悪天の予報・早く逃げます ~2008GW北海道ツーリング・行程9日目~

今日は夕方から全道的に雨になる天気下り坂の予報で、道東ほど降り初めが早く、多和平のある釧路地方は降水確率が12時から70%、18時から90%。この高確率であれば間違いなく雨にやられます。それもかなり強い雨が予報されているのです。
日程的にもそろそろ撤退しなければならないし、もともと持参した数が少なかった着替えも底を突き、おまけに生米も残りわずか。今日は雨回避&補給のために帯広に宿を取ることにします。
その帯広も、降水確率12時から50%、18時から90%。
これらの情報から、正午までに帯広に逃げ切る事にします。なんとか天気が正午まで持ちこたえてくれる事を祈るばかりです。

そして、会社の同僚にもかなり迷惑をかけている今回のツーリングなので、ぜひお土産を入手したい。仮に正午まで天気が持つと仮定した場合、多和平→帯広ならいくら足が遅い私でも逃げ切れるので、3時間寄り道して多和平→釧路湿原コッタロ展望台→釧路市街・和商市場→帯広のルートにします。

・帯広直行ルート ・釧路湿原回りルート

早く起きた朝は・・・

と、ここまでは昨日のテントの中でラジオを頼りに計画したものです。


朝5時に起床、テントから顔を出すと・・・

・既に雨

この時点で霧・・・、いや、霧雨です。正午までに逃げ切るどころの話ではありません。どうしよう・・・。予定変更で帯広直行か、予定強行で釧路経由か・・・。
もし釧路お土産ポイントを逃すと次はフェリー乗船前の函館市場しかなく、しかも夕方到着の可能性があるため買えないかもしれない。手ぶらで帰ったら大ヒンシュクなので、釧路経由にします。

緊急くもり止め

この時期でも小さな虫は活動しているので、晴天の日にバイクで流すと一日に2回~3回もシールドを掃除しないとダメなほど虫でドロドロになってしまいます。

・シールドは虫だらけ ・コレで拭きます

そこで私は顔面脂取り用のペーパータオルを持ち歩いています。これだと脂を分解する成分が含まれているため、虫がつぶれた跡も綺麗にふき取れるし、顔面用なので強い成分が入っておらずシールドに悪影響が出ないのです。あえて悪影響をあげるのならば・・・油分が取れすぎてしまうこと


気温3度の霧雨多和平キャンプ場を出発、高性能衣類のお陰でなんとか寒くはないのですが、降雨との相乗効果ですぐにヘルメットシールドの内側が雲ってしまい視界不良、かなり走行に難儀します。油分があるとシールドは曇らないのですが前出の理由で私のシールドはバシバシ曇ります。
やばい!、体制を立て直すために近くのJR標茶駅に寄り、雨宿りをしながらキャンプ装備品の一つ、ママレモンをシールドの内側に極薄で塗り曇り止めの代用とします。(←界面活性剤が曇り止めの効果があるらしい。)
さらに、思った以上に雨足が強いので、マイナーロードツーリングのポリシーは一旦解除し、走りやすく確実に目的地に到達する国道を使用し、かつ、どうせ寄っても何も見えない釧路湿原コッタロ展望台は諦めて釧路に直行することにします。

・ルート変更

こんな視界不良の悪天の時に限って、直線道路の遥か向こうに何かいる・・・


徐々に近付くと、反対車線には親子のシカが!
しかも悪天下の走行でヘッドライト点灯していた(←私のバイクは古いので、合法的にヘッドライトを消灯できる。)ので、暫くはジ~っと見つめ合い(シカが光を見つめるのは習性らしい。)、近距離になったらいきなりコッチの車線に飛込んで来やがった!!!


フルブレーキ!!!
なんとか手前で止まれたのですが、一息付くのではなく『カメラ、カメラ!』と頑張るも、完全水防体制をとっていたためカメラを取り出す事が出来ませんでした・・・。
止まれたから良い思い出、ぶつかっていたら・・・(?)

和商市場

ココに来たのは1997年の北海道ツーリング以来だから、11年ぶりの訪問です。昔はもっとボロかったイメージがあるのですが、ローソンが出来ていました。
JR釧路駅近くにある市場なのです。

・JR釧路駅 ・←のすぐ近くにあります ・中に入ると・・・ ・こんな感じです

まずは本来の目的、お土産用に『かに』をチョイス。タラバは高いので『あぶらかに』にしました。特にお世話になっている同僚と上司に送っておきました。

・カニがたくさん ・美味そう~!!

