能登半島一泊ツーリング・2日目

昨日は能登半島に来るだけで終わってしまった感があるので、出発時刻を繰り上げて日が昇り始めたらスタートすることにしました。
今日は能登半島の最先端、狼煙・禄剛崎灯台まで行ってみたいのです。

海沿いをトレース

朝5時には走り出した。和倉温泉からは、富山湾にへばりつくような海沿いを国道を北上していきます。ほとんど他の交通が無く、朝霧に包まれていた風景が、日が昇ると共に徐々に霧が晴れてくる幻想的な景色を眺めながら…


国道沿いには、もと国鉄の電車が走っていました。国鉄が無くなりJRになり、そして第三セクターになり…、それも利用者減少で維持できなくなり廃止になってしまいました。
でも設備は撤去されること無く、踏切や駅、レールなどはそのまま残っています。次に来る電車をじっーと待っているのかもしれません。

・次はいつ来る!? ・恋路駅

途中には、恋路(こいじ)と言う地名があります。そして『恋路駅』というロマンチックな名前の駅もありましたが、一緒に廃止になってしまいました。

 約700年の昔、木郎の里の助三郎と、多田の里の鍋乃は、人目を忍んでこの浜で逢瀬を重ねていた。暗い夜、鍋乃のともす灯は助三郎の唯一の目標であり、愛する二人を結ぶ希望の灯でもあった。  鍋乃に想いを寄せるもう一人の男源次は、二人の仲をねたみ、灯を崖のはずれに移してだまし、助三郎は深い海から帰らぬ人となり、鍋乃も源次の求愛をしりぞけ、海に身を投げ、助三郎のあとを追った。  この悲しい恋の物語を秘めた浜は、いつの頃からか『恋路』と呼ばれる様になったと伝えられる。  (現場に建てられていた由来看板より)

禄剛崎灯台

やがて、最先端の灯台に到着。標高40mの丘の上にあるために、バイクでは行けません。歩いて丘を登ります。
人影のない灯台。異星人の侵入に蜂たちが偵察に来るだけです。


ここは、ひっそりと日本列島の中心であることをアピールしていたり、東京や中国などの各国の著名地までの方角と距離が書かれた道しるべ(海しるべ(?))が建っています。
残念ながら時間が早いため、海霧が完全に晴れておらず遠くが良く見えませんでした。天候がよければ新潟県の佐渡島が見渡せるそうです。

・うみしるべ ・今でも光がシンボル ・能登半島最北端

付近を航行する船にとっては重要な目印となる場所のため、昔からこの場所で火をたき煙を上げて場所を伝えていたことから『狼煙(のろし)』という地名がついています。火をたいていた山の頂上は、須須神社になっていて、日本海の守り神として今も伝えられています。

塩田 えんでん

奥能登では、昔ながらの製法で今も塩を作りつづけています。
海水を砂に撒き、日光で水分を蒸発させて、塩の濃度が濃くなった砂を海水で洗うと塩分が濃くなります。これを繰り返し最後は煮詰めて塩を作ります。ものすごく時間と手間がかかり、天候にも左右されるため一定の量を作れません。
それを嫌った大工場では電気化学的に塩を合成(塩化ナトリウム)してしまいますが、うまみ成分は含まれません。天然塩では海のミネラル分も一緒に含まれ味わいが違うそうです。もちろん、海水が綺麗でなくてはなりません。

・塩田 うっすら海水が ・釜炊き小屋兼直売所

国道沿いに塩田がいくつかあったので、適当にバイクを止めて塩田で塩を分けてもらいました。
元ライダーだった塩田のおじさんと、またしても1時間近く話し込んでしまいました。なんでも毎朝5時に海水を撒いて仕込みをはじめるそうです。大変です。


塩田は人一人しかいないのに、私が出発するときには鍵も締めずに『俺もメシを買いに行く!』と車で一緒に出発です。って、いいのか、もぬけの殻にして!?現金もあるんじゃないのか(?) ローカルすぎます。

輪島は諦めます

本当は輪島市の朝市に寄って行くつもりだったのに、塩田で時間を取られすぎたため今回はパス!して、能登空港の新規開港に合わせて整備された『珠洲道路~能登有料道路』の背骨トールロードで距離を一気に稼ぎます。
本当は輪島から西側の海岸沿いも面白そうなところがたくさんありそうなのですが、次にゆっくり来たときのお楽しみにしておくことにしました。

