知床巡回は作戦勝ち ~2008GW北海道ツーリング・行程8日目~

常に天気が気になるバイクツーリング。今日の予報は『晴れ、朝のうち曇り』とのことなので、順延になっていた知床巡りをすることにします。
日があるうちが活動時間。朝5時45分、今日もテントを撤収しないベースキャンプ作戦をとり、気温3.5℃の極寒の中を出発します。

・今日の予定ルート

この時期の知床峠は夜間通行止めになっており、今日の開通時間は『9時~16時』なのですが、きっと私の足の遅さならば向こうに着く頃には開通しているであろうとの読みです。
相変わらず多和平周辺の早朝道路は野生動物が多く、シカやキツネや鶴がいますが、今日は『』がいました。


あれっ!(?)
と思ったら、近くの牛舎から脱走したみたいで、バイクで近づいたら怖がって自分で牛舎のほうに戻っていきました・・・。(普段だと興味もって寄ってくるくせに・・・)

開陽台は霧のなか

ちょうど知床への通り道なので、330度の地平線が楽しめる開陽台に寄り道してみました。

・開陽台への道標は・・・ ・なぜか北方領土のことが!

朝のうちは曇りなので、のんびり走っていくうちに晴れるだろう・・・と思っていたら、霧が出てきました視程500m以下なので、当然地平線なんか見えるわけありませんでした。
こんな中でもたった一人のライダーがココでキャンプをしていました。なんだかうれしいなぁ~。

・突然霧が!! ・展望台が霞んでいます ・当然景色は見えない

そういえば世間は昨日からゴールデンウィーク後半戦。開陽台の駐車場には数台の車が止まっていて皆さん中で寝ているみたいです。
でも、許せないのはエンジン掛けっぱなし!


バイクでロングツーリングをする場合、防寒対策その他装備の失敗は、旅の継続が困難になるほどのダメージとなるため、出発前に十二分に想定をして、さらに積載能力が限られているため厳選を繰り返して残ったものを持ってきます。大袈裟に言えば登山時の装備選定と一緒です。だから真剣なんです。
ライダーはみんなそんな苦労をしているから、キャンプの時にダッチオーブンを持ってくるライダーや、炭をまるまる一箱持っているライダーなど尊敬のまなざしで見てしまう(それらを積むために、きっと他に重要なものを積むのを諦めて、行程上で苦労している。)んですが、車キャンプ組みがそれを持ってきていたからといって別に尊敬しません。有り余る積載能力があるから考える必要が無く、積んでしまえばよいんです。
そして、バイクから見れば『常に宿付きで移動している』という安心感。最悪は車の中で寝ればよいという安心感は絶大で、旅が楽になります。最悪事の逃げがあるからこそ、彼らは出発前に深く考えません


(正式にはキャンプ場ではないけど・・・)キャンプ場の隣の駐車場でエンジンかけっぱなしで寝るという神経が全くわかりません。
寒さをなめていて、もしくは寒さを考えていなくて、実際に夜に寝てみたら寒くて耐えられず暖房をつけてしまった・・・。バイクツーリングならば風邪を引いてしまい旅がジエンドとなるおろかな行為です。せめて辺りに何にも無い草原の真ん中で、それをやってくれないかなぁ。迷惑です!

寒いぜベイビー

いや~、それにしても今日は寒い!車載温度計も3℃付近を示していて、グローブヒーターを装着して寒さを凌ぎます。すると・・・

・道路情報板が見えます ・ん!(?) 1℃!!

そりゃ~寒いわけだわ。


ちなみに、国が発注を間違えたのでしかたなくこうしたとしか思えないオブジェを発見です。
国道には『おにぎり』の看板が目印で、県道や道道は『ヘキサ』の看板が目印なのです。そして、道東には妙に違和感がある大き目のヘキサ『デカヘキサ』もたくさんあります。

・おにぎり ・ヘキサ ・デカヘキサ

そして、普通の案内標識のサイズで主張するヘキサがありました。

・ビッグヘキサ(写真だとわかりづらいけど超巨大!)

