感激いっぱい ~2008GW北海道ツーリング・行程3日目~

朝6時、気温5.1℃。文明の利器、暖房ヌクヌクで暮らしているととてつもなく寒く感じる気温でも、一日中外で活動していてそのまま就寝となると、人の感覚が自動的にそれに対応して寒さを感じなくなります。もっとも、しっかりと着込んでいるし、シュラフもヌクヌクのものをきちんと使用していますが・・・。
でも寝る前に携帯でブログ更新をしようと思ってシュラフから手を出して打ち込んでいると、すぐに手がカジかんでしまい諦めるほど寒かった・・・。
朝は、特に目覚まし時計などで強制的に起こされるわけではなく、なんとなく起床。辺りが明るくなると自動的に目が覚めるんです。そして、朝一番に最初にすることは・・・テントから顔を出して天気を確認すること。すると・・・


晴れました

・空はうす曇だけど良しとします ・バイクも露でしっとり

この天気であれば、さっそく旅の大目標、根室に向けてアプローチします。
ただ、道東への山岳越えは昨日や一昨日の悪天の影響で雪のリスクがあると思い、これまた遠回りだけれども太平洋海岸沿いに針路を取り、えりも町のえりも百人浜オートキャンプ場まで駒を進める予定です。

・今日の予定ルート

洞爺湖・有珠山噴火跡

出発は朝7時、国道5号線を北上し、すぐにマイナーロードへ。
洞爺湖周辺では、久しぶりに有珠山西口火口郡へ。あいかわらず煙をモクモクと吐き出しています。

・場所イメージ ・旧国道は途中で通行止め ・今も煙がモクモク ・こっちも。

ちょうど入園式を行っていた最中に被害にあわれた洞爺湖幼稚園の建物や、その他の建物もその当時のまま保存してあり、道路もボコボコにひび割れています。
今日は襟裳岬まで走行距離があるためココで時間を使うわけにはいかず、遠くから眺めるだけでした。

道道2号線・オロフレ峠

室蘭市街を避けるこのルートは、夜間は凍結の恐れがあるので通行止めになっている山岳ルート
よせば良いのにわざわざこんなルートをチョイスしましたが、これが大正解。大動脈国道と違い、アップダウンがあるため大型車が圧倒的に少なく、そして自動車もほとんどいないので、すばらしい景色の中をグイグイとワインディング。本州でいえばビーナスラインクラスの景気と走りが北海道だとそのあたりで普通に存在しているのがすごい。

・道道2号オロフレ峠へ ・標高が上がると雪が! ・本来の頂上は旧道の中 ・でも除雪しておらず通行止め

このルートは初めて通るのですが、きっと過去のルートを避けるようなチョイスをしなれば選択しなかったであろうという道。案外このマイナーロードツーリングのポリシーは楽しさを発見できるのかも知れません。

苫小牧

なぜか自分では普通に走っているつもりでも、他人と比べるとかなり足が遅いらしく、しょっちゅう道端にバイクを止めて写真を撮ったり、エンジンを止めて静けさを味わったりしているので、あんまり距離が伸びないんです。
早朝に長万部を出発したのに、大工業都市の苫小牧近辺まで来るのにもうお昼の時間になってしまいました。
うーむ、仕方がない、食事をすることにしよう・・・。チェーン店なんかに入っても仕方がないので、食品卸売センターへ出向き、一通り見て回った後に廻らないおすし屋みなと寿し』さんへ。ランチならそんなに値段にビビらなくてもよいので安心です。

・場所イメージ ・市場の裏口 ・市場内のみなと寿し

そしてオーダーは、苫小牧名物丼¥1,260円で、苫小牧名物のホッキ貝ドカッとたくさん乗っている丼です。

・苫小牧名物はホッキ貝 ・苫小牧名物丼 ・ホッキ貝がたくさん!イクラも!

