ウインカーLED化計画・ウインカーリレー試作

愛車のバイクVFR750F(RC36)のウインカーをLEDに換装する計画を進めています。


今日は、ウインカーリレー回路を『差し込むだけで簡単に回路を組むことができるブレッドボード』上に組みあげて、設計通りの性能が出ているかを検証しました。

ウインカー代わりのLED数個に、ウインカー・ハザード・ポジション用の模擬スイッチ、電力供給・停止を行うパワーMOS FET、電流検知用のオペアンプIC、制御電源供給用の定電圧レギュレーター、抵抗等の受動部品、そして論理演算を行うコンピュータLSI(PICチップ)を配置して、部品間の配線をします。


そして、電源投入!
一個10円~数百円の鼻クソみたいな部品達が一丸となって活躍する瞬間です。

・数十円の部品たち

あれっ…模擬ウインカーが点きません…
LEDに供給されてくる電圧を計ると+5V程度しかありません。きっとPICチップからの出力(+5V)で直接FETゲートを開けようとしているからでしょう。
急遽PICチップ出力にトランジスタを追加して電圧レベル変換をしてからFETゲートを駆動するように変更したらキチンと動作しました。

しかし、この変更により論理が逆に変わってしまいます。トランジスタによる電圧変換回路は、電圧を変換する副作用として論理反転してしまうのです!
いままでは…
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  • ソフトウェアで出力ビットを1にする』→『出力ピンから+5Vがでる』→『FETのゲート端子も+5Vになる』→『FETのドレイン~ソース端子間が導通状態になる』→『ウインカーが点灯する
  • ソフトウェアで出力ビットを0にする』→『出力ピンから+0Vがでる』→『FETのゲート端子も+0Vになる』→『FETのドレイン~ソース端子間が遮断状態になる』→『ウインカーが消灯する

だったのですが、論理が逆になり
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  • ソフトウェアで出力ビットを0にする』→『出力ピンから+0Vがでる』→『トランジスタのベース電圧が+0Vになり電流が流れない』→『トランジスタのコレクタ~エミッタ間に電流が流れない(遮断状態)』→『FETのゲート端子は+14Vになる』→『FETのドレイン~ソース端子間が導通状態になる』→『ウインカーが点灯する
  • ソフトウェアで出力ビットを1にする』→『出力ピンから+5Vがでる』→『トランジスタのベース電圧が+5Vになりベース電流が流れる』→『トランジスタのコレクタ~エミッタ間に電流が流れる(導通状態)』→『FETのゲート端子は+0V付近になる』→『FETのドレイン~ソース端子間が遮断状態になる』→『ウインカーが消灯する

とウインカーが光るようになるわけです。


それならば『手軽に変更できる制御ソフトウェアを変更すればいいじゃない!』と、事は簡単には済まされないのです。


PICチップの出力ピンの初期値はゼロ、つまり端子電圧は+0Vです。そして、PICチップに電源を供給しても回路が安定する数十ミリ秒の間はソフトウェアの実行を始めないのです。
ということは…

  1. 電源を投入してから数十ミリ秒間はどんなにソフトウェアで制御しようとも端子電圧は+0V』となってしまう…
  2. その間は出力ピンから+0Vがでる
  3. トランジスタのベース電圧が+0Vになる
  4. FETのゲート端子は+14Vになる
  5. FETのドレイン~ソース端子間が導通状態になる
  6. ウインカーが点灯する

と6段論法(?)により、ウインカーがチラッと点いてしまうのです。コレがかっこ悪い!


仕方が無いので、また秋葉原に出かけて部品を購入してきました。
いままで使用していた『N型パワーMOS FET』とはゲート電圧の掛け方が逆になる『P型パワーMOS FET』です。
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これで完璧に動作しました。
電流検知用の抵抗だけは定数が決定していませんが、これは負荷になるLEDユニットが要求する電流値がハッキリしてから、オペアンプが検知するギリギリの電圧降下で納めるために調整することにして、ココでは決定しないことにします。
やっぱりブレッドボードは簡単に回路の検証ができるから楽ですね。ハンダ付けしてしまった後ならば訂正は困難です。


電子回路設計は終了したので、これからは実装設計に移ることにします。

https://…/2006/02/01/ ウインカーLED化計画・ハザードスイッチボックスの製作