらず木や草が生い茂りアドベンチャーゲームで言うなら行き止まり状態

たーさまは、すすめない!


では、反対側は・・・・

・反対側はトンネルだ・・・・

こちら側は別のトンネルがぽっかりと口を開けています。照明とかは当然存在せず、真っ暗だ・・・・

くらくて、まえがみえない。ここをとおるには、アイテムがひつようだ。


でも通行止めの柵とか無いし、歩いていけるじゃん! 期待以上の出来事が目の前に繰り広げられていて、ちょっと興奮状態!
手ぶらで来てしまったので、いったんバイクまで引き返し、アイテム(ペンライト)を装備しつつ、近くまでバイクを持ってきてから再突入です。

・ベースキャンプを近くに寄せて再突入です。(あっ、ヘッドライト点けっぱなしだ!)
たーさまは、ペンライトをみにつけた。


さらには、蜂が襲ってきたりする可能性も考え、ヘルメット被ったまんま、グローブもしたまんま・・・・
コレなら、どんな攻撃にも耐えられます。

たーさまは、ヘルメットをみにつけた。ぼうぎょりょくが 3 ふえた。
たーさまは、ぬのグローブをみにつけた。ぼうぎょりょくが 1 ふえた。


さあ、改めてトンネルにアプローチ、そしてペンライトON!

・この格好ならば、怖いものなし!
> すすむ
   きゅうけい
   かえる

ドキドキしながら歩いていきます。中はカーブしているので、しばらく反対側が見えません! 怖い~

・じわじわと進んでいきます ・ようやく反対側の明かりがっ!

初めのうちは落ち葉が吹き込んで堆肥になったのか、フカフカの落ち葉ジュータンの上を心地よく歩きますが、さらに奥に行くと、大きめの砂利・・・・さすが鉄道跡!
ちなみに、デジカメの性能が良すぎて、真っ暗なのに明るく撮れてしまいます。本当は真っ暗なんですよ!!!

・ペンライトで床を照らしました。本当はこれだけしか見えません!
たーさまは、こわくてドキドキしていた。16 のダメージをうけた。

所々で天井から天然水が滴り落ちてくる(ホースで水を掛けられているみたいにドバ~ッと!)し、なによりトンネル全体がヒンヤリ涼しい~。
不思議なことに、虫やコウモリなども居なくて快適そのもの。やがて反対側につきました。

・反対側に着きました ・手すりはありますが、草ボウボウ

むかしみち時代の手すりが残っていますが、やはり草ぼうぼう・・・・もう少し寒くなって草が枯れてから再チャレンジした方がイイだろう・・・・
今日はここで諦めて下に降りることにします。

たーさまは、ルーラのじゅもんをとなえた。
なにもおこらなかった。

ちくしょ~、現実の世界に呪文なんて有る訳がない・・・・今度は国道トンネルを歩いて元の場所に戻ることにします。

・R411国道トンネル ・岩がゴツゴツ・・・・コンクリートを吹き付けただけのトンネル

歩道の無い狭い国道トンネル・・・・廃線になった鉄道トンネルより数段劣る構造。まるでこの愛車に乗り始めた直後、長野・上高地で走行不能トラブル時に電話を探し歩いた時の思い出がよみがえります!

奥多摩湖ロープウェイ

小河内ダムから、国道411号を塩山方面に駒を進めると、何もないロードサイドで突然おみやげ屋が乱立し、都営の無料駐車場があるエリアがあります。
私も過去に何度も利用している休憩スポット。

・都営駐車場 ・場所はココ 地図を拡大し、下にずらしてみると・・・!

実はココ、奥多摩湖を跨ぐロープウェイの駅があった場所なのです。全然知らなかった~!!!
確かによく見ると、ロープウェイの支柱とロープが見えるじゃん!! 観察眼が無いな~(>_<)

・休憩場所から良くみると・・・・ ・ロープウェイの支柱だっ!!

早速支柱の見える方向に徒歩で向かうと・・・・

・ロープウェイの駅は見えますが・・・・

木々に覆われた駅の建物が見えます。
が・・・・道が無くて全然近寄れず。正解は支柱と反対の道を歩いていかねばなりませぬ・・・・。


結構な登坂をすると・・・・

・徒歩で登坂し近づきます ・柵がありました・・・・(>o<);

が~ん。柵で塞がれていて近寄れない・・・・
残念ながらここで諦めて引き返すことにしましたが、こんなに残っているなんて・・・・ちょっと興奮してます!