プリプリした貝が美味しいの♪

なにそれ。

苫小牧からは国道235号線ルートになるのですが、時間がヤバイため無料の高速道路『日高道』で、鵡川インターまでワープ。(←でも結果的には一般道でも時間変わらないジャン。)
そこからは道道74号→国道237号→道道80号→道道208号→道道1026号→道道209号→道道71号と、細かく並行する道道を探してはとりあえず行ってみよう!と進みます。国道と違って案内がショボイ(ない場合すらある。)ので、うろうろと迷いながら進むと、あ~らビックリ『その他の危険』の看板が。


ビックリマークの下についている補助標識には『この先ダート』ですって~~~~!!!! 公安委員会設置の警戒標識が常置してあるぐらいなので、工事などでの臨時ダートではなさそうです。
おいおい、地図を信用しきっていたのにこんなトラップが~~~。いまから引き返すと大幅に時間をロスしてしまうしなぁ、どうしよう。う~む。

・突然のダート!!

む~ん、む~ん、むむむっ


その場でしばらく悩んでいると、ダート区間から一台の軽自動車がやってきました。それもおばちゃんが運転しています・・・。ということは、この先に集落があるはずだ。しかも軽自動車の後からもう一台車がやってきました。ある程度交通量のあるダートみたいなので、最悪オンロード車VFRで突入して脱出不能になっても誰かに気が付いてもらえる。よし、行ってみよう~!


何のことはない、ダート区間は500mも無く元の舗装道路に戻ってしまいました。結果論ですが、よ~くツーリングマップル見ると、ダート区間だけは道幅が細く書かれていました。ダマされた!

二十間道路桜並木

ちょうど今頃、北海道には桜前線がかかっています。
それならばと、一直線の道路の両側にずら~っと桜が植えられている『二十間道路』に寄ってきました。この道路、もともとは宮内省の御料牧場の道路で、幅32m(二十間)のためにこのように呼ばれています。ずーっと直線で端から端までバイクで走りましたが6.3kmもあり、ずーっと桜が植えられているとんでもない道路です。
桜のシーズンに当たることが無かったため、今まではただの道路としてしか認識していなかったのですが、さて、どうだろう・・・・。

・場所イメージ ・二十間道路入口 ・道路の両脇に桜 ・いちおうピンク色ですね・・・

え~~~っ、一応かすかにピンク色ですが・・・・一分咲きかな(?)


にもかかわらず、出店とか出ているし、この道路だけは自動車がた~くさん。たしかにこの桜が満開になったらすごいだろうな。帰りにもう一度寄ってみるかな。

えりも岬・タイムアップ

北海道の中央一番南にある岬です。(←北海道最南端ではありません。)
ここは年がら年中、強い風が吹いていて、バイクで行くと風で倒れそうになるところです。が、今日は微風・・・。

・場所イメージ ・この辺りはコレでも微風 ・輝くえりも岬灯台 ・一応記念写真も

吹き流しの背景をご覧いただければわかるのですが、岬周辺の高台は常に風が強いため樹木が育たずに、背の低い草のみしかありません。
さて、時間は既に16時30分。時間が無いのでさっさとパスしてここから2~3km程の百人浜キャンプ場へ。えりも岬へは明日の朝にもう一度来ることにします。


キャンプ生活

今日は、この時期としては珍しく私を含めてライダー3人でキャンプ。ライダー以外はいませんから、貸しきり状態です。
ここの名前が『オートキャンプ場』となっていますが、オートサイトは半分だけで、残りの半分はフリーサイトとなっていて、ライダーたちもテント1張り¥300円で利用できます。風呂も歩いて5分のところに町運営の高齢者センターにて入ることが出来ます。

・ライダー3人も!! ・綺麗なサイトです ・近くの高齢者センター ・風呂上りはもちろんコレ

サッパリした後は自炊して、飯を食べながら酒を飲みながら、しばらくの間だけみんなでトークします。
ずっとトークといきたいところですが、この時期はまだ寒いので日が落ちて1~2時間もすると限界が来ます。20時にはさっさとテント内に入って暖を取ります。なんでもみなさん道東を目指しているのですが、峠越えは危険と判断して海沿いを進んできたんですって。考えることはおんなじだなぁ。

