車速連動アンプ・プリント板設計方針

愛車のバイクであるVFR750F(RC36)に、長距離走行中の暇つぶしアイテムである"MP3プレーヤーの搭載"と"アマチュア無線機を搭載"をする作業をノンビリと進めています。
今回はプリント板設計方針のお話しです。


今までブレッドボード上で実験を繰り返し、回路が想定通り動作することは確認してきましたが、音質は最悪でした。

・ブレッドボードでの試験

マイコンチップに代表されるデジタル回路アンプに代表されるアナログ回路を同居させている為に、デジタル回路から発するノイズがアナログ回路に回り込み、スピーカーからは不快な音が鳴るのです。
このノイズを押さえ込むには配線方法が重要な要素になり『太く短く』、そして全ての電圧の基準点になるグランド(バイクのマイナス端子を電子回路ではこう呼びます。)は『広く大きく』してノイズ耐性を高めます。
また、可能な限りアナログ回路とデジタル回路を分離することも必要となります。

ここまで要求が細かくなるとウインカーリレーを製作した時のようなユニバーサル基板だとこなせないので、専用のプリント板を製作することにします。

・ユニバーサル基板 ・ハンダで配線

一枚の銅が張り付けられた生基板からプリントパターンが刻まれたプリント板を作るには、次のように作業します。

  1. 生基板に油性マジックペンで『銅を残したい場所(=パターン)』を書き込む。
  2. 銅を腐食させる薬剤、エッチング液(塩化第二鉄液)に漬け込む
  3. エッチング液に触れた銅は溶けて無くなるが、マジックペンで書き込んだ所は液に浸らないのでそのまま残る。
  4. 最後にシンナーでマジックを綺麗に落とす。

すると、一番最初に生基板に書き込んだパターンのプリントができるのです。
しかし、これでは生基板にマジックペンでいかに上手くパターンを書き込むかにかかってしまうため、ICチップ周辺の微細パターンの表現が困難です。

・感光基板

そのために少し応用します。

  1. 透明なフィルム(OHPフィルム等)に回路パターンを描く
  2. 生基板に感光剤を均一に塗布(=感光基板と呼びこの状態で市販されている。)しておく。
  3. 感光基板にフィルムを密着させ紫外線を当てると感光剤が変質する。
  4. 現像剤水溶液に浸すと、紫外線を当てた所だけ感光剤が早く溶け落ちる。(=マジックでパターンを描いたのと同じ状態。)
  5. エッチング処理し、銅を溶かし落とす。感光剤が残っている部分はエッチング液に触れないため銅が残る。
  6. もう一度現像処理を行い残っている感光剤を溶かし落とす。

思いっきり工程が増えていますが、別にフィルムを用意すればよいのは大きな利点です。
昔はフィルム製作にレタリング転写で挑んでいましたが、今は個人のパソコンの能力が上がり画面上で編集して印刷するだけでよいのです。

・手書きで部品配置 ・レタリングで製作したパターン

個人のパソコンでは夢のようなCADを使ったパターン製作は、電子工学科の学生の頃は面白くて夢中でチャレンジしていましたが、個人のパソコンが今の性能なら自宅でも出来てしまうのです。(CADソフトもプリンターも無いのでママゴトみたいですけどね。)


という訳で、パソコンでフィルム製作にかかります。