第二回・APRSビーコン送信専用アンテナによるテスト運用

先日、愛車のバイクVFR800F(RC79)APRSビーコン送信専用のアンテナを取り付けて送信試験を実施しましたが・・・・結果はあまり芳しくなく。

https://…/2017/12/16/ APRSビーコン送信専用アンテナによるテスト運用 →全然だめ?

そして今日、時間が取れそうなのでさっそく第二回走行試験のチャンス到来!

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・【使いまわし写真】バイクのシート下に、第二送信機をセットして走行

次に掲げる前回の走行で分析した結果を踏まえて、今回の試験に望んでみたいと思います。

 前回の分析結果

分析1:IGATE/デジピータ局の位置にのみ着目し、癖を読んでいない

→対応:長年住んでいたので地理感覚に優れる、八王子周辺でテストをしてみましょう。八王子だと山がいっぱいあるので、IGATE/デジピータ局も山の上に設置してあることもあり、電波の飛ぶ範囲がわかりやすいです。
もっとも、八王子よりも西の本格的な山岳ゾーンに入ってしまうと、見通せる場所が少なくなってしまい試験に難儀しますが、関東平野の西の端なので、アンテナは山の上、走行は(一応)関東平野という理想的な条件ですね。

分析2:停車時しかビーコンを拾ってもらえない?

前回、"ふじみ野テスト"でAPRSビーコンを拾ってもらえたのが、ものの見事に停車中の2ポイントのみ。そしてよくよく振り返ると、その前の"箱根テスト"の時も、わずか数点しか拾ってもらえず、しかも停車中だった・・・・
https://…/2017/11/07/ 箱根ツーリングの際のAPRSビーコン送信テストの模様
おやおや? 走行中は何かあるのか?
アンテナが揺れるから? しかし"ふじみ野テスト"では今回増設したアンテナを使用していますが、"箱根テスト"ではハンディー機を腰にぶら下げての運用だったので、アンテナ云々では無いのか?

→対応:前回はすぐに信号に引っかかる都市部でのテストだったので、今回はゆったり流せる国道16号・東京環状走行状態でテストをし、走行中・停止中のビーコンの拾われ方、そしてデータ通信速度1,200bps/9,600bpsでの拾われ方も見てみたいので、切り替えながらテストしてみます。

分析3:耳が悪いのでは

→対応:スケルチ最弱受信セーブ機能OFFに設定してテストしよう。
アンテナのSWRが高いのでは?疑惑がありますが、前回テストで33km先まで届いていた実績から、今回アンテナ自体の調整は対象外にしてみます。


こんなところですかね。今回は144.66MHz・1,200bps・2分間隔でAPRSビーコンを送信するようにセットして出発~
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・寒くたって、試験走行の魅力が勝る~
車載温度計によると気温6℃・・・・普通だとバイクに跨るのは嫌になる気温ですが、普段から乗って体力を維持しておかないといけないし、試験走行という走る目的が有るとこれがまた楽しい。 途中、からあげ専門店"からやま"に立ち寄ってから、米軍横田基地の脇から東京環状流しをスタート。
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・左側のフェンスの奥が、横田基地
航空法により、高い建物の建設が制限されているこの地域は空が開けており、無線のテストにとっても最適。 ・・・・ってすでに"からやま"に行く途中でビーコンが拾われている! 事前に9,600bps/1,200bpsでの特性の違いを情報収集した感じだと・・・・
  • 9,600bpsでは送信時間が短くなるので、多数の局が同一チャンネルで送信できるし、移動中にスポット的に見通せる場所などでサッとパケットを送れる。(ただし、プリアンブルまで含めるとたいして変わらないとも。)
  • 9,600bpsでは、1,200bpsよりも強電界での通信が必要で、1つのIGATE局がカバーできる範囲の半径が、およそ半分になる。
参考: https://sites.google.com/site/ja5aea/aprs-1/aprs-1-200bpsto-9-600bps
    APRS 1,200bpsと9,600bpsの到達距離と収容能力
・・・・ですって。1,200bpsでの運用で、さっそくそのエリアの広さの差が現れた感じ。 単純に周辺の9,600bpsでのIGATE局数の多さから、9,600bps運用を選択していましたが、技術的には1,200bpsでの運用が有利な気もしてきましたね。 国道16号を南下すると、走行中でもポツポツとビーコンを拾ってくれて、軌跡っぽい感じに
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・都道5号・青梅街道から、R16東京環状を南下・・・・それっぽい軌跡になっています!
おおっ! 1,200bpsだとかなり優秀だぞ! そして前回を上回る通信距離!
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・距離 75km! スゲェ~♪
なんだよ~、SWRを測っていないアンテナですが、とりあえず電波が飛んでいる気がしますねぇ。 一旦、バイク用品店・2りんかんでコーヒータイムの後、9,600bpsでのビーコン送出に設定を変更して、走行中の9,600bpsビーコン送出試験を実施。 フィールドは、片側2車線の野猿街道での野猿峠越え。野猿峠(正確にはそのすぐ横の水道山公園。)に9,600bpsのIGATE局があるので、この辺りは言ってみれば目と鼻の先の強電界での通信可能エリア
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・都道160・野猿街道  あのピークが野猿峠
スマフォに http://aprs.fi の地図画面を表示させたまま走行。ビーコンを拾ってくれるとほぼリアルタイムに現在位置情報が更新されるため、これで走行中にビーコンが拾われたのかをチェック。 すると、走行中でもすんなりと通信成立。少なくても強電界であれば、9,600bps/走行中という条件でも問題がないのね。
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・通信試験の結果
最長通信距離はわずか 4.5kmですが、これは地理的に山の陰に隠れてしまったため。本来は野猿峠から北側の平野ゾーンに抜けなければ見通せないのですが、来た道を戻るのがなんかつまらなかったのよね。 その後は1,200bpsに設定を戻して、テスト走行しつつ帰宅。 う~む、まだ謎は残っていますが、今回のテスト結果はこんな感じかしらね。
  • 走行中のAPRSビーコン発射を拾ってもらえない件 → 1,200bpsは拾ってもらえる。9,600bpsは少なくとも強電界ならば拾ってもらえる
  • 9,600bpsで距離が離れた状態で、走行中と停車中でどのような条件の差があるのかは今後の課題
  • SWRの値は不明だが、そこそこ電波は飛んでいる?
  • 前回の"ふじみ野テスト"では3時間走ってわずか2ポイントしか通信成立しなかったのに、1,200bpsだと結構拾ってもらえている。IGATE局の配置状況の差もあるので一概に言えませんが、バイク+ハンディー機運用のように、強い電波を発射できない局だと1,200bpsが有利なのか?
よし、次回は年末の走り納めで試験かな。
https://…/2018/02/27/ 先日のチバリングでのAPRS運用結果