ぐぉ~~~っ、やられた~。
遅く起きた朝は、ちょっとそこまでショートツーリングと思い、神奈川県の宮ヶ瀬湖から県道70号ヤビツ峠を抜けると秦野市なので、ラーメン物のテレビ番組に良く出ている『なんつっ亭』に寄ってくる事にしたんです。
普段なら自宅から空いている裏道や住宅街の中を抜けてストレス無く宮ヶ瀬湖に到達するのですが、今日は乾電池を買いに八王子のヨドバシカメラに寄ってから行ったんです。
八王子市内の踏切に遭遇し、『踏切での綺麗な一時停止はバイクの美学』がモットーの私は、すばらしい着足と左右確認で・・・
ゲッ、白バイが隠れている!
・すぐワキには白バイが一時停止無視を見張っています |
踏切はオトガメ無しですが、直感『今日はいる日だな。』と。
警視庁ぐらいなんですって、パトカーより白バイのほうが数が多いのって。その警視庁でもパターンがあり、『まったく出ていない日』『少数が流している日』『大量に出ている日』があるように思われます。(あくまで経験からの分析)
・VFR750P | ・VFR800P | ・GSF1200P |
宮ヶ瀬湖までまともに国道や都道・県道を通ると渋滞にはまるので、普段の常用ルートになるべく早く寄せる方向へ針路をとります。
さぁ、常用ルートへ後一歩、『左に行けば片側一車線の常用ルート』で、『右に行けば片側二車線のガラガラルート』というところで『左はいつもと一緒だし、ガラガラだから右から行こう。』と悪魔のジャッジをするのです。
片側二車線でガラガラとくれば普通に流しても80km/hぐらいなのに、この道は中央分離帯が無いという理由なのか、制限速度は40km/hと恐ろしく低い事を後で知る事になります。
前方はレーダーでネズミ取りを警戒し、後方はバックミラーで追尾を警戒しながら走っていました。
やがて信号が多いこの道にイライラしながらアクセルを開ける手に力が入ります。かなりのぶっとばしです。
・・・
やがて私の後方警戒網が異変を探知します。
かなりの距離を置いて1台のバイクがいます。そして私とそのバイクの間には誰もいない。
白バイって前照灯の光軸をギリギリまで上げているのでバックミラー越しに見ると眩しくてハッキリと姿が見えないんですが、そのよく見えないバイクがはるか後方にいます。距離は目測で300m程度。
念のためアクセルを戻して体感では物凄く速度を落として警戒モードに入り相手の出方を見ます。
最近の白い大型スクーターの中にはフロントビューが白バイと似ていて眩しいとこまで似ているのです。
・・・
こちらは速度を落としているのに相手は間を詰めてきません。
『敵だ!』と判断し、白バイ探知を彼に伝える為にポンピングブレーキで合図をしたら・・・赤灯つけてのんびりと間を詰めてきました。
向こうも私が気が付いているのを知ってるし速度も遅いので、サイレンすら鳴らさずに『止まって~』だって。
白バイの構造
ここで、この後の話のつながりの為に、白バイでの速度計測の方法を話しておきます。
白バイが天下御面の道路交通法適用除外となるためには『緊急車両』でなければなりません。
緊急車両とは、予め国に登録されていて、かつ赤色灯を点灯してサイレンを吹鳴している状態でなければなりません。ただし、警察車両で速度取締をする場合はサイレンの吹鳴を省略する事ができます。
そしてよく聞くのが"赤灯つけていないのに速度測られた~"というセリフですがガセなのです。
白バイの速度計測は右手親指にあるスイッチで行います。普通のバイクでいうところの前照灯スイッチに相当します。
そのスイッチは右側定位置から左側に押し込むように『・→P→M→S』となっていて
- ・位置=定位置。赤灯消灯、計測速度計フリー
- P位置=(パトライト位置)赤灯点灯、計測速度計フリー
- M位置=(メーターストップ位置)赤灯点灯、計測速度計固定
- S位置=(サイレン位置、半固定で手を放すとM位置に戻る)赤灯点灯、計測速度計固定、サイレン吹鳴
となっています。
・SMPスイッチ |
従って白バイは、次のように行動します。
- 獲物を見つけるまで適当に流すか、物陰でヒッソリと待つ。
- 獲物を見つけると後ろに付き、併走するように間を詰める。(俗称でロックオンされたという。)
- 計測スイッチを『P位置』に赤色灯を点灯させ速度計測を開始する。(適当な距離を併走する。)
- 等速度で併走すれば白バイの速度=ターゲットの速度なので計測スイッチを『M位置』にして、速度計を固定する。
- ターゲットを止めるため、サイレンを鳴らしたければチョンと『S位置』にすれば『ヒュ~~ン♪』という白バイ独特のかん高いサイレンが一発鳴り、マイクも使って叫びもします。
となるので、赤灯がついていないのであればまだ速度計測は行われていない事になります。
話を元に戻します
私の後方警戒網に異変を探知し、相手の出方を探る間、白バイは間隔を詰めるでもなく私を泳がせていたのでしょう。私がブレーキを踏んでアピールをした後に赤灯を点けたので正確に測れていないのでは(?)
