フロントブレーキキャリパー清掃

愛車VFR750F(RC36)のブレーキ系統が、先週辺りから重度の引きずり症状が多発しているのです…。
10年以上同じバイクと付き合っているので『ブレーキの引きずり現象』は何度か経験があるのですがここまで酷いのは初めてです。

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整備の基本は清掃から。』なのです。まずはブレーキキャリパーをピカピカに磨きグリスアップする事にしました。
清掃を馬鹿にしてはいけません。清掃するということは当然いろいろな箇所を人間の五感を駆使して注意深く見られる、感じられるので異常を発見する確率が高くなります。
もっとも、それ以上の整備は部位が命に直結するのでバイク屋に任せるつもりです。

・ブレーキクリーナー準備OK!!

先週は清掃中に部品を洗浄するケミカル『ブレーキクリーナー』が底をつくというマヌケな状態で作業中断していましたので今日はその続きなのです。
一応先週は、右フロントブレーキキャリパーのパッドピンに異常摩耗を発見し新品に交換していたのに昨日現象が再発したので原因は他にもあるはずです。


まずは貫通マイナスドライバでガンガン叩いた後、ロックネジを取外し、ヘキサゴンレンチでパッドピンを取外します。(先週取外したはずなのに既に固着し外すのに難儀しました。) するとブレーキパッドがポロッと落ちるように外れるます。続いてブレーキキャリパーを固定しているボルト2本を緩めるとキャリパーも取外しが可能となります。
とはいってもブレーキ油圧系統は取外してはいないので、ブレーキホースが届く範囲のみ自由移動が効きます。そのままではブレーキホースでキャリパーをぶら下げる形となってしまいます(←厳禁)ので、ヘキサゴンレンチで串刺しにしておきます。

・左下がロックネジ ・T型ヘキサゴンレンチと
 マイナスドライバ
・キャリパー取り外し後は
 串刺しして脱落防止

後はキャリパーにブレーキクリーナーを吹き付け、使い古しの歯ブラシでゴシゴシ磨きブレーキパッドの削りかす粉末を落とします
続いてピストンの清掃です。何でも良いので物を置いて(後で鋏まれることになる)から軽くブレーキレバーを握るとジワ~っとピストンがでてきます。ピストンの周りにもパッドの削りかすがこびりついているのでゴシゴシ磨きます。このピストン周りにこびりついている削りかすはピストンの動きを阻害するのです。

・ぐわ~っ真っ黒 ・ピストン押し出し中 ・歯ブラシで磨きます

ほらっ、写真でも分かるほどピストンがピカピカになりました。
磨き終わったら、ゴムを侵さないシリコングリースをピストンの周りに塗付してからピストンを押し戻します。押し戻すと内側に隠れたゴムシールにグリースが行き渡ります。押し出しては押し戻すを数回繰り返すとスムーズに動くようになってきます。
ピストンを押し戻すのは人力では無理…。大きく口を開くウォーターポンププライヤでキャリパーごと挟み込んで押し戻します。本当は専用工具があるのですが、なかなか手が出ない値段なのです…

・WAKO'S製シリコングリース ・ウォーターポンププライヤ

他にもグリスアップする場所があります。
ブレーキキャリパーはバイク本体に直接固定されているわけではありません。というより、どこにも固定されていません。
キャリパーブラケットがバイク本体に固定され、ブラケットから伸びているピンボルトに刺さっている(ぶら下がっている)だけです。キャリパーはディスクの偏移に合わせて左右に動いて追従したり、ブレーキ制動時にも左右に動いてディスクを圧迫するようになっているのでスムーズに動くようにしてあげる必要があります。このピンボルトも清掃しシリコングリースを塗り込んでおきます。

・ピンボルトを清掃しグリスアップ

あとは元通り組み付けます。
ブレーキパッドの裏面にもグリースを塗り、ブレーキパッドの左右動作をガイドするパッドピンもグリスアップします。
この部分は非常に高温にさらされ、かつ相当な圧力にさらされるため粘度の高いものが必要となります。10年以上前に購入したホンダ製のパッドグリスを使用し続けていますが、使用頻度が少ないためまだ半分以上残っています…。


そう、今回から新兵器、和光ケミカル製スレッドコンパウンドを使用してみることにします。
パッドピン等の高温になる場所は固着してボルトが緩まなくなります。(事実キャリパーを一つダメにしたこともありましたし…) そこで、カジリ防止として処方してみることにしました。
なんてことは無い、愛用していたパッドグリスとそんなに変わらないですね。グリースに金属粉を混ぜてあり、ねじ山の間に塗るとそれらがコロの役割をして固着しないんだそうです。以前からパッドグリスでも塗り込んでおくべきでした。

・年季のパッドグリス ・新兵器スレッドコンパウンド ・パッドピンのネジ部分に塗布

スレッドコンパウンドは銅粉入りなので十円玉色。写真でもねじ山が十円玉色に見えますね。


さて、長くなってきたので続きは次回へ。