プリント基板製作の手順

愛車のバイクであるVFR750F(RC36)に、長距離走行中の暇つぶしアイテムである"MP3プレーヤーの搭載"と"アマチュア無線機を搭載"をする作業をノンビリと進めています。
今回はプリント基板製作に必要な機材の準備のお話しです。まぁ、準備といってもインターネットでボタンをクリックしただけ、通信販売での購入です。
最近はこの便利さに慣れてしまい、わざわざ足を運んで最安値で買う手間と時間が惜しくて、高価&送料を負担するのがなんとも思わなくなりました。


さて、手配したのはこれらです。

  • ポジ感光基板
  • インクジェットプリンタ用アートワークフィルム
  • 現像剤
  • エッチング液

この世界を知らない人にしてみれば、聞いたことがないキーワードがたくさん登場しました。
実際にプリント基板になるまでには、以下の工程を踏む事になります。

アートワークフィルムの準備

透明なOHPフィルムのようなものに、インクジェットプリンタでプリントパターンを印刷します。このフィルムは、インクジェットプリンタのインクがよく乗るような特殊な加工がされています。また、印刷した部分は光を通してはいけない性質が要求されるので、濃~く印刷します。
昔は手でフイルム作ったので物凄い手間と時間が掛かったのですが、今はまだ楽です。

・透明フィルムにパターンを印刷(説明用にアルファベットのEの形を印字したことにします。)

実際には、裏表両面になるため2枚のフィルムを準備することになります。実際の印刷するパターンは前回の日記で設計が完了しています。

https://…/2008/02/11/ 車速連動アンプ・プリントパターン設計完了

露光

前項のフィルムをポジ感光基板に密着させ、光を照射して感光剤を変質させます。
昔はサンハヤト製のロボライト(紫外線を照射する蛍光灯ロボット)を使用していましたが光にムラがあって仕上がりが良くないので炎天下に10分~15分ほど放置します。まるで小学生の時に実験させられた日光写真のようです。

・ポジ感光基板 ・フィルムを密着して光を当てる ・変質後はこんな感じ

ポジ感光基板は、ベース素材(図では白色,1.6mm)のガラスエポキシの板に、銅板(図では橙色)を貼り付け、さらにその上に感光剤(図では青色)を塗布した状態で、光に当たらないように厳重に包装されて販売されています。
この感光剤に光を当てると変質させます。

現像

次に、感光済みの基板を現像剤の中に漬け込みます。すると、先ほど光を当てて変質した部分の現像剤が溶け出して銅板が露出します。

・現像完了

この状態では、パターンとして残したい部分だけが感光剤が残っています。

エッチング処理

つづいて、銅を腐らせる薬品エッチング液(塩化第二鉄液)に漬け込みます。
すると、この薬品に触れている銅は腐って溶け出すのですが、感光剤でガードされている部分は腐らずに残るのです。

・エッチング完了

再露光・再現像処理

感光剤はハンダを弾いてしまう為、綺麗に落とさなければなりません。したがって再び紫外線を照射して感光剤を変質させてから、現像を行います。
すると、綺麗に感光剤が落ちるのです。

・パターン転写完了

これで、フィルム上に印刷したパターンと全く同等のプリント配線が完成したことになります。
実際はココからさらに部品を取り付ける穴をドリルで開ける作業が続きます。


さて次回から、この工程を実際に作業していきます。