文句いえば勝利か(?)と一瞬頭によぎります。
しかし、その直前まで私と間を詰めずに等速度で走っていたので、その状態でメーターストップされたのであればほぼ等しい値が測定されていることになります。
・やられました VFR800P |
バイクを止めてからこれまた相手の出方を見てみることにしました。
白バイ隊員 | 『ここ数日でバイクの事故で4人も亡くなっているんですよ~。』 |
私 | 『・・・』 |
白バイ隊員 | 『バイクでの運転は気をつけてくださいね~。』 |
私 | 『・・・』 |
おっ、これは計測がうまく行かなくて警告で終わるのかな(?)
白バイ隊員 | 『ちょっと免許書見せてもらえますか(?)』 |
私 | 『え~、ハイこれ。』 |
白バイ隊員 | 『じゃあ、ちょっとバイクを降りてコッチ(白バイ)来てくれます(?)』 |
終わった!! そっちに来いということは計測速時計の確認をさせられるわけです。すると・・・。
白バイ隊員 | 『はい、62km/hですね。40km/hの制限だから22km/hオーバー。本当はもっと飛ばしていたけど、最後のほうで速度落としていたでしょ。』 |
私の脳みそ | くそ~、惰性で計測されたか~。文句言っても証拠がないから丸めこまれるなぁ・・・。まぁ赤じゃないからいいかぁ。 |
私 | 『写真撮っても良いですか(?)』 |
白バイ隊員 | 『いいよ、いまプリンタで打ち出していて格好悪いから閉じてあげるね。』 |
私 | 『パシャパシャ。どの辺りからついていたのですか(?)』 |
白バイ隊員 | 『バスの折り返し場の所だよ。結構飛ばしていたでしょ~。バイクの事故が本当に多いので気をつけてね。私達も急遽休日返上で取締りしているぐらいだからね。』 |
私 | 『へ~、じゃあ今日は相当出ているんですね(?)』 |
白バイ隊員 | 『今日は多いよ。奥多摩のほうにも相当行っているよ。』 |
・計測速度62km/h |
というわけで、今日はとにかくバイクがターゲットみたいなのです。
そして、私のバイクはVFR750F(RC36)、そして白バイといえば旧型のVFR750P(RC35)と現行新型のVFR800P(RC49)と兄弟で、かつ弾数が少ないバイクなので白バイ隊員も『おぉ~友よ』の感覚なのか、聞いてもいないのにいろいろとバイク談義に花が咲きます。
白バイ隊員 | 『私もこのVFR800Pの前にはそのVFR750Fの白バイに乗っていたんだよ~。もうそれもだいぶ経つでしょ~。』 |
私 | 『1990年製だから17年経ちますね~。』 |
白バイ隊員 | 『これもVFR800Pの中では初期型で、この型が登場してスグに配備されたんだけどクラッチがイマイチなんだよ~。』 |
私 | 『え、そうなんですか(?)』 |
白バイ隊員 | 『なんかねぇ、この型のクラッチってスパッと変なところで切れるんでギクシャクして乗りづらいんだよ。』 |
私 | 『ふーん、確かに白バイの乗り方だとクラッチとリアブレーキは酷使しますもんね。』 |
白バイ隊員 | 『次の型のマイナーチェンジVFR80Pからはクラッチの構造が変わってね。乗りやすくなっているんだよ。』 |
私 | 『あららって、白バイ隊員て隊員とバイク固定じゃないんですか(?) いろんなバイクに乗るにはそれぞれ癖があるから大変でしょ・・・』 |
白バイ隊員 | 『そうそう、固定されているんだけど、ちょっと他のに乗ったら乗りやすかったんだ。』 |
私 | 『(オドメーターを見て)2万5千キロ、結構走っていますねぇ~』 |
白バイ隊員 | 『これ平成13年型だから、もう5年乗っているからね。早いもんだよ・・・』 |
そして、最後に書類にサインしながら・・・
白バイ隊員 | 『今日はどこに行くの(?)ツーリング(?)』 |
私 | 『ヤビツ峠抜けて秦野まで。』 |
白バイ隊員 | 『へ~、紅葉のシーズンだから落ち葉には気をつけてね。もう落ち始めている頃でしょ。』 |
私 | 『じゃぁ、そろそろ行きますよ。』 |
白バイ隊員 | 『はい。いってらっしゃい!!』 |
って、最後は友達のような送り出されようでした。
私にクラッチの話をしてもしょうがないでしょ・・・。