こんな看板を建てる意味がわかりません!

アーチ橋

国道244号を斜里に向けて進んでいると、突然天気が快方に向かい始めました。こうなればこの先は安心です。
すると、国道を跨ぐように建築され一部が崩落(?)しているアーチ橋があったので足を止めてみました。

・国道脇にアーチ橋 ・故意に切り崩したようです ・解説の看板 ・文化庁有形文化財

なんとこの橋は昭和15年に国鉄が根北線のために建設をしたもので、10連のアーチ橋だったものを国道の拡幅工事の際に中央の2連を撤去してしまったそうです。
結局太平洋戦争が始まり根北線が開通することなく廃止となったため、この橋は一度も使われることが無かったそうです。

北海道ではアーチ橋がたくさん建設されました。糠平町の旧国鉄士幌線のアーチ橋群がそうですが、建設材料を現地調達して工事費の圧縮を目指したもので、それらで建設技術を習得してココ根北線の橋梁を建設し、さらに全国へとその技術が継承されたそうです。


当時の建設技術には感心します。こんなに綺麗に残っているんですもの。鉄筋とかを使用していないので、内部から錆びで膨張してコンクリートがヒビ割れ・・・といったこととは無縁で、逆に現在の建築技術だとすぐに壊れてしまいそうな気がします。

あれっ!?予想外の・・・

寒い~。
道の駅ウトロに寄ったら、なんと無料で温かい三平汁がもらえました。
うまい!体が温まるし、バイクにはありがたいサービスです。中に入っている鮭が美味しい。しかも、この時期だからウニ丼は諦めていたのですが、ウトロ漁港で取れたウニを販売していました。今日の朝とれたもので値段はなんと¥980円。この時期ウニが食べられるなんて予想外! 夕食のために1板買ってしまいました。

・板ウニ(ウニの頂点!蝦夷バフンウニ)

後から調べたのですが、日本海側だとウニの漁期が6月~8月ですが、ここ知床の場合は5月~8月中旬だそうです。しかも知床産のウニは極限までミョウバンの量を減らしているので日持ちがせず、一般の流通ルートには流れないのだそうです。これは良い買い物をしました。

World Natural Heritage・世界自然遺産

さて、ようやく知床に着きました。道路にある案内看板にも、ここから『世界自然遺産』であることが示されています。
でも、『世界自然遺産』というキーワードだとテレビやラジオで何回も聞いているのであんまり驚かないのですが、その下に英語表記で『World Natural Heritage』と書いてあると"World"が世界に誇るべき内容なんだなぁと、なぜか感動してしまいました。

辺りは薄い霧がかかっている為、いきなり知床峠を越えるのではなく、知床五湖に寄って気温が上がるのを待つことにします。私、運が悪くて『一湖』しか見たことが無いんです。(熊が出没するので、その日によって立ち入り可能な範囲が変わるのです。)

・道の脇にはシカ ・道の脇にはシカ! ・道の脇にはシカ!! ・道の脇にはシカ!!!

ちょうど朝のお食事時間帯なのか、アチコチで鹿が草を食べています。こまめに止まって観察してしまいました。バイクだとどこでも端に寄せて止められますからね。

そして、知床五湖徒歩巡りの拠点となる駐車場に行くと・・・

大渋滞! ・どこまで並んでいるの(?)(?)

ナニコレ!