キャンプサイトの管理人さんからも、私たちが来る前まで泊まっていたライダーが『寒くて寝れなかった』と逃げるように出て行った事を教えてくれて、朝方には霜が降りるからね~と、かなりビビらせてもらいました。


私は、語弊があるかもしれませんが、この不便なキャンプ生活が好きです。文章で書くと旨く書けないので、箇条書きにしてみます。

  • 普段の生活で当たり前に使用している、いつでも出るお湯明るい電気フカフカな布団、これらがいかに贅沢ですばらしいものなのかを実感させてくれます。
  • 1泊や2泊のキャンプ生活だと、勢いでこなせてしまう(たとえば、風呂に入らないで我慢する等。)が、3泊、4泊を超えてくると、それ相応の対応をしなければならなくなる。
  • 電気が無いので夜は不便。ランタンもあるけど、毎夜使っているとあっという間にガスが無くなるので、基本的には宴会用で自分向けには使用しない。
  • すると、当然日のあるうちに食事を済ませ食べ終わったものはその日のうちにきちんと片付けておく習慣が付く。野生動物が荒らしに来るのが普通で、キャンプだと人間もただの動物と同じ、人間の縄張り(←家)なんて無い
  • だから、常に行動が太陽と同期するようになってくる。朝、明るくなると目が覚めるし、暗くなると眠くなる。テレビやゲームなどあるわけも無く、雑誌すら当然読めない。寝るしかないのである。
  • 家は偉大である。疲れようがボロボロになろうが、そこに帰ってくればリセットできる拠点です。家や宿がある場合は結構無茶な走りをしたり、水没を覚悟して走ったりしても、その日を乗り切ればリセットされます。しかしキャンプ生活だとリセットされないし、そもそもその日のキャンプ適地が見つかるか(?)という不安定要素もある。 そこで15時ぐらいからは適地探しに走り、16時にはテント設営に入る。17時からは食事18時に日没となる。最悪キャンプ場クローズなどの場合は飯を切り詰めて1時間の貯金がある。不便なようだけど、連日を移動するにはこのくらいの余力を残しておかないと体が持たないのでちょうど良いのかも。
  • しばらく、地面にテントマットという生活をしていると、その固さが普通になる。たまに健康ランド泊のときの仮眠ソファーみたいなやつが、普段だと寝にくいなぁ~となるが、キャンプ期間中は『うわぁ~、なんて柔らかいんだ~。』と熟睡できる。

総じて、普段の贅沢な生活をリセットして、ただの動物としての感覚に戻してくれるんです。これ、普段がいかに幸せなことなのかを味あわせてくれるんです。


でも、この生活に慣れてくると・・・、宿を取ってツーリングするのが馬鹿らしくなってくるのも事実です。

  • ホテルに行っても、ソロツーリングだと話し相手もいないので、テレビ等を見れたり風呂に自由に入れる利点はあるけど、結局滞在時間の大半は寝るために使用している。
  • 寝る』だけに焦点を当てた場合、宿もキャンプの寝袋も特に変わらない。変わるのはテレビなどのオプションの部分だけである。
  • オプションの部分は工夫すればよい。(←ただし、テレビの天気予報が見られるのは羨ましい。テレビとラジオでは情報量がまったく違う。)
  • たったこれだけなのに、キャンプは無料~¥500円宿は¥5,000円。もったいなさ過ぎる!
  • さらに、キャンプの場合だと、朝早く起きて日中には時間を精一杯有効に使う努力を自動的にすることになる。(夜には何もできないから。)

結果、ツーリングは日中をいかに過ごすのかにかかっているので大変お得となる。
ただし、雨が降るとわかっている場合のキャンプは最悪です。浸水したり、翌朝が撤収できずにもう一泊しなければならなくなるなど・・・。


この時期のキャンプツアラーは気合いが入った人たちばかりなので大体意見が似通っていて、こんなような話で盛り上がりながら夜が更けていくのでした・・・。

https://…/2008/04/30/ 帯広周辺観光に欲張りすぎ ~2008GW北海道ツーリング・行程4日目~