そして、この市場の名物(?)が勝手丼(かってどん)です。


実はコレ、ライダーは貧乏なので米だけ炊いて持っていき、市場でいくらとか刺身とか、自分の好きなものを(市場からしてみれば迷惑だとは思うのですが)非常に少量を購入しその場でご飯に乗せて丼にして食べていたのですが、市場側がそれを名物にしてしまったのです。
10年以上前は、かろうじてライスだけ売ってくれる店が市場内にあって、小売してくれそうな店と具材を探してウロウロしてのですが、今の和商市場は『勝手丼ウエルカム』状態です。どこのお店も回転寿司の具みたいに切った状態で刺身などが陳列されていて、昔みたいに何グラムでxx円みたいなノリではなくなってしまいました。まるで形を変えた回転寿司です。

・勝手丼ウエルカム ・ライスのみ購入¥200円 ・細かく切った状態で陳列販売 ・完成~。

昔はいくらとかはお玉でドバドバ注いでいたのに~。
しかも刺身とかも微妙に価格設定が高くてアッという間に¥1,000円コースです。私の場合は安いネタが好きなのと、カニを買ったので自動的にかなりオマケしてくれて頼んでもいないのに隙間があるからと無料でバシバシと具を乗せてくれました。ヅケマグロにイカにえんがわ、マダラにしめ鯖、キングサーモンにホタテ。朝から良いもの食べすぎです。


ここ数日、サーモンにもハマっていて、キングサーモン美味しい~!!

雨天走行

いくらハイテク装備とはいえ、冷たい雨が直接体に打ち付ける状態ではどんどん体温が下がり寒くなってきます。
幸いなことに市場内には暖房が効いていてベンチもあるので、暖をとりながら地図を開いて今後のルート確認し、全て頭に叩き込みます。雨天だと屋外で気軽に地図を見るのも難儀ですからね。


そして、ココから先は写真撮影すらありませんひたすら帯広に向けて走るのみ!です。
釧路から寄り道無し2時間で、帯広に到着です。そして帯広周辺だけはまだ降雨が無く、何とか天気が持っていてくれました。走行風で衣類が乾き、ドロドロ状態で宿に入るという最悪な状態は回避できました。


しかし、予備を含めて3つ持ってきたグローブのうち、一番厚手のグローブが水没してしまいました。厚手なのでなかなか乾かないので、残り2つの薄いレイングローブのみで旅を続けなければならなくなりました。

持参グローブの種類 特徴
消防レスキュー隊御用達
高性能グローブ
ケブラー製防水透湿防寒グローブ生地が厚くてある程度の防寒性能があり、グローブヒーターと組み合わせると無敵です。ただし厚手なので一度水没するとなかなか乾きません。また雨天走行をするとどうしても袖口経由で水が浸入し、もって3時間です。(これはどのグローブでも一緒。)
レイングローブ 雨天時専用の防水透湿グローブ生地が薄いので防寒性はいまいちだが、たとえ水没したとしても乾燥が速い
予備レイングローブ 現在使用しているレイングローブの前に使用していたもの。万が一、長時間の雨天走行(東北道縦走など)をするハメになると途中で水没するのでグローブをとっかえひっかえして走らないと手が死んでしまう・・・為の時間引き延ばし用です。

レイングローブだと防寒性がいまいちなので、今日みたいに気温1桁台の雨天走行では歯が立ちません。厚手グローブを使用し続けてしまったのですが、気がついたときには既に袖口から水没し、帯広に着いたときにグローブを外すと中身ごと裏返ってしまったし・・・。

豚丼・新橋

自称、豚丼フリークの私は、帯広に寄ったのであれば避けては通れないんです。絶対に豚丼を食べなければならないのです。
バイクは風雨に打たれない場所に隠した(?)ので、JR帯広駅から徒歩圏内の豚丼屋を目指します。そして、今回はココにしました。

・豚丼・新橋 ・デカデカと宣伝 ・入口脇にも豚オブジェ

写真は今にも雨が降り出しそうな曇天下で撮っているのでとっても薄暗いですが、ご勘弁ください。
ここの豚丼は・・・、ずばり『真っ黒』なのです。普通の『豚丼¥700円』と、肉を多くした『肉盛り¥900円』があるので肉盛りと味噌汁をオーダーしました。

・真っ黒な肉盛り ・肉がタワー状に盛られる ・なめこ汁

料理って、多少は彩りが味に影響すると思うのですが、薄暗い照明に真っ黒な豚丼だと、全体的にどよ~んと沈んでしまいそうです。
真っ黒なのは、濃厚でドロドロまで煮詰めたと思われる特製タレの色で、スパイスの苦味ではない苦味があります。
ピリッと来るので、豚丼上級者がハマると通ってしまうような味です。


でも、肉盛りにしたのに、肉が少ない・・・。もっと分厚いのをガッツリいきたかった・・・。

帯広豚丼に関して1ページにまとめてみました。私のHPの 帯広豚丼 コーナーへどうぞ!

予報どおりの雨

やがて雨が降ってまいりました。
大都市で足止めなので時間を潰す手段は幾らでもあり、ずーっとオフライン生活をしていたのでインターネットカフェでニュースを見たり、旅日記の整理をして、洗濯して、スーパーに買い物行って・・・。


今日は文明の利器をたくさん使用して現代人生活を送ります。やっぱいいなぁ、テレビは

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