北海道ではほとんど車なんていないし、信号待ちですら数台しか並ばないのに、どこまでも車が見えます。
こんなのを待っていたら日が暮れてしまうと心配するほど並んでいます。私も大人しく最後尾に付けましたが、全く動かない車列です。


知床五湖、やめようかな・・・・


ところがです。警備員さんが手招きしています。どうやらバイクは反対車線を通って先頭に行けと指示しています。
指示に従い、1kmほどパトカー気分を味わうと、先頭ではわざわざ反対方向への車を止めていて、私を最優先で通しているみたいです。なんと駐車場のバイクスペースは一台もいないので、そのまま待ち時間ゼロで駐車。徒歩で湖に向かうのでした。

・木道を歩いて・・・ ・霧の1湖 ・やっぱり霧の2湖 ・水芭蕉もたくさん

今回は2湖まで行くことが出来ましたが、あいにくの霧で景色自体は良く見えず・・・


また来た道を戻ります。

・シカ横断中 ・美味そうに食べています ・コッチも

まだお食事の時間帯みたいですね。道路脇に生えている芝が柔らかいのでお好みのようです。
そして、国道334号、知床峠を越えます。


相変わらず北海道の峠はスケールがでかくて、広い路面に緩やかなR、そして距離を長くして緩やかにした勾配の道を、トルクのあるバイクで流すととっても気持ちよいです。
でも、ここは速く走ったら勿体無いので、のんびりと流すのが良いです。

・登ると雪が残っています ・知床の海も綺麗に見えます ・スケールがでかい ・そして頂上

頂上も綺麗に晴れていて、雲ひとつ無い快晴!
コレは素晴らしいなぁ~。

やっぱりウニが好き

知床にまで来たのだから、なにか海のものでも食べようと羅臼の街で食堂に入りました。別にウニを食べるつもりは無くて刺身定食か何かにしようかと思っていたのですが、ウニ丼が食べられると聞いたら我慢できなくなりました。
さっそくオーダーするも・・・『ちょっと、待っててくださいね・・・。』ですって。


なんとオーダーが入ったから近くの市場にウニを買いに行っているんだそうです。
オッ、無駄な在庫を持たずにリスクを減らし、お客さんにも新鮮なものを食べてもらう素晴らしいシステムです。そのかわり天候不良のときは食べれませんが・・・。

・羅臼の食堂 ・ウニ丼 ・高級な蝦夷バフンうに ・食事が終わって外に出ると、知床峠は霧

美味~い、甘~い!。あっという間にペロリと平らげてしまいました
外に出ると知床峠には霧がかかり始めていました。私はちょうど良いときに通ってきたみたいですね。天気の読みが全て良いほうに働きました。作戦勝ちです!


私と入れ替わりに店に入った人も『ウニ丼』を注文したみたいで、また店主が外に出て行きました。しばらく観察していたら板ウニを抱えて戻ってきました・・・、忙しそうだなぁ。
そこから、知床半島の行き止まり『相泊』まで海岸線を流しました。終点では、少しだけ残念なことが・・・

・終点の相泊 ・ココから先は自然の宝庫 ・こちらは2004年の写真 ・デカヘキサがあったはずなのに!

最東端のデカヘキサが消えていました。なぜだろう・・・誰か盗んでいったとか(?) なぜ無くなったのか謎です。


いつもの事ながら、ウロウロしすぎて時間が無くなり、急ぎ足で多和平に戻ります。おっと・・・、もちろん温泉に寄ってコーヒー牛乳も飲みました。

超リッチな晩酌

さて、晩酌が楽しみです。今日はキャンプ場に誰もいないし寒いので、テントの中で一人ラジオを聞きながら呑みます。
なんと言っても普段とはつまみのレベルが違いますからね。

・今日のお供 ・セイコーマート製 ・スティック野菜¥198円 ・最高級の蝦夷ばふんウニ

まずは、昨日からハマりだした野菜スティックですが、セイコーマートにもそっくりパクッた製品が売っていたのでさっそく購入してきました。
開けてビックリ、値段はセブンイレブンより安い(¥198円、セブンイレブンは¥220円。)のに、超巨大で量がたくさん!


シャキシャキ野菜を食べながら、メインの『うに』を一口食べれば・・・


ほぉぉぉぉぅ~


美味い!甘い!最高!
気分よく飲んでいたらつまみだけでお腹がいっぱいになりそのまま就寝してしまいました。

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