珠洲道路~能登有料道路

10年前に来たときは無かった道です。景色はイマイチだけどものすごく広くて快適スイスイな道です。
結構な距離を走ったけれど、自動二輪車は¥310円+¥100円。お得感も味わえます。

富山県氷見漁港・道の駅海鮮館

七尾漁港ではホタルイカが食べられなかったため、富山県側の漁港、氷見(ひみ)にも寄って見ました。ここは道の駅に観光客向け市場が併設されています。
ここも、炉端焼きの出店が期間限定で出店されていて、市場で買ったものをその場で焼いて食べることが出来ます。その他、刺身も1人前ずつ切りわけられたものが売っていました。醤油が¥20円で別売りだったのが気になりますが…
ここでは、ちょうど時期に当たる岩ガキを食べてみました。市場で買うとその場で貝を開いてくれるので、適当な場所で食べれます。『うまい!』『でかい!』、でも値段は観光地なのでそんなには安くなく2個で¥1,000円。でも、あの『でかさ』なので得々気分です。
ここでも、ホタルイカは売っていませんでした…

・道の駅「氷見」 ・わかりにくいけどデカイんです!

市場の前から、氷見市観光協会の遊覧船の乗り場もあり(さすが漁港直近!)、至れり尽せりです。1時間は軽く楽しめそうです。

ルート8

さて、能登半島はこれでおしまい。東京に戻るため、針路を東に取ります。
来たときとは違い、日本海側を国道8号線で糸魚川まで東進して、そこから姫川沿いに南に向かい、山岳地帯を抜けて長野県松本市を目指します。


富山県内を東進すると、ホタルイカの名産(?)特産(?)であることをアピールしている滑川市の看板が!これは期待が出来ます。道の駅に寄ると…ありました沖漬け!
でも時期は4月頃らしいので刺身はありません。このとき沖漬けでも買っておけばよかったものを、パスしてしまいました。
自宅に戻ってからくぼたさんのアドバイスを読み返してみると『沖漬けがおいしい』と書いてあるじゃないですか!惜しいことをしました。

おやしらず

国道8号親不知付近は断崖絶壁な地形に無理矢理道路をへばり付けたような感じのルートを取らざるを得ない場所で、夏は崖くずれから、冬は雪崩から交通を守るため、スノーシェッドで囲まれ、低速タイトコーナーと短距離トンネルを組み合わせて強引に通過していきます。
走るだけで感動してしまいます。これでも天下の超主要一桁国道なのです。

・陸がダメなら海に ・崖に強引に道を通します

国界橋

新潟県糸魚川市と長野県松本市を結ぶ国道148号は想い出深い道なのです。
現在は長大トンネルを簡単に掘れてしまうのか、昔みたいなタイトコーナーで標高を稼ぎ短距離トンネルで峠越えではなく、麓からいきなり長大トンネルで抜けてしまうため、峠があることを感じにくくなっています。
プロドライバーや交通安全、通年に渡る交通確保という面で、長大トンネルが便利で快適なのは否めません。


中型二輪免許を取り、日本海を直接見たことがなかったので、この道を通り糸魚川を目指したものでした。詳細は別の機会としますが、険しいルートは数回チャレンジしてようやく完走したほどで、真夜中の薄気味悪い道を走り深い谷にかかる橋は長野県と新潟県の県境で、初新潟県に感動した場所でした。

・新国界橋から旧国界橋 ・姫川沿いの崖沿いルート

今ならこんなこといったら笑われてしまうほど、すんなりと通過できます。

中央高速での不思議な出会い

ようやく松本市。ここからは中央高速八王子インターまで走るだけで観光も何もない。
追い越し車線をいいペースで走っていると、『WENS』と大きなステッカーを貼った日産エルグランドが走っているのに気が付きました。よく観るとその前の車もエルグランドでWENSステッカー!
実はWENSチームは、この日記によくコメントを書いていただくid:kaccyannさんが所属しているのです。後ろから観察しながら追い抜いていくと、『多分コレだ!』という車を発見。真横につけてジーッとガンを飛ばしましたが、まったく気が付いてもらえません。ひょとすると、私の思い違いでまったくの別人(?)な気もしてきて、そのまま通り過ぎてしまいました。


ところが自宅に戻ってからid:kaccyannさんのホームページの掲示板に今日の出来事を書き込んで見ると…大当たり!清里高原に遊びに行った帰りだったそうです。( http://d.hatena.ne.jp/kaccyann/20050626 )
手を振ってみるべきだったなぁ~


おしまい。