年明けから早速、愛車VFR750F(RC36)のテールライトをLEDに換装する作業を続けます。
のんびりと作業を続けてきて、いよいよバイクに取り付けるところまでやってきました。
バイクに取り付ける前に、電流値を実機計測して、どのくらいの電力消費が改善されるのかをはじき出してみます。
・テールライト 0.09A | ・ストップライト 0.50A |
ほぼ、机上計算どおりの電流値を計測しています。電力に換算すると…
ランプ種類 | 電圧・電流 | 消費電力 | 電球の場合 | 電力比 |
---|---|---|---|---|
テールライト | 14V × 0.09A | 1.26W | 8W×2個 = 16W | 7.8% |
ストップライト | 14V × 0.50A | 7.00W | 23W×2個 = 46W | 15.2% |
すばらしい省エネ性能をたたき出しています。
次に、現行のテールライトユニットの上にLEDユニットを置いて、明るさの違いを比較してみます。
さっそく、新LEDテールライトユニットを並べて、電気系統をバイクのバッテリーに接続します。
・テールライト性能比較中 |
まずは、テールライト状態で比較してみます。
まず、LEDでも点灯していることは間違いなく認識できますし、面的に発光しているため、視認性も問題ないレベルです。
いいじゃな~い♪
そこで、エンジンを始動して、今度はブレーキライト状態で比較してみます。
・ストップライト性能比較中 | ・テールライトとストップライト |
明るさは問題ありませんね…
あれっ(?) なんだか『バシッ』『バシッ』というような音が聞こえます…
右側のLEDプリント板が調子悪くなりましたしね…
そのうち、右側のプリント板ユニットが点灯しなくなりました… なんでだ!!
点かなくなってしまったので、自分で作って接着剤で密封したテールライトユニットを破壊して、原因を調べることにしました。
弾性接着剤スーパーXは、固まってしまった後は、カッターナイフで切り刻むことができます。それでもがっちりとくっついていて、耐久性能は完璧でした。(普通は自分で作ったものを本気で壊そうとはしませんものね… なかなか壊れませんでした。合格!)
さて、取り出したLEDプリント板は…
・LED1列が完全に焼けています |
定電流源である15mA定電流ダイオード(CRD)と、カレントミラー回路の基準トランジスタ・抵抗、そしてミラー駆動される回路の1回路が焦げています。
普段ショートすると、バチバチと派手な音と、スパーク、匂いなどが放たれるのですが、今回は振動対策のため回路全体を弾性接着剤で固めて密閉しているため、ポップコーンを作っているような小さな音しかしなかったようですね。
この焦げている場所と、回路が調子悪くなったタイミング(セルモーターを回した時以降)から、原因はすぐにわかりました。
『15mA定電流ダイオード(CRD)の耐電圧の低さ』です。
定電流ダイオード(CRD)にもいくつか電流値があるのですが、大きな電流値は作りにくいそうです。以前からある5mAまでの定電流ダイオード(CRD)の耐圧は100Vなのですが、多少無理して製品化した6mA~12mA付近の定電流ダイオード(CRD)の場合の耐圧は30V、さらに15mAを流すことのできる定電流ダイオード(CRD)の場合はなんと25V!
設計段階から多少心配はしていたのですが、エンジン始動によるスパークノイズの混入や、スターターモーターリレーの回路接断時に発生するノイズで瞬間的に25Vを超えたものとみられます。
しかも、定電流ダイオード(CRD)のデータシートによると、『破壊モードはショート』と記載されています。つまり、何らかの外的要因によって定電流ダイオード(CRD)が壊れた場合は導通状態になることを示しています。
対策を取るにも、まずは敵を知ることから。と言うことで、バイクの電源ラインに乗っているノイズをオシロスコープで測定してみました。(本当はセルモーターを回した瞬間のノイズを測定したいのですが、一度しか現象が出ないものはデジタルストレージオシロが必要なので、とりあえずエンジン回転中の状態を測定しました。)
・アイドリング状態 | ・エンジン回転数3,000rpm状態 |
あらーっ、ノイズだらけじゃないですか…
スパークプラグからの放電に同期して、かなりはっきりとノイズが乗っています。
今までは、室内の定電圧電源を使用して試験をしていたため問題が浮上しなかったのですね…。
電子機器では常識のノイズ対策をまったく取っていなかったことが今回の敗因ですね。
幸い、回路破壊はLEDプリント板1ユニットのみだったので、急いでLEDプリント板をもう一つ作成して、再チャレンジします。ちくしょー!