グーテンバーガー

私は過去のツーリングを振り返ると、切っても切り離せない食べ物がある。『グーテンバーガー』である。(以前にも自分のHPの掲示板に書いた気がする…)


高速道路のパーキングエリアや街角の『コインスナック』(自動販売機だけのドライブイン)にひっそりとそれはあった。当時では非常に珍しかった電子レンジ内蔵の自動販売機で販売されていた。
メニューは『ハンバーガー』と『チーズバーガー』で、値段は¥200円ぐらい。


料金を投入しボタンを押すと『ガタッ』っと音がしてから電子レンジが作動。60秒程で商品が出てきます。(初期型は赤いランプが点滅して加熱中をお知らせ、後期型は光電管で大雑把な秒数をお知らせ。)


紙製の箱に入ったハンバーガーはあまりに熱く火傷しそうで、ワクワクしながら箱を開けるとさらに薄い紙でくるまれていて湯気が昇ります。それをはずすと『ガブッ』っといくのです。


電子レンジ加熱のためシワシワになったパン、中身はハンバーグとケチャップだけ…
素朴ではあったが『とても美味い!』んです。


なぜか。


元々ハンバーガーが好きではあるが、それだけではここまで鮮烈に覚えていたりはしない。
バイクに乗り出した頃は防寒装備や雨装備が充実しておらず、寒くて走行が限界に達したときや、距離の見積もりが甘く夜間走行でも目的地に到達せず空腹限界に達したときに『非常手段として藁にもすがる思いで飛び付いた状況』こそが、このハンバーガーが世界一と心に焼き付いた要因です。


その後、ハンバーガー製造元の『マルシンマック』が倒産したため、2002年ごろから一斉に自動販売機が撤去されてしまいました。いま、もう一度食べたい一品です。

https://…/2006/07/08/ マ~ルシン♪、マ~ルシン♪、ハンバ~グ♪