なるほどね~、昔はココがロープウェイ乗り場で観光客でにぎわっていたんだろうなぁ。ましてや奥多摩周遊道路なんて存在していなくて奥多摩湖の対岸に渡るにはロープウェイしかないので、ココに都営駐車場が存在し、お土産屋が乱立しているのね・・・・。


なんかあちこち歩き回っていると、まだ10時半だというのに腹が減ってきた・・・・ココから先、塩山市街まで食事処無しだしなぁ!

・定番のプリンシェイク!

これでエネルギーチャージ!! むろん一人で二本飲み売上に協力しておきます。えへん!

道の駅・たばやま

あれ~(?) こんなところに道の駅なんてあったっけ(?)(?)(?)

・東京/山梨県境を越える ・道の駅の予告看板

しばらく来ていない間にだいぶ変わったんだなぁ。これなら塩山につく前に腹ごしらえができるゾ!

・ピカピカの道の駅 ・お腹空いた~

ピカピカなのできっとデビューしたての道の駅なんでしょう。さすがお盆時期なのでココだけは人が多く、活気があるなぁ~。


むっ!

・むむっ! 豚丼があるゾ!

メニューに豚丼がある! 帯広豚丼フリークを自称する私は、ここは豚丼を食べねば・・・・でも暑いからそばもいい・・・・でも豚丼・・・・


場内にある釣り橋を渡り、温泉施設内の食堂に・・・・オープンは11時30分からだって。じゃあ川で涼もう!

・道の駅にある釣り橋 ・ヒンヤリ川が嬉しい

場内を流れる川では、子供達が泳いでいたり、バーベキューしていたり。そんな中、我々も冷たい水で顔を洗いシャッキリ!!


さっぱりしたところでメシ。

・鹿肉ソーセージ

歯ごたえが素晴らしい鹿肉ソーセージ。淡白な味わいにピリッとスパイス。ビールに合いそうだ・・・・


そして、豚丼・・・・ではなくて、そば

・ざるそば ・手打ちそば

メニューにあった"ざるそば"と"手打ちそば"。何が違うのかと思ったら、そば自体が全然違う!
ちなみに私は手打ちそば。オーダーしてから20分以上待たされ、くぼたさんはとっくに食べ終わってる・・・・完全に負けモードの時に出てきたそばは、ふんわりそばの香りがするおいしいおそばでした。


なんかもう、ここで温泉に入ってのんびり帰るものいいカモ・・・・なんて本気で考えましたが・・・・

JR中央本線・勝沼ぶどう郷駅

R411のピーク、柳沢峠(1,472m)を越えて、山岳地帯への入口の駅『勝沼ぶどう郷駅』に向かいます。高台にあるこの駅からの眺めは結構好きで、昔からこの駅前で缶コーヒー休憩をしに立ち寄ったものです。

・勝沼ぶどう郷駅

この駅は、東京に向かっていくJR中央本線のいちばんの難所笹子峠越え』の途中にあり、ココから笹子方面は長~いトンネルが続いています。


掛けッぷちを走る鉄道が、防災のためにルートが変更となりトンネルも新しくなったのですが、古いトンネルは遊歩道として一般開放されているので、今回はこのトンネル内部を歩いてみるために立ち寄ったのです。
さて、めざせトンネル・・・・

・いきなり電気機関車の展示

トンネルに到達する前には、電気機関車が展示してあります。この型はよく八王子でも見る山岳用電気機関車。険しい山岳地帯を越えるため、貨物列車はすべて八王子で停車してこの機関車に繋ぎ変えていました。


さて、さらに歩くと・・・・

・現役の新大日影第二トンネル(左)と、現役引退した大日影トンネル(右)(1903年~1997年まで使用

現役で使用しているトンネルのすぐ脇に、お目当てのトンネルがありました。
現役のトンネルはコンクリートで出来ていますが、旧トンネルは石積みでとっても重厚。こうして見比べると『新トンネル』って味がないねぇ~


蒸気機関車のススで汚れた石が、歴史を物語っていて、重厚さを演出しています。
長さ1,400m弱。中は当時のまま残されて、端から端まで歩けます。さっきの奥多摩のトンネルとは違い、現役時代の蛍光灯照明がそのまま使われていて、手ぶらでOK。

・実際は薄暗いのですが、明るく写りすぎてしまうデジカメ・・・・スゴい性能だ!

そして、とにかく涼しい~
写真が白っぽく写っていますが、トンネル内の風は外気が急激に冷やされたからなのか、霧のようにモヤがかかっているし、トンネル全体がしっとりと湿っています。

・沿線電話機もそのまま残っている ・100m間隔ぐらいでお勉強

約50m間隔ぐらいで保線員の待避所があり、ここに歴史を勉強できるボードが掲示されていて、1,400mを飽きずに歩けるように工夫されていますが、隧道マニアにそんな調味料は不要!


このトンネルは奥多摩の廃トンネルとは違い、上から水が降り落ちてくる事がありません。なんと、水をトンネルに落とさないためにトンネル上部に水路まで作り、水の流れをコントロールしているとのこと。さすが昔の建築物はあらゆる想定をして設計されているのですね!

・1,400mもあると、いくら直線のトンネルでも反対側が見えない!!

美しく積まれたレンガを眺めつつ普通鉄道における上限値25‰の上り坂を歩けばアッと言う間なんです。


そして、その先にあるもう一つの深沢トンネルは、夏でも冬でもほとんど気温や湿度が変わらない性質を利用した天然のワイン保管庫として使用されています。

・大日影トンネルを抜けると・・・・すぐに次の深沢トンネル。ワイン保管庫!

ワイン保管庫は、受付の人に声をかければ入口周辺だけは案内してくれるらしいのですが、ワイン庫を借りるつもりはこれっぽっちも無いので辞退しておきました。


帰りもまた、1,400mの徒歩。今日は本当に良く歩くなぁ・・・・
そして、トンネルを出て、駅の反対側には昔使われていたスイッチバック駅の跡がありました。

・木々が生い茂る旧ホーム跡 ・たぶん復刻版の看板

そして、このホームの下のトンネルがまたいい味しています!

・駅の下にあるレトロなトンネル

もともと勝沼駅は存在しておらず、この辺りで取れる葡萄などの作物は、手間をかけて麓の塩山駅か、山の上の初鹿野駅まで運搬してから列車に乗せる必要があり、地域の人が懇願してココに駅が造られることになりました。
しかし、ここは急坂の途中なので普通に駅を作ることが出来ず、スイッチバックの駅を作ることになりました。


この駅の下を通り抜けるトンネル、もともとのトンネル1903年製と、後から駅が出来たので伸びたトンネル1913年製がくっついて一つになっているトンネルなのです。

・普通のトンネルのようだが・・・・ ・途中で延長されています!

すばらしいね! 100年以上たってもビクともしない機能美。ひとつひとつレンガを手で積んで作ったのでしょう。素晴らしい仕事です。

まだまだ! 笹子隧道

う~ん・・・・日記長くなりすぎた・・・・。というわけで、ココからはダイジェスト版で!
勝沼から山を登り、ピークの笹子峠にも古いトンネルがたくさん。とても重要で地域の期待が込められていたのか、鉄道トンネル(1903年開通)には、当時の総理大臣伊藤博文のサインが刻まれています。


対する道路トンネル(1938年開通)も、それは立派。前回訪問時は工事中で通れなかったのですが・・・・

・笹子隧道 ・前回訪問時は工事で通れなかった・・・・

トンネルの内側にコンクリートを打ち付けられてしまった!

・味が何にも無い笹子隧道内部

味が無くなってしまった・・・・
帰りは元有料道路だった、新笹子トンネル(1958年開通)。

・新笹子トンネル ・だいぶ広くて快適だけど築50年以上

天下第一!御坂隧道

お次は、坂に敬語を使っている不思議な峠&トンネル、御坂(みさか)隧道(旧)へ。

・御坂トンネルへのアプローチ

高速ワインディングで標高を稼ぎ、途中から旧道にスイッチ・・・・

・旧道は通行止め!

ゲゲッ! 通れない~!
仕方がないから、やはり元有料道路だった新御坂トンネル(1967年開通)を抜け、反対側からアプローチ!

・新御坂トンネルで反対側に周り・・・・ ・御坂トンネルにアプローチ

いろいろ歩いているせいか、自分の燃費も悪い! 天下茶屋でメシにしよう。天下茶屋ほうとうに、きのこほうとう
とってもボリューミー! 下界と違い涼しいので、熱いほうとうが美味いです。

・御坂峠の天下茶屋 ・きのこほうとう

食後の運動のため、歩いて御坂トンネル(1931年開通)を散策

・歩いてトンネルを散策 ・トンネルの反対側までは歩けます

今日一日、いろんな隧道を見てきただけあって、目が肥えてしまったのか、コンクリート造だとどんなに歴史があっても近代的に見えてしまう・・・・


その後、無料開放中の東富士五湖道路で山中湖、R413道志経由で帰りましたが、さすがに帰りは渋滞してるだろう・・・・と警戒してましたが、ガラガラ

あんまりガラガラなので、怖いもの見たさ、渋滞にハマりにR20大垂水峠越えにスイッチしますが・・・・ガラガラ!

・東京/神奈川県境 R20大垂水峠・・・・ガラガラ!

もりだくさんな一日だったのでした。
くぼたさま、お疲